速記掲示板 その千六百五十七

ウクライナの人口は残り770万。
軍人、予備兵が減らされている。

インド
10日　　:2200万
同胞との再会に至っている割合は、今のところ、8割。
互いの素性に、近所さ、仕事といった条件は無く、取り合えずは地名を知っている、200キロ遠方の町、村の者同士。
事の経緯を明かすは絶叫。
動物園からの転用形跡を露呈する、大規模である、案内施設。
“こっちに来てお並びくださーい”との拡声器での月語。
上品めで、広大な、ひたすら薄い灰色と水色の電灯、調度品が満ちる、人間閑散食堂。
ぼんくら大学のラウンジ。
浴びるはただ“あっち行けよお前”との視線。
地下鉄の設備管理者が利用する、線路途中区画への、螺旋階段。
農場で300人が困惑していると、人数は間もなく1000へ。
面積は山手線の内側の半分大である、超大規模、ユニクロの工場兼アマゾンの倉庫へ、今や50万。
“喰い物はあの辺りのレンジ機能備え自販機で、寝る処、体洗う処はな、職員用宿舎らしきで空きを探せ、だぜ”。
空港付属の巨大倉庫へ3万。
既に始めている、面接無しな仕事は、帽子をかぶり、制服を着て、空港の中を段ボール乗せた台車を押す、との地球どこの空港にも見えるであろう版。
宿舎での話題は“仕事はスカした書店が立ち並んでいる現場で精神が高揚してしまうが、家族に会えそうにないので悲しい”。
月の旅客機は大抵、円盤型神鬼飛体なんですが、ここのは地球のと似ている。
役所の地下駐車場へ数十万。
昇降機で上へ移動すると、言語差無視、面接無しらしき仕事現場が。
高層テナントビル屋上の植物庭園へ5000。
“情操の豊かさを、自他へ詰問させず、植物が如く、すぐさま伝えようとの花弁”判定者。
高層階の風と過去への郷愁に抱かれつつ、植物の索引化が仕事。
居宅は、どうしても、ここしか無いらしい。
地球曰くの、タワマン最上階の億ション。
90階を昇降機で降りると、1階で無数種の食料や調味料がカゴに入れられている。
異空間技術による、使命貫徹衝動増幅措置により、“人に対し、自他の在り様を、確実に、丁寧に伝え広める術を、世に広めねばならない”。
軍人教練施設へ3万。
機敏印象、確実主張可能動作を、言語差無視で、新兵段階らしき人間へ、伝える。
街の公園、森の中、無人テナント、配水施設の地下へ降りる階段、存在が無意味な貯水槽の中、街の雑踏の中、居酒屋の客席で着席、1億以上。
とにかくまずは、同胞に出会うべし。
狂乱会話が猛る。
何だってんだここ、何語なんだここの言葉は、どうやってあんたここに来たんだ。
俺も知らねーよ、腹減ったらどうしよう、寝る処どうしよう。
金が要らん文明である事に気付く。
喰い物は、そこらで煙を上げている饅頭屋、ゲバブ屋、ピザ屋で、どうにか無言のまま貰うべし、だぜ、多分。
ビルに入り、無人なテナントで今のところ、大勢が固まって寝泊りしおる。
言葉は、これからどうしよう。
俺に聞くな。
役所だ、これからも役所を探す、という判断に間違いは無い筈だ。
ああ、そうだ、移民管理局へどうにか状況を伝えてみよう。
聞いた話ではここの街は、家らしきへとにかく無言で入居をかまし、そこに付属しているシャワーを利用すべし、との奇怪な成文を許容しているみたいだぜ。
あいつらが言うには、シャワーの利用にありつける家を数件知っているらしい。

大阪、神戸
10日　　:149
再び、大阪湾、沿岸が転送対象領域なんだが、大正駅の西、1キロへと、港区のみ陸を攻めている。
四十台が多い。
制服姿、倉庫で重機を操作し、物流貨物を荷下ろしする姿が、対象者の印象、中央。

ウクライナの人口は残り690万。
予備兵が減らされている。

大阪、神戸
11日　　:417
大阪湾からの上陸面積が、西淀川区やらで、厚みを増している。
今のところ、月語との遭遇沙汰は無く、全員は死亡。

インド
11日　　:9400万

速記掲示板 その千六百五十六