スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

読書三昧 (5)(お薦め二冊)

2012年03月17日 | 雑感


紹介したい本があります。

一冊は、久保俊治『羆撃ち』(くまうち)です。


日本唯一の熊ハンター。

北海道標津町在住で牧場を営む傍ら猟を続けている。

これほどまでに命の尊厳を問うた本も無い。

ひぐまを追いつめる山野での息づまる緊迫感。

撃ち取った熊の解体、、熊の内臓の温かさ、、研ぎ澄まされた感性に感動さえ覚える。

文章も実にうまい!

猟犬フチとの出会いとその死。


著者は語る。

『自然の中で生きるものの価値とは何だろう。生命とは死とは何なんだろう。そうか死  だ。自然の中で生きてきた者は、すべて死をもって、生きていたときの価値と意味を発 揮できるのではないだろうか』、、と。


本を読みながら、ふと宮沢賢治の童話『なめとこ山の熊』を思い出した。
(美しいほどの月夜の下で、猟師が熊たちに看取られて死ぬ場面があります)

命とは死とは、、、。

世界各地で未だに戦争は絶えません。 すまじいまでの人間同士の醜い殺し合い。
尊厳もなにもあったものではなく、怒りさえ覚える。


人を殺す? 熊を殺す? 同じこと?

いや絶対違う! この一人の猟師の命への鼓動を感じていただきたい。


山仲間からの紹介があった本で、すばらしい一冊であった。




もう一冊は、立花 隆著『思索紀行』です。

序論【世界の認識は旅から始まる】から始まり、無人島生活・チーズの旅・芸術への旅・
欧州反核無銭旅行・等々、、ことに有名なあの【パレスチナ報告】も掲載されている価値のある一冊。

単なる風景のみを記す型にはまった紀行文ではなく、形式においても内容においても、かなり驚愕に値する本である。


『世界の認識は旅から始まる』

『自分の身体を移動させて、はじめて見えてくるものがある』

『いかなる文明もやがて滅び、すべての巨大都市はいずれ遺跡となる、、
 いずれ東京も遺跡になると私はいまも思っている、、、』


説得力があります。

東大時代反戦反核を世界に知らしめる為、ヒロシマ・ナガサキ原爆記録映画等を持参し世界各国を廻った旅をスタートに世界を四周したとのこと。

立花氏は知の巨人と言われたジャーナリストで、政治・宇宙、文明、医学等にも造詣が深いことは誰もが知るところではありますが、これほど行動的であったとは、、、。


特に印象に残った箇所は、やはり【パレスチナ報告】の記述。
~37年前の執筆ではありますが、イスラエルやパレスチナに何カ月も滞在しての執筆。

ご存じの通り、イスラエルとパレスチナの争いはイギリスの二枚舌が原因。

パレスチナの地にアラブ王国建設支持・イスラエル建国支持、、、土地・財産の分捕り争いなのですが、、、そんな単純な問題ではないようです。

現在イスラエルにユダヤ人は75%位おりますが、ユダヤ人の総意がこの国を作ったと考えるのはとんでもない誤りと一喝、、、、ユダヤ人・イスラエル人・シオニスト・アラブ人・パレスチナ人、、その宗教・民族・政治・資源・大国の思惑全てが複雑に絡まっているようです。
(シオニスト~ユダヤ人を結集させようとする政治運動者)

昨今の新聞ニュースにも
「イスラエルがパレスチナ自治区ガザを空爆し15人死亡」
「イランの核施設への攻撃も辞さない構えのイスラエル!?」の記事が。

イスラエル・パレスチナ情勢・イスラム圏への飛火は未だに平和の兆しさえみられません。


立花氏はこう語っております。

『日本人の多くは、無知から理解にではなく、無知から誤解に、、、無知ならまだ救いようはあるが定着してしまうと救いようがない』
『いい加減な理解に基づく党派的論争だけ』
(つまりイスラエルが全面的に悪いか、あるいはその逆、、との論争だけ)

『いま何より必要なのは、【無知の知】であろう』とも。
(無知の知の自覚がない限り、算数や初等数学の段階を飛ばしたくなるに違いないが、
 それなしには高等数学問題は解けない)~中東問題は高等数学なのである。


平和ボケの日本人にはガツンときます。

座右に置きたい一冊です。


火の魚

2012年03月04日 | 雑感
ドラマ『火の魚』   

昨夜TVで再放送された。2009年10月放送された時感動し、すぐ図書館に行き原作を読んだものである。

作家室生犀星が実在する製本作家の栃折久美子さんに金魚を魚拓にして欲しいと依頼した逸話をもとにした小説「火の魚」のドラマ化。

老齢の偏屈な作家村田省三(原田芳雄)は東京ですばらしい作品書いていたが、創作意欲を失い、晩年瀬戸内の島に渡り官能小説の連載を書いていた。

東京の出版社から折見とち子(尾野真千子)が原稿を受け取りに来た。

作家 「原稿を読んだ感想は・・・」
折見 「素晴らしい出来ばえです」
作家 「バカにするな!」
    「俺の本なんて一冊も読んだことないだろう!」
折見 「お言葉を返すようですが、先生の本はすべて拝読させて戴いております」
折見 「ほんとうは島に渡ってからの作品はあまりにもひどい、我慢がならないのです」

作家は折見に見透かされ、心に燻っていた本音を言い当てられてしまった。

折見は影絵披露などを通じ島に馴染んでいく。

作家は折見に淡い想いを抱くようになる。

最後の原稿を受け取る時、装丁はどうなさいますの問いに対し、作家は金魚を魚拓にとの要請をする。

『それでは金魚は死んでしまいます』   『それでもかまわん』

標本作りの経験のある折見は、言うがままに、、、。
作家はその時、折見の涙をみた。

製本が出来上がったが、折見は来ない。

出版社に電話すると、折見はガンが再発し入院していると聞く。

島に来た時には既にがんを患い、死と直面していたのだった

狼狽し、いてもたってもおられず、東京まで見舞いに行った。

病室には居らず、、2階から1階を覗くとフロアにいた折見と目が合った。

フロアに降りるも折見は姿を隠して探すも見当たらず。

ついに病院の前庭で待つ作家の前に折見がやってきた。

『2時間もバラの花を抱え石段に座っている人がいると病院内で大騒ぎになっている』と。
作家は島でのことを詫びた。

   

しかし、折見は『それは逆です』 『私は孤独だった、、でも先生はもっと孤独だった』

折見は花束を受け取り幸せを感じていた。


別れ際、なにか言いたそうな折見に、、『なんにもいうな!』

折見は一礼をして院内に消えていった。

命ってなんでしょうねえ。

すばらしいドラマであった。


脚本の渡辺あやさんは、コメントでこう言っております。

『闇をも照らすまぶしい刹那(せつな)を、この「試合」に見つけていただけたら、
こんなにうれしいことはありません。』、、、と。

あらすじ・出演者・写真・スタッフ等ここをクリックして下さい

飛び石日記 (2012年)

2012年03月03日 | 雑感
2012/03/03 記

実は、下記北海道大学総合博物館見学の2日後、同場所に一緒に同行した方が他界しました。

大動脈破裂でのあっと言う間の事だったとのこと。 驚きました。

人間明日をも知れぬ身~とはいうものの、、、。

短い数か月のお付き合いではありましたが、気のやさしいいい男でした。

奥さまの話では、上記博物館が気にいったらしく『春になったら家族で行こう』と話していたそうです。

残念でなりません。

ご冥福をお祈り申し上げます。



2012/02/29 記

先日何人かで北海道大学総合博物館の見学の機会がありました。

【知の宝庫】北海道大学には400万点もの資料・所蔵コレクションがあるそうです。
                          (建物も明治時代の造りで重厚・展示はその一部)
恐竜の骨・縄文土器・自然・天文・医学あらゆる分野の展示がなされ、必見の価値あり。

北大の門より歩いて5分ほどで見学無料。

昼食はクラーク会館学生食堂で、、学生になった気分を堪能してきました。


各種イベント講座等もあり、、、下記をごらん下さい。

札幌のあまり知られていない穴場の紹介でした。


北海道大学総合博物館クリックして下さい



2012/02/19 記

原発全国で54基あり、現在稼働中はあと2基のみ。

大きな停電も無く厳寒の冬を乗り切ろうとしている。

60数か所の火力発電に負うところは多いが、原発なしでもいけるのですよ本当は!!


年間2兆5千億もの巨額が政治家・産業界・官僚・御用学者・マスコミに流れ協力な≪原発利益共同体≫を
作っているのです。


大きなプレート4つ(世界でもまれ)。活断層約2,000とも言われる日本には原発は無理。

18日、『さようなら原発1000万人アクション北海道』集会に参加してきました。
呼びかけ人(倉本 聰さん)曰く~太陽そのものが行っている核融合を真似しようなんて。おごってはいけません。原子力は神の領域なのです、と。
またこうも言っておりました。東電がどうのこうの言ったって簡単には、、、必要なのは一人ひとりの【覚悟】なのです、とも。

黙っていたら、、原発は徐々に減らす、、なんて、、原発再稼働論者の思惑通りになってしまいます。
ちなみにセシウム137(半減期30年)・ストロンチウム90(半減期29年)・プルトニウム239(半減期2万4千年)
決して稼働させてはなりません!!

もし稼働させるなら、、、苦しんでいる東日本大震災被災者一人ひとり全員の承諾書が必要!!


2012/02/17 記

橋下維新塾の維新八策(船中八策)が発表になりました。

首相公選制や参議院廃止、年金の積立方式・掛け捨て方式導入等々。

憲法をも絡むものもあり、橋下さんの言う大戦争になる様相。

従来型の政治形態及び政治家も含め一婦するところまでしないと、日本の未来はないところ迄きているのかも知れません。


政治もしかりですが、私たちも自らの《維新八策》を創り、この世を生き抜きましょう!!

≪おもしろきこともなき世をおもしろく織り成すものは心なりけり≫(幕末・高杉晋作)



2012/01/24 記

先日山岳会の集まりがあり、今年の山行計画が決まった。

6月は青森県<八甲田山>。
蔦温泉・酸ケ湯温泉に宿泊予定とのこと。

このことを決めるのに、飲みながら、だらだらと約3時間。
決められない民主主義の典型か! でも民主党よりまだましか(笑)!?

酸ケ湯は千人風呂。蔦温泉は大町桂月がこよなく愛した湯宿である。


何年か前に蔦温泉旅館に宿泊した時、大町桂月・その名を初めて知りました。
1869年(明治2年)高知市に生まれた随筆・紀行文の美文家として、北海道・東北各地その魅力を紹介した人。

実は北海道《層雲峡》の名付け親でもあるのです。
大雪山系の黒岳の近くには彼の名前にちなんだ《桂月岳》という山もあります。

また青森県の十和田湖・奥入瀬を特に愛し、晩年は同地の蔦温泉(現十和田市)に居住本籍を移したほど。


東北には一湯一軒宿名湯が多く、青森県では酸ケ湯温泉・蔦温泉・不老ふ死温泉が有名。

山よし、酒よし、温泉よし、、加えて仲間よし?? 

酸ケ湯温泉クリック

蔦温泉クリック

不老ふ死温泉クリック


2012/01/06 記

昨夜のテレビ(HBC)で『たけしの人体科学SP~ひとはなぜ老いるのか』が放映されておりました。

活性酸素がDNAを傷つけたり、タンパク質を変形させたり、生体科学の解明スピードには目を見張るものの
未だ解明されていない面も多く、そのことにより苦痛を余儀なくされている方も大勢おります。

日本コケイン症候群のことが紹介されておりました。

平均的な方より4倍位のスピードで老いていく、、、という難病です。
(1936年コケイン医師によって発表された、染色体劣性遺伝による病気です)


日本における難病は5,000程あるようですが、厚生省の難病指定されているのは130しかないとの事。

難病指定されているかされていないかでは雲泥の差。
患者負担ももちろんですが、専門の研究班作り・研究費用等、、、難病原因の究明、治療薬などにも大きく影響するとのこと。

病気の子を持つ両親の気持ちも大変なものと察します。

《普通子供の成長は楽しみなものですが、今は子供の成長するのが不安なのです》とも話しておりました。

子供の日々の老い方が親をも超えるのです。

下記はCS(コケイン症候群)を難病指定に! との思いでネットワークをつくっている情報です。


是非難病指定されるべく声をあげましょう!
(スノーマンもがんばります!)

署名のお願い~クリックして下さい


2012/01/02 記





1月2日~雪桜が咲いた
百合が原はシーズンには100種類ものユリ。ばら・ライラック・高山植物等が咲く公園。
250ヘクタールの広さがあり、冬は歩くスキーも可能。6月に咲きほこる【藤棚】がすばらしい。
           
                                   (札幌東区・百合が原公園にて)
大雪のあとの穏やかな時が【雪桜】の咲くタイミングです。 
~今回は朝早すぎてちょっと画像がいまいちですが、実際はホントに美しいですよ。



これは帰り道・近所の家の前庭にあった雪だるま~今年一年元気にいきましょう!!


2012/01/01 記



昨年は東日本大震災の大変な年でした。

少しでも一歩でも行動する年にしたいと思います。

『行わずんばこれを知ということなかれ』~陽明学入門書(伝習録)にある言葉です。

人間・明日どうなるかは神のみぞ知るではありますが、とりあえずの健康に感謝し、前に進みましょう!!




2011/12/24  記

掛けまくもかしこき○○神社の大前に、、、恐(かしこ)み恐み~

商売繁盛・家内安全・安産祈願等々、、神社には大変お世話になっておりますね。

それでいて家は○○宗。そして今日はクリスマスイブ!


外国人からみれば、日本人の宗教観は??不思議に思えるとのこと。

  神は魂~仏は心  神は在るもの~仏は成るもの  神は語るもの~仏は黙すもの

正月じっくり考えてみます。

あれれっ! 逃げるな!? 

かわりに世界百カ国を豪遊(?)し、なぜか宗教に興味を持つに至った哲人を紹介します。
特に末尾の(旅を終えて・・)コメントはなるほどと、うなずけます。

イスラエル紀行(クリックしてください)


2011/12/22  記

昨年の今頃は、入院し治療の真っ最中でした。

放射線治療の影響で、確かクリスマス頃から味覚が無くなってしまいました。
味覚が無くなることは、事前に言われてはおりましたが、、、。

結構大変なものでした。
でも体力つけるため、時間かけてでも食べなくては、、そんな時期がありました。

世の中には、まだまだ大変な方がたくさんおります。
こうして退院し、普通の生活ができることを感謝しなければ、、、。

ふと一年前を思い出す今日この頃です。



2011/12/20  記



街を歩けば、もうクリスマスソングが、、、。
一年って早いですねえ!
いや一生も早い早い!(笑)

なぜか一日だけが、、、ゆっくりと流れているような気がします。


こうしちゃいられない。

でも、焦ってもしようがない。
クリスマスソングでも聴くとしましょう。


恋人たちのクリスマス

ジングルベル~クリックしてください
きよしこの夜~クリックしてください

クリスマスは当初12月25日前夜ではなく、12月6日前夜だったそうですよ。
サンタさんは聖ニコラスという人がその元祖。
(ギリシャ生まれで司教として慈善活動をしていたと言われている)
その信仰が11世紀地中海を渡りヨーロッパ各地に拡がりアメリカを経由。
現在のトナカイに乗ったサンタおじさんのイメージは19世紀になりフランスパリが
最初だそうです。


サンタクロースは、聖ニコラスのオランダ語シンタクラース(Sinterklaas)がなまったもの、、と言われております。

さて、、皆さんは25日前夜をどうお過ごしですか?


2011/12/16 記



男の料理も捨てたものではない。
おせち料理講習に参加。
伊達巻・のし鶏・田作り・みぞれなます・桜包み十八穀ごはん・黒豆に挑戦しました。


 簡単にできる【みぞれなます】作り方
  1.大根はすりおろし、ザルに上げ軽く汁を切る~すりおろし大根は少し多めがよろしいかも。
    大根・キュウリ・柿・リンゴ・カニカマボコは1センチ弱の角切りにする。
  2.ボウルに下記を合わせ、さっと混ぜ合わせる。
    (酢 3 ・砂糖 2 ・塩 1/3 の割合)
  さっぱりしていて美味しいですよ!

 《おせち料理の由来》
  
  お節(おせちと読む)~おせちとは本来、暦上の節句のこと。
  【五節句】
   1/7(七草)・3/3(桃の節句)・5/5(菖蒲の節句)・7/7(たなばた)・9/9(菊の節句)

  
   その際に食べる料理を『おせち料理』と呼んだため、現在では節句の一番目にあたる正月の料理を
   表す言葉として使われているのだそうです。

  【おせち料理の基本の献立】
   下記の五段重 三段重(1と2・3と与・5)を言う。
   
   1. 祝い肴三種 おせちの代表
         関東) 黒豆・数の子・田作り
         関西) たたきごぼう・数の子・黒豆又は田作り
   2. 口取り   紅白かまぼこ・伊達巻・栗きんとん・昆布巻き等
   3. 酢の物   紅白なます・かぶの酢の物等
   与. 焼き物   鯛・ぶり・えび等
   5. 煮物    れんこん・里芋・煮しめ等
    

  人間、いい年も悪い年もありますよね。心静かに迎えましょう。
  そして、新年をどう生きるか、思いめぐらしましょう!


2011/12/14 記

面白い人のツイッター及びブログがあり、紹介いたします。

名は丸山健二

【孤高の作家】と呼ばれている北アルプス山麓居住の芥川賞作家です。

反骨・頑固おやじの最たる人かもしれません。

丸山健二ツイッターに対する反論コメント(下記クリック)がまた実に愉快。
頑固おやじにくってかかる息子の如しである。
~(K)さんのコメントに注目~下記の下段のほう(6月11日投稿分・長文)に記載あり


丸山健二ツイッターと反論コメント(クリックして下さい
丸山健二のブログクリックして下さい