スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

亡き父の散歩道

2016年05月29日 | 雑感
母上の介護のこともあり、実家へ通う日々が多くなった。  これも時の流れか。

北海道・七飯町の田舎町だ。  静寂とした夜なので寝るのも早い。  早朝散歩と決め込んだ。

   
    実家のすぐ近くに桜並木がある。               小川も流れる長閑なところ。
    ヨシノザクラ、初旬は咲き誇っておりましたが・・。       わが実家はこれほどの家ではありません。


  
      庭に咲いた、菖蒲かな?               母はこの「都忘れの花」が好きだと言う。
      一輪だけ咲いていた。                 忘れるのは都だけだと良いのだが・・。


  
      実家は横津岳の麓にある。              果樹園が多くリンゴの町でも知られる。
      カッコウの鳴き声が聞こえる。           七飯町は日本で最初に西洋リンゴが栽培された町。


  
        鬱蒼とした静かな山道。                  川ではウグイも釣れる。 
      亡き父もよくこの道を散歩していた。            あの頃の釣り具は今はもう無い。
       

ものごとなるようにしかならない。   シャキッとせよ。
毎日のようにこの山道を歩いていた父の姿を思い浮かべながら、 自分に言い聞かせた。
  



核なき世界へ

2016年05月28日 | 雑感
美文 とはいかに現実を覆い隠すものなのだろうか。

初めて米大統領広島を訪れた。  その所感冒頭にこうあった。

 『 71年前、雲一つない明るい朝、空から死が落ちてきて、世界は変わった。
      閃光と炎の壁は都市を破壊し、人間が自らを破壊するすべを手に入れたことを実証した。』


「 アメリカが日本に対し世界で初めて核を使用、10万人超もの命を奪った 」
この文章に差し替えしたいところだが ・・・・ 現実を見事に美文化したお抱えライターも大したものだ。 

いま世界にある核兵器は16000発もあるという。 減っているとはいえ、うち9割近くは米ロの大国だ。
そして中国・インド・パキスタンは増えているという状況でもある。


大統領の崇高な美文の裏は矛盾だらけ、核の傘下に安穏としている日本国もしかり。
(核兵器禁止条約に日本は参加したものの、作業部会では交渉入りに反対。米国の核の下、禁止を
 主張出来ないのだ。唯一の被爆国が逆に禁止への抵抗勢力になっている現状をどう思います?)

 『 もっと核の怖さを語って欲しかった 』  『 もうこれで終わったんじゃない 』 

謝罪の要求はしないとはいえ、被爆者の言葉は実に重い。

オバマ大統領の広島訪問に関し、中国や韓国はどう論評しているのだろうか。

中国 王毅 外相はこう語ったという。
  「 被害者は同情に値する。しかし、加害者は永遠に自らの責任から逃れてはならない。」

韓国外務省は
  「 韓国の原爆犠牲者と日米の犠牲者らを同等な立場で言及したことは意味がある。」 ・・・ と。

中国と韓国。 ニュアンスの違いはあるが、どちらも悲しみを末代まで決して忘れない文化の国だ。
それに比して何ごとも水に流す文化の国・日本。
 

優しいのか 甘いのか  皆さんはどう思います?




スーさんの白い道

2016年05月19日 | 雑感
いま、≪釣りバカ日誌≫ スーさんこと・三國連太郎の著作 『白い道』(全三巻)を読み始めたところです。

先日、対談集を読みブログにしてみましたが、どうも下の言葉が気になり探ってみようという悪いクセが ・・・。
宇都宮直子(ノンフィクションライター)曰く 別れの何が悲しいのですか ≫ と三國連太郎は言ったという。

三國連太郎の壮絶な生きざまは知る人ぞ知る。

本当に言ったか否かは今になっては分かりませんが、それにしても ≪ 別れの何が悲しいのですか ≫ 
という常識はずれのこの凄い言葉。  気になりませんか?
  

       

この 『白い道』 という本は、法然・親鸞とその時代を描いた文庫本・全三巻(上・中・下)
1000ページにもわたる大河小説。 もちろん三國さん主演で映画化もされたようです。


何があったのか、インドやパキスタン・アフガニスタン放浪の旅、一念発起猛勉強をし書き上げたという。 

こんな冒頭からはじまる・・・・・・・ 。

 『 永治元年(1141年)、鳥羽上皇が信証について出家して法皇となり、崇徳天皇がわずか三歳
   の近衛にて譲位して上皇になった。 また、臨済宗の開祖栄西が備中に生れている。
   その同じ年の春、美作国久米群稲岡庄では、小盆地を囲むなだらかな丘陵の斜面から、
   空一面狭しとばかり暗澹と染める、鉄を精錬するための蹈鞴(たたら)の黒煙が噴き出ていた。
   それはあたかも、生れた時から死という宿命をにないつづける人間が、光明と影の錯綜のなかに
   慄然と噴きあげる滅びの煙のように見えた。 ・・・・・・・ 』


文章の巧みさもさることながら、当ブログ法然の哀しみ でも横領使であった法然の父・時国が
殺されたことを紹介しましたが、法然の出自・秦氏・渡来人との関係や時代背景についても
古文書なども引用し詳細に描かれている。


まるで修行僧の迫力・筆力の如く。 まだ読み始めですが感心しきり、驚きの連続です。 


ピーター ラビット

2016年05月18日 | 雑感
こんな本を読んでみた。 <ピーターラビット> 生みの親・ビアトリクス・ポター女史の生涯を綴ったものだ。

ここに書かれていたナショナル・トラストというイギリスの環境保護ボランティア団体。 世界各国で会員は約410万人。
(1895年に創立され、正式名称は「歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラスト」)

ポター女史がこのナショナルトラストにその財産の殆どを寄贈したことでも知られる団体だ。
遺言でなんと15の農場や4000エーカー(なんと東京ドーム約347万個分)もの土地や家屋というのも凄い。



    

ポター女史は小動物や菌類に魅せられ、挿絵画家としての夢を持ち続け自然保護など社会活動にも
積極的に関わったという。 その描いた <ピーターラビット> が世界的に一躍脚光を浴びる。


得た収入で自然保護の為広大な湖水地方の土地等を買い占め、その殆どを寄贈。 自らは質素に暮らす。
先日<世界一貧しい大統領>としてウルグアイ・ムヒカ元大統領を記しましたが、凄い人っているものですね。

乱開発へのその姿勢、夢を追い続ける感性がピーターラビットや愛くるしいキャラクター小動物を生んだのでしょう。

その湖水地方に私も3年ほど前、そのポター女史が移り住んだという家を探しに訪ねたことがある。

当ブログ イングランド湖水地方 (2013年旅したときのもの)

そのナショナル・トラスト、日本にもあるようですよ。  

誰かさん? 是非遺言に考えてみてはいかがですか?   そう あなた あなたのことですよ。

泡 沫 夢 幻

2016年05月05日 | 雑感
≪ 目ざましの ベルはまだかと 起きて待つ ≫ という笑えない川柳じゃないけど、
いま まだ3時 これを書いている。 それにしても 長い夜だ。

人間長くやってれば眠れない夜、いや 朝もある。 こんな時の ≪寝床の書≫ は宇宙本に限る。
降り積もった罪業の幾許かを融かしてくれるという最高の夢本だ。

我らの住む世界は時間も加えると四次元世界だそうですが、実は十次元いやそれ以上あるという。

時間さえ相対的だといったのは、かのアインシュタイン。

兄が、光の速度にほぼ近い速度の宇宙船に乗り、宇宙を旅して帰ってきたとする。
すると地上で帰りを待っていた弟に比べ、歳はとらないというのだ。


不思議満載、宇宙に思いを巡らせ銀河を彷徨えば、人生夢幻の域だ。

世の中の ≪常識≫ としたものが、銀河宇宙の世界では木端微塵に砕け散るのがオチ。 

太陽は約50億年で燃え尽き、いずれ我らの地球も消滅するそうだ。 
隣りのアンドロメダ銀河は秒速百数十キロの猛スピードで我らの銀河に向かっているという。


どっちが早いか、地球などひとたまりも無いようです。

        
          ≪ 古代インドの宇宙観・ウロボロスの蛇 ≫

そんな宇宙本を読みながら銀河をそのまま彷徨いたいと思うこともある。

でも 来るんだなぁ また 朝が。  

『 人生、百に満たざるに 常に千戴(せんざい)の愁いを懐(いだ)く 』  (寒山子)  
とはよく言ったものだが、考えてみれば 昨日と同じ朝が来る って凄いことなのかも知れませんね。