スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

シモネッタ女史

2015年12月04日 | 雑感
<右と左のはなし> の次は下(しも)のはなし。 <シモネッタの男と女>とのタイトルがついていた。
てっきり下ネタと思いきや、もちろん あることはあるが、ちらっと違う。 これがなかなか面白い。

書いているのは田丸 公美子。 イタリア語同時通訳の第一人者・翻訳家・エッセイストで結構人気があるという。

さすがイタリア男(フランコ)から300通ものラブレターをもらったという百戦錬磨の通称・シモネッタ女史。

本人曰く 苦節35年、アラ還を迎へお茶に誘ってくれる男もいなくなった今、つい都々逸が口にでるという。
≪口説いた男から 振った男を 引けば 夫が残るだけ≫ とくる。

       

夫とのやりとりも面白い。 夫によく皮肉を言うので 『罵倒(馬頭)観音』 と呼ばれているそうだ。

夫は離婚経験あり。 前妻にくらべ私なんか貧乏くじばかりと愚痴を言うと 
≪ 前妻は前菜、僕の人生のメインディッシュは君なんだよ ≫ と夫が よいしょ する。
≪ 何? それじゃ私の後釜に、甘ーいデザート妻が来るってこと? ≫ と刃で返す。

忘れえぬ思い出も哀感胸に迫る。 イタリア人フランコとの16年もの愛と別れ。 
当時幼子だったフランコの次女・ジュリアにSNS検索でコンタクトが取れ、フランコが3ヶ月前に他界したことを知る。
・・・・・・・・・・・・・。

今までにイタリアには70回も旅しているというシモネッタ女史。  素晴らしく痛快なエッセイでした。

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