入江杏子著 『檀一雄の光と影』を読んでみた。
杏子の本名は久恵。 舞台女優。 愛人だった人が檀の死後23年経って書いた本である。
≪ モガリ笛 いく夜もがらせ 花ニ逢はん ≫
壇一雄・昭和50年亡くなる5日前に書きとめた絶筆の句である。
(モガリ笛とは冬の烈風が吹きつけるヒューヒューと笛のような音を発する)
三年前の当ブログ 読書三昧(1)『檀一雄』クリック でも、この花は誰? モガリ笛は病室に吹き付ける音?
くらいにしか思っていなかったのですが、この本を読んでそのモヤモヤが晴れた気がした。
『一度この手で彼を抱き得たら、その場で死んでもかまわない』
『彼とのことは、起こるべくして起こった不可抗力の嵐だったと思っている』
『清冽玉を洗うような美しさと、血みどろの求道心は、彼の中を最後まで流れ続けていたように思います』 と語っている。
生前檀さんは久恵さんのことを<ヒューさん>と呼んでいたようです。
エピローグでこう語っていた。
『モガリ笛のヒューヒューという音は、
死の間際に、『火宅の人』の桂一雄が矢島恵子に呼びかけたのではないかと思えた』、、と。
出会いから別れ。 妻ある人を愛した苦悩。 檀一雄死の二カ月前での病床見舞い。 そして死。
日常の通念の破壊に挑んだ二人の清らかな、それでいて哀切きわまりない深い愛は驚愕の一語でした。
昔 男ありけり。 いたんですねえ こんな男が。
そして、 いたんですねえ こんな一途な 素敵な 女性が。
≪作品のみならず、檀一雄の実像について下記も参考に≫
檀 ふみ著『父の縁側 私の書斎』 沢木耕太郎著『 檀 』
(檀ふみは妻ヨソ子さんの子) (妻ヨソ子さんに一年間密着取材で書かれた本)
杏子の本名は久恵。 舞台女優。 愛人だった人が檀の死後23年経って書いた本である。
≪ モガリ笛 いく夜もがらせ 花ニ逢はん ≫
壇一雄・昭和50年亡くなる5日前に書きとめた絶筆の句である。
(モガリ笛とは冬の烈風が吹きつけるヒューヒューと笛のような音を発する)
三年前の当ブログ 読書三昧(1)『檀一雄』クリック でも、この花は誰? モガリ笛は病室に吹き付ける音?
くらいにしか思っていなかったのですが、この本を読んでそのモヤモヤが晴れた気がした。
『一度この手で彼を抱き得たら、その場で死んでもかまわない』
『彼とのことは、起こるべくして起こった不可抗力の嵐だったと思っている』
『清冽玉を洗うような美しさと、血みどろの求道心は、彼の中を最後まで流れ続けていたように思います』 と語っている。
生前檀さんは久恵さんのことを<ヒューさん>と呼んでいたようです。
エピローグでこう語っていた。
『モガリ笛のヒューヒューという音は、
死の間際に、『火宅の人』の桂一雄が矢島恵子に呼びかけたのではないかと思えた』、、と。
出会いから別れ。 妻ある人を愛した苦悩。 檀一雄死の二カ月前での病床見舞い。 そして死。
日常の通念の破壊に挑んだ二人の清らかな、それでいて哀切きわまりない深い愛は驚愕の一語でした。
昔 男ありけり。 いたんですねえ こんな男が。
そして、 いたんですねえ こんな一途な 素敵な 女性が。
≪作品のみならず、檀一雄の実像について下記も参考に≫
檀 ふみ著『父の縁側 私の書斎』 沢木耕太郎著『 檀 』
(檀ふみは妻ヨソ子さんの子) (妻ヨソ子さんに一年間密着取材で書かれた本)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます