スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

読書三昧 (33) 田原牧著 『 ジ゙ャスミンの残り香 』

2017年08月31日 | 雑感
北海道は朝夕めっきり涼しくなり、そろそろ秋の気配だ。

なぜかしばらく本を読む気も失せていたが、読書欲も少し出て来た。 

エジプト・シリア民衆革命でのその実態を描いた本を読んでみた。 田原 牧姉さんの力作だ。
2010年 チュニジア(ジャスミン革命)で始まり中東各地に拡がっていった < アラブの春 > を描いた作品。
  

第12回 開高 健ノンフィクション賞受賞作。 30年アラブを見続けた気鋭のジャーナリスト。 季刊「アラブ」編集委員。
北海道出身麻布高校相撲部に在籍という経歴をもち、性同一性障害としてカミングアウトしているという。  
     田原牧 Wikipedia

      

権力が権力を生み、汚職が蔓延し、民衆を圧政する、それを変えようとする側もまた権力を握る。

アラブの春の嵐を如実に見て来た著者が終章にこんなことを記していた。

『 革命観を変えるべきだ、と旅の最中に思い至った・・・・

  権力の移行としての革命よりも、民衆の間で醸成される永久の不服従という
  精神の蓄積こそが最も価値のあるものと感じる 』


久しぶりになるほどという本を読ませていただいた気がした。

いま世の中 イラク戦争で始まり アラブの春でさらに混乱 テロが世界各地に蔓延。
アジアはアジアで、ミサイル発車や核への脅威で北朝鮮の独裁者に振り回されている状況だ。


先日Jアラートなるものが早朝私の携帯を鳴らした。  頑丈な建物等に避難せよという
私のところはマンションでいいのだが、木造平屋が立ち並ぶ界隈に住む人はどうしろというのだ !

早いとこ独裁者の首を取ってくれ、早いとこアメリカが攻撃してくれればいい、と
自らの手を染めずに相変わらずのアメリカ頼み。  ミサイルを連発され、その技術が相当なレベルに
達しているとみれば、今度は平和的にと念仏を唱える。


賢いのか 愚かなのか、私もそうだがどう見ても日本は風見鶏。
 

凛と咲くコスモスの花

2017年08月29日 | 雑感
8月25日、93歳になる母が住み慣れた家(実家・七飯町)をあとに、施設へ入所しました。 

実家は横津岳の麓でもあり、朝夕そろそろ肌寒く、秋の気配を感じる季節に。

翌朝、近くを散歩。  美しいコスモスが凛と咲いておりました。 


やすらぎの郷

2017年08月18日 | 雑感
テレビ朝日で4月から放映されている 『 やすらぎの郷 』 (昼帯だがBSでは朝に放映)

施設内にBarもあり、海に面しての釣り三昧、なにもかも至れり尽くせり、しかも入居費無料とくる。 

私が春から母の老人ホーム探しをしていたが、こんな夢みたいな老人ホームは無論無い。 
そんな夢みたいな施設で夢みたいに展開するドラマの数々。  倉本 聰脚本の話題のテレビドラマだ。


昨日の内容は、やすらぎの郷内にあるBarのバーテンダー・ハッピーこと財前ゆかり(松岡茉優)が
夜の帰り道暴走族数人に強姦され、その仕返しに高井秀次(藤竜也)ら三人が乗り込みやっつける、
というあの三匹のおっさんを彷彿させる内容が放映されていた。

こんな深刻な問題を安易にとか、こんな高級老人ホームは世間から現実離れしているとか、
ネットでも数々のドラマの展開に賛否両論。 おおかたの評判は良いが、意見は人の数だけあるのは世の常だ。


       

賛否両論といえば、以前 札幌で倉本聰さんと湯浅誠さん(社会活動家・元派遣村村長)の
講演と対談があった時のことを思い出した。


貧困についてのやりとりで、主人公「北の国から」の黒岩五郎(田中邦衛)についての話題になった時のこと。

湯浅さん 「 なんだかんだ言っても、黒岩五郎は周りに助ける人が多くいて恵まれている 」
        世の中には誰にも相談できずにいる貧困者がごまんといる。 社会構造上の問題だ 」


倉本さん 「 いやいや それは自己責任の問題が大だ 」 

・・・ などと双方譲らない。  互いに意地になって持論を展開していたことを思い出した。

湯浅さんは正真正銘の自己責任否定論者。 倉本さんは自己責任論者。 議論が絡み合うはずがない。
まぁ考えて見ればどっちも正論なのだが、世の中 人の数だけ意見(賛否両論)があるということなのか。


老いをメインに扱ったこのドラマだが、考えさせられることも盛り沢山。 決してやすらいではいられない。

傘寿を越える年齢の倉本聰さん、劇中時々流れる軽快なピアノのメロディーも実にいい。
随分とおしゃれで罪作りな脚本を書いたものだと感心している。


9月まで放映されるようです。  さて皆さんの <やすらぎの郷> はいったい どこに ?  

三ツ矢サイダー

2017年08月11日 | 雑感
8月3日で93歳になる母、今月末での老人施設への入居が決まった。  

春になってから入浴などのデイケアサービスを利用していた施設で、入居者20人ほどの小規模なところだ。

考えて見れば父が他界してからもう14年にもなる。  七飯町の片田舎での一人暮らし。
雪の降る厳寒の冬などはさぞ大変だったろう、と不肖の息子 今更ながらの懺悔を思う。

周囲に対する感謝の思いの他に ” こんなに長く生きてごめんね ” そんな言葉を発することもある。

老いるってことは 大変なことだな、と 近頃つくづくそう思う。 

   

それでもここ数年   ” いまが 一番 いい ”  が母の口癖。    救い の言葉だ。

93年も生きてきて、いろんなこと がないはずがない。  母なりの <心の自由> を感じての思いなのであろう。

遅まきながら大好きなマグロの刺身で誕生を祝った。  老いてからはビールは飲まない、三ツ矢サイダーで乾杯だ。

 ”  いいねぇ これ うまいねぇ !  サイダーなんて何十年ぶりだけど  いいねぇ これ  ”  

そう言って口にしていた一本の三ツ矢サイダー。  私にとっては忘れられない飲み物になりそうだ。 

丘珠難民村

2017年08月04日 | 雑感
札幌・丘珠空港に隣接するところにスノーマン専用のジョギングコースがある。   

ここのコースは十年来の工期で昨年完成したが、いつ来ても人はおらずスノーマン専用のコースと化している。
 
  
夜7時までの使用とあるがなぜか街燈も巡らせてある    コースは一周600と1000、3900mの3コースあり

  
空港とツドームに隣接する広大な(50数ha)敷地だ     子供用の遊び場もあるが、その姿あまりみかけない。

  
春の雪解け時には沼と化すため排水溝も完備       すれ違うのはいつも1~2人と飛行機と小鳥くらいか   

ここ 隣りのパークゴルフ場含め総工費は なんと 180億円 だそうだ。 

ネットによると、航空機の地上騒音緩和・排ガスの拡散防止・冬季間の風雪対策及び市民のレクリエーション
などとその目的は素晴らしいが、市民の血税の無駄使い ?   いや 野暮なことは言うまい。


北朝鮮からのミサイル攻撃による市民の難民村を見越してのことなのだろう。 確かにかなりテントは張れる。