スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

現代流行作家・ワールド

2011年10月27日 | 雑感
書店に立ち寄ると、現代流行作家と呼ばれている著者の作品が、溢れんばかりに並んでおります。

どれを読もうか、誰のを読もうかという時、どんな選び方をするのでしょうか?


店頭立ち読み、図書館でも同様、、、、選ぶって大変ですよね。 
インスピレーションですか?

その中でも、、、なんとか賞、、、を受賞した作品は安全パイ、、、ですか?

賞を取ってもすぐ消えていく作家も多々あります。

現代流行作家ものは、確かに昭和の作家(川端・三島・太宰など)と比較すると、文章・言葉へのこだわりが
若干、いや相当違うかなあとは感じます。(なにしろみんな命がけでしたから、、)


命をかければいいってものじゃない!って声が聞こえてきますが。

これも時代ですかね。

でもそんな中で、小説の構成・アイデア・切り口もさすがと感心した作家もおります。



● 夢枕 獏 ・日本SF大賞受賞作  『上弦の月を喰べる獅子』
  螺旋(らせん)渦を巻くあの、らせんである。宇宙に存在するらせんの存在の不思議さ、
  物語の空想的な展開。ありえない世界へと誘う傑作。

● 宮部みゆき ・日本SF大賞受賞作  『蒲生邸事件』(ガモウテイジケン)
  火事に遭遇、タイムスリップし昭和初期2・26事件に遭遇。
  読み始めから現場に、、読者もタイムスリップ。

● 東野圭吾 ・直木賞受賞  『容疑者Xの献身』
  完全犯罪を目論む数学教師。これほどまでの愛は存在するのか。
  結末に久しぶりに感動し、不覚にも涙しました。 名作です。

  
● 京極夏彦 ・直木賞受賞作  『後巷説百物語』
  作家で妖怪研究家でもある京極さん。妖怪とはなんぞや。
  夢枕獏さんも妖怪(陰陽師等)を扱うが、、やはり妖怪は京極さんの真骨頂ですか!

● 村上春樹直木賞受賞  『ノルウエーの森』
  恋愛・死・喪失感・孤独感、、、不思議な世界へ引きずりこまれる小説です。
  著者は、初めての恋愛小説とのことではありますが、、、単純ではない村上ワールドの傑作。
  毎回ノーベル賞候補となる逸材。マラソン・トライアスロン趣味。
   テレビでも話題になった村上氏のエレサレム賞受賞スピーチを紹介します。
  凄いスピーチだと思います。
  エルサレム賞スピーチ全文クリックしてください 

これらの作家はみんな、、、独自のワールドを持っております。

歴史に残るかどうかはわかりませんが、確かに現代人のこころを捉えているようです。

私は、現代流行作家の作品は(も、ですね!)あまり読んではいないので、誰か良いこれといった作品がありましたら、是非ご紹介ください。

下記は、たくさんの作家・作品が口コミランキングされているデータです。
それにしても、現代流行作家はたくさんおり、作品選ぶのが大変! ですよねぇ。
 
  現代流行作家口コミランキングクリックしてください

私的ギャラリー 

2011年10月23日 | 雑感


これでブログは最後にしようと思っておりましたが、、、昨夜飲み会の席、山岳会局長に諭されて

、、、続けることに、、、優柔不断!!

まあ人生こんなもの

                                 ( 写真は函館市近郊にて撮影しました )                    




函館近郊・木古内町前浜での朝日です。(有名な寒中みそぎ祭りの場所から)
釣り三昧ですが、釣果はいまひとつ!
近くに川があり、秋サケシーズンには、多くの竿が並びます。

やはり朝日っていいですねぇ!!



山仲間と行った不老ふ死温泉からの朝日。(あれっ夕陽かな?)(青森・黄金崎)
朝日か夕日か!?~えっ?  思い出してみます。(笑い)
答え(インターネットと地形からして夕陽でした~事後追加失礼!)空けておきます!
近くの白神岳登山(自然遺産~白神山地)登頂も最高でした。
病気からとりあえず脱出できたのも、この温泉のお蔭もあるかもしれません!

なんといっても【不老ふ死温泉】ですから、、、。



南アルプス北岳(3193m)からの朝日です。(これは間違いなく朝日です~笑)
雲海から顔をのぞかせているのは、富士山です。

山小屋の登山者達はみな、夜中星空を眺めながら朝日が出るのを待つのです。
撮影技術もなく、あの感動するほどの星空の撮影ができず悔やまれました。



(沈まぬ太陽)です。
思い起こしてください。天動説ではなく、地動説なのですぞ。
世間がどう移り変わろうが、太陽は凛として燃え続けているだけ。
函館近郊・七飯町大中山からの写真です。
(撮影した周囲はリンゴ果樹園畑~写真にはありませんが函館山も望めます)



  

北海道大学構内で撮影しました。 イチョウ並木。
構内敷地は広大で、東京ドームの40倍とのことです。
朝早く構内に入り、久しぶりにすがすがしい気持ちになりました。


  

札幌市北区・百合が原公園内に咲く藤棚。
なんとも、、香りも、、姿も、、、美しい花です。
藤が咲く頃になると何度も観にいきます。


  

札幌市北区に咲くひまわり。
(これ、ひまわりの子供、、、宇宙人みたいでしょう?)
二度目に行きましたら、、既にさら地に、、、嗚呼無常!


不老不死の妙薬

2011年10月23日 | 雑感
不老不死の妙薬はないものですかね~!

ないですね~!

えっ! もう二行で結論??

ええ、これからは期待しないで、心穏やかに読んでみていただければありがたく、、、。

紀元前3世紀頃中国の秦の時代のこと。

残虐政治で有名な始皇帝は、神仙道に心を奪われ不老不死に躍起になっていた。

始皇帝の命により、徐福(道教の方士)が、3,000人程の老若男女と多くの技術者を引き連れ、五穀の種子・農機具他をもち、不老不死の妙薬を探し東方にいったとされる。
(道士である徐福は空想的ユートピア思想の持ち主で、秦の始皇帝を騙して海の向こうに理想の国を造ろうと、五穀の種を持ち、日本に来たのではないかと思う~梅原 猛 著『古代幻視』より)

上記のことが司馬 遷 著作『史 記』(紀元前219年)に書かれております。
(徐福事件は『史記』編纂のわずか100年位前の事で、信憑性が高いとされる)

中国の正史である 『史記』は、
 夏・殷・周・秦・漢、、と続く中国の歴史の中で、前漢時代に編纂されたもので、
 皆さんよく御存じの (始皇帝)(項羽)(劉邦)(徐福)(孔子)(孟子)等
 の名前も出ており、全部で52万文字もの長編です。
 是非一読を。訳本も多数あり。(中国の歴史の一端が覗えます)

 始皇帝本紀編において「始皇帝は自分の墓に近衛兵三千人を埋めた」との記述がありますが、、、
 その後西安市の郊外の兵馬傭坑の発見があり、記述の信憑性が証明されたなど、重要な資料としても
 歴史的価値のある書物です。

 現在でも使用されている故事成語で、下記記載のように多数この『史記』を原拠とするものが多いのです。
 四面楚歌・背水の陣・傍若無人・百発百中・鳴かず飛ばず・国士無双等々、、、。


 ちなみに、司馬 遷からの影響で、あの司馬遼太郎氏の司馬名もここから名付けたとのこと。

不老不死の話に戻りましょう。

不老不死の妙薬を探して徐福一行は、東方(中国東部・韓国)経由、ついには日本に渡ったとされます。

結局、徐福は戻らず日本に住みついたとされます。
(不老不死の妙薬なしで戻ったら死罪ですから、、、当然ですね)
                                  徐福像(除福公園内)
徐福の足跡は、それぞれ各地に徐福伝説として残り、、、特に最終の地日本においては、20を超える地域(青森~鹿児島迄)でその伝承が今に伝えられております。

和歌山新宮市  ~徐福公園・徐福塚
山梨県富士吉田市~古文書「富士文献」伝来
佐賀県     ~吉野ヶ里遺跡における骨や人骨の発見。(2000基もの甕棺の出土~死者の再生思想)
佐賀は古くから肥沃な稲作地帯、徐福伝説が多い。
                               等々
日本に渡ったとされる船団は、少なくとも当時では50から60隻で航海したとみられ、日本の海岸各地あちこちに漂着した可能性もあり、その一族が各地に、、。

秦(しん)の時代の秦といえば秦(はた)氏。秦氏といえば、陰陽道で有名な安部清明も秦(はた)一族です。徐福一族の末裔とも。

織物も秦氏一族が伝えたとのこと。
そういえば、はた織物といいますよね。

熊野市波田須(ハタス)という地があります。
もともとは、秦住(ハタス)と書いたとの伝えがあり、除福さま(祭神)を祭っているそうです。
尚、波田須顔という言葉があり、中国人らしい顔とのこと。

畑・羽田さん名はこの秦からきており、元首相、羽田 孜(羽田家)も秦一族の末裔とのようです。

余談が長くなりました。いつもですけど、、、。

日本は長寿国世界一22年も続いているそうですね。

やはり和食が原因?まあ、医療技術とか平和状態とかいろいろあるのでしょうが、、。

もっと狭く絞り込むと、、、世界三代長寿村があるそうです。
・ 南米エクアドルにあるビルカバンバ村
・ 中央アジアカスピ海と黒海に挟まれたコーカサス地方
・ パキスタンのフンザ
 他に中国、広西チワン族自治区の巴馬、トルコタットクン村、中国平安村等。

共通するところは、穀物・野菜・海藻・ヨーグルト、、、。
あと、肉をとらないとか、チーズ、乳酸菌を多く摂ってるとか、、、・

空気マイナスイオン東京の百倍の地、水にカルシウム多く含まれる地地形上心肺機能が高いとか、、他いろいろありますが、、。

ちなみに江戸時代の寿命は、平均40~50代。その中でも僧侶の寿命は60代後半
だったとのこと、、、粗食・腹八分目、、、。

妙薬があれば最良なのですが、、さきほどの和歌山新宮市に自生するクスノキ科の常緑樹である【天台烏薬】があるそうです。
(腎臓・リューマチ・胃に効能があり、体内で増えすぎた活性酸素(老化悪玉)
 を減らす働きがあるとか)
他にアシタバとか、、、除福伝説があるところに自生、、、!?

不老不死は無理でもせめて不老長寿でも、、。

ちなみに我々が吸っている最も大切な【酸素】の中に活性酸素(老化悪玉)は潜んでいるとのこと。

活性酸素をいかに少なくするか、が不老長寿のカギっていうことかもしれません。
過激な運動する人は、長生きしないとも言われます。
ミトコンドリア核増加が活性酸素を減らす?
不老長寿の決め手か?、、、まだまだ研究段階、、。

不老不死の妙薬は、息を止め、酸素を吸わぬことが最良!!
もしくは、青森黄金崎の不老ふ死温泉に浸かることかな?
(次のブログギャラリーで写真掲載予定)

そう結論がでました!! 

ん~こんな結論でいいのかなあ??

なにい~息を止め酸素を吸わぬ?

そんなことしたら、、死んじゃうじゃないですか~!

そうなのです。
人間、永遠に生きるということは、、そういうことかも、、、ジャンジャン!!


『葉櫻と魔笛』(悲しくも美しい話)

2011年10月20日 | 雑感

 ( 葉 桜 )
太宰 治の『葉櫻と魔笛』という短編小説です。
(悲しくも美しい話)

島根県の日本海に沿った、とある城下町。

母はすでに他界。父と姉と妹の三人暮らし。

妹は腎臓結核の病気で今は終日寝たきり。
余命百日と宣告され、その百日が近づいた頃のことである。

ある日、妹に手紙が届いた。

妹は差出人を見て、、「まったく知らない人なの」、、と。

妹に手紙が届くのは昨年秋以来のことである。

実は、姉が過去に妹に届いた緑のリボンで結んであったM・Tさんからの手紙30通を
いけないことでしょうけど、見てしまっていた。

それは、実在の妹の友達からの名前(差出人)でしたが、
中身はすべてM・Tさんからの恋文だったのです。
(妹から友達の名前を何人か聞いて、その名前を用いて手紙をよこしていたと推察)

姉は、一通づつ日付に従って読んでいくにつれ、、、その二人の他愛なさに、楽しく
浮き浮きするほどの気持ちでした。

ところが、最後の一通の手紙を読み、、思わず雷電に打たれた時のように、
ショックを受けてしまいました。


そのM・Tという人は、この城下町に住む貧しい歌人のようす。

最後の一通には、卑怯なことに妹の病気を知ると、、、もうお互い忘れましょう
などと、残酷なことが書かれていたのです。

その後、それっきり一通の手紙も寄こさない具合で月日が過ぎていき、
妹もその頃から病気も悪化し、寝たっきりの身体になっていきました。


しばらくして妹の知らない差出人から手紙が届いたのである。
でも、中身はあのM・Tでした。

「お姉さん読んでください」と妹が懇願します。

姉は、その手紙を読み上げました。

姉が開いて読むまでもなく、自分で書いたのだからこの手紙の文句を知ってます。
けれども、姉はしっかりした声で読み始めました。

『今日あなたにお詫びを申し上げます。僕が今まで、がまんしてお手紙を差し上げなかった
 わけは、全て僕の自信のなさからで、、、ただ言葉で、あなたへの愛の証明をするより
 ほかには、何一つ出来ぬ僕自身の無力さが嫌になったのです。
 あなたを一日も、いや真にさえ忘れたことはないのです、、、
 その辛さに僕はあなたとお別れしようと思ったのです。

 、、、僕はもう逃げません。あなたを愛してます。
 
 毎日毎日歌を作ってお送りします。
 
 それから、毎日毎日あなたのお庭の塀のそとで口笛を吹いてお聞かせしましょう。
 明日の晩の6時には、さっそく口笛、軍艦マーチ吹いてあげます。
 
 元気でいてください。神様はきっとどこかで見ています。
 僕は、それを信じています。』

すると、、、

『姉さん、あたし知っているのよ』 妹は澄んだ声でそうささやき、、

『ありがとう姉さん、これ姉さんが書いたのね』


姉はこれから毎日、M・Tの筆跡を真似て妹の死ぬる日まで手紙を書き、
下手な歌を苦心して創り、それから晩の6時には、こっそり塀のそとに出て
口笛を吹こうと思っていたのです。

『姉さん、心配しなさらなくてもいいのよ』

妹は不思議に落ち着いて、美しく微笑しておりました。

『姉さん、あの緑のリボンで結んであった手紙をみたのでしょう? 
 あれはうそ。
 あまり淋しいから、ひとりであんな手紙を書いて、あたし宛に投函していたの。
 おととしの秋あたりから、、、。
 
 青春というもの、病気になってからそれがはっきりわかってきたの。
 
 、、、ああ! 死ぬなんていやだ! いやだ! いやだ!』


姉は、悲しいやら、怖いやら、はずかしいやら、ただ涙が出て、そっと妹を抱いてあげました。

するとその時です。ああ聞こえてきたのです。

低く幽かに、でも確かに軍艦マーチの口笛です。

時計を見ると6時。


二人は言い知れぬ恐怖に、互いに強く強く抱きあって身じろぎできず、耳を澄ませておりました。

『神様は在る。きっといる。私はそれを信じたい』

 妹はそれから3日目に死にました。

そして月日がたち、、、

『あれから15年。厳格だった父も他界した今、今となっては聞きただすことは出来ないが、、
(立ち聞きしていた父が)父としての一世一代の狂言をしたのでは、、、
 と思うこともあります。、、、
 いいや、やっぱり神様のお恵みでございましょう』

そんな内容の悲しくも美しい小説でした。

太宰 治の小説は、青春の(はしか)みたいなものとよく言われます。

『人間失格』  『斜陽』  『晩年』等の名作がたくさんあります。

でも少し、いや、かなり暗いものが多いですよね。

結構明るく、悲しい中にも光がさしてくるような小説も多くあります。
どちらかというと、そういう小説の方が好きです。

『津軽』  『富嶽百景』  『新樹の言葉』そして『葉桜と魔笛』などがおススメです。

『猫』という確か5行ほどの極短編~人間への鋭い洞察~太宰は短編の名手なのです。

太宰は、壇 一雄・坂口安吾らの親友がおりました。

三鷹の玉川上水で、愛人山崎冨栄との入水自殺で短い生涯を閉じました。

親友・壇 一雄が太宰の入水自殺直後に捧げた歌があります。

【さみだれ挽歌】という歌で、いまだに読むと感動します。名歌です。
、、、、、、
、、、、、、(略)

にがくまたからきカストリ はらわたに燃えよとあおる
君がため香華を積まず 君がため棺(ひつぎ)かたげず
酔ひ酔ひの酔ひ痴れの唄 聞きたまえ水にごるとも

池水は濁りににごり藤なみの影うつらず雨降りしきる


(カストリとは大衆酒~ランク低い焼酎、当時闇市に氾濫した密造酒でもあったそうです。私は飲んだことはありませんが、、、
いまはホッピー?、、 でもないか!)


上記2人の作家と、太宰自らの生きざまへの(覚悟)のほどには驚嘆するばかりです。

宇宙のはなし (2)(無限小の世界)

2011年10月18日 | 雑感
「木を見て森を見ず」「森を見て木を見ず」世間一般のたとえです。
この相互の関係は宇宙にも言えます。

宇宙の果ては、、、。
それを桁数で表しますと10の27乗メートルの世界だそうです。
(10000000000000000000000000000)                           
                           ちょっと桁違ったかな??
仰天・極大・天文学的なスケールですね。
でもこれが、私たちが今実際に観測できる宇宙サイズなのです。

その逆、極小の世界のはなしです。
宇宙の解明には極小の世界の探究なくして語れないと言います。

極微の世界は10のマイナス35乗までの世界です。
(マイナス1000000000000000000000000000000000000)                      
                           これも桁違うかな~!?
御存じの通り、物質は原子(元素)の集まりで出来ております。
たとへば、「水」は水素原子と酸素原子が結合してH2Oという分子を形作っておりますね。

これまでに存在が確認されている原子(元素)は118種類。
原子(元素)1個の直径は10のマイナス10乗。これがこの世で一番小さいと考えられていたのです。

原子は宇宙が創成されて、まず一番軽い原子である水素(1)が出来、次にヘリウム(2)、、そしてリチウム(3)、、炭素(6)、、酸素(8)、アルミニウム(13)、、鉄(26)、、亜鉛(30)、、ウラン(92)、、、、(118)
となります。

創成ビッグバン3分で水素が創られ、その後137億年かけて今解明されている原子118個が創られました。

原子(元素)の特徴はというと、、、。

○ 原子番号=陽子の数です。
○ ( )番号は原子が創性された順番。(原子番号という)
○ (100)超はその寿命が秒・ミリ秒単位で短命。
○ 軽い(質量7以下)原子核をもとに重い原子核が創られていく。
○ 太陽系では、原子構成でいうと、水素が90.2%・ヘリウムが9.7%を占め、残り全部でも
  0.1%しかありません。
○ 重い原子は、恒星爆発・やその内部で創られてきた。
○ 原子を別な原子に変えるには、陽子の数を変える必要がある。
   それには
   原子核どうしがぶつかり融合する必要がある、、、これが核融合。
   融合するには、太陽の中心のように1000万度超の高温での原子核どうしの衝突が必要です。
  
   ちなみに、太陽中心部は自身の重力により1600万度。水素の原子核同士が衝突してヘリウム
   との核融合反応が、、中心から約半径20%の範囲の内側だけで核融合がおこっており、体積に
   して太陽全体の1%にすぎない。

  そこで発生したエネルギーで太陽の残りの部分が加熱され輝いているとのことです。   
   (核融合で創られるのは鉄までです。鉄より重い鉛等の元素は、
    原子核による中性子の吸収によりつくられます~赤色巨星)

以上が原子(元素)の概要です。

極微の世界である10マイナス35乗の世界は、、、素粒子(クオーク)の世界なのです。

  原子の中心は、原子核。原子核にも陽子や中間子といった内部構造があり、
  そしてその周りを電子が回っている。
  またその陽子や中間子もいくつかの粒子によって形成されております。
 
  (中間子理論では湯川秀樹氏が有名ですよね)

その粒子がクオークと呼ばれ、クオークこそが「素粒子」なのです。

原子は1億分の1・原子核は1兆分の1・クオーク(素粒子)は10兆分の1センチの世界。

【無限大の世界】宇宙は10の27乗・【無限小の世界】素粒子は10のマイナス35乗。

 この途方もないスケールが私たちが存在する自然界の幅ということになります。

ビッグバン直後の宇宙は、極微の「素粒子の世界」でした。
したがって、
宇宙の起源を知ろうとしたら、素粒子を解明する、、、相互に切っても切れない関係にあるのです。


益川敏英氏と小林 誠氏が、ノーベル物理学賞を受賞したのは、記憶にありますよね。

このお二人のノーベル賞委員会受賞理由の説明文は、、、

『いまこの世にある存在のすべては、その宇宙創成時の「対称性の破れ」から生まれた「生き残り物質」の子孫なのである』
  、、、としております。

受賞理由は二つあり、
   
   1.クオーク3世代(6個)あるとの理論
   2.対称性の破れは、上記3世代(6個)から生じるとの理論
                          この二つでした。

● 受賞理由一つ目のクオーク(素粒子)は3世代6個なければならない。
  については、

 従来、素粒子は3個(アップ・ダウン・ストレンジ)で全てだろうと考えられていたものが
 理論的に6個あると予言し、それが実験で発見されたことによるものでした。

 チャームウオーク(74年)・ボトムクオーク(77年)・トップクオーク(95年)が次々発見・証明されたのです。

   ~拡大クリック
  (素粒子 図)
(速報追加~2011年12月8日ヒッグス粒子発見のニュースあり。
素粒子物理学の勉強はここをクリック
● 受賞理由の二つ目「対称性の破れ」の発見とは、、、

 クオークが3世代あることから、「対称性の破れ」は生じるだろうとの理論的予言でした。

 この宇宙は従来対称性によって支配されておりました。今もそうであり、これが基本には変わりがありません。

 宇宙には、同量の物質と反物質があり、互いに対消滅しバランスが保たれているのですが、しかし実際には、
 物質を構成する粒子より100億個について1個多い程度の微妙なズレがあった為、対消滅が起きなかった。

 この対称性の破れの為に、現在の宇宙が存続できたと考えられるのです。

宇宙はカオス(混沌・無秩序)から生まれたと言われてきました。

仏教の教えに「真空妙有」という言葉があります。
また、たった262文字の仏教経典『般若心経』の空の意味をも連想されます。

もしかして、古代人及び賢者はこの”対称性の破れ”のことを感じていたのかもしれませんね。

 約140億年前のビッグバンで起こったまさに宇宙の起源。

 従来の物質と反物質のふるまいは全く同じ~大原則を覆したのです。
あの著名な 立花 隆氏はその著書『小林・益川理論の証明』(朝日新聞出版社刊)の中で次のように賞賛しております。

今回ノーベル賞の有力候補にもあがった青色半導体レーザーの中村修二さん(ブルーレイデイスクのもとを作った人)とは、比べものにならず、横綱と序二段くらいのレベル差がある、、、
とまで言い切っており、いかに小林・益川理論が凄く価値があるものとの見解でした。
立花 隆氏は2000年に既に小林・益川両氏のノーベル賞を予見しておりました。
さすがです!

ちなみに、小林氏28歳・益川氏32歳の時の論文にて、ノーベル賞には35年の月日が、、、。またヒグス粒子では南部雄一郎氏が48年も、、ノーベル賞は平均10年から20年もかかっての受賞が普通です。

日本人は宣伝がいまいち、謙虚なのですね。いいのかわるいのか??
素粒子理論では、日本は世界でも先駆者なのに、、。


素粒子の探究は、巨大な加速器で研究が進められているようです。


   ~拡大クリック
  (スイスジュネーブ CERN)

先般9月23日でしたか、ニュートリノは光速より速い、、との記事が新聞に掲載され脚光を浴びました。
スイスからイタリアへの距離に数十億ものニュートリノ粒子をビーム銃での発射検証によるものでした。
ニュートリノ16,000個が、732キロを平均0.00243秒で走破するとのこと。

(ニュートリノ粒子は太陽等の恒星での核融合の副産物~小柴氏岐阜のカミオカンデ施設で発見し、これもノーベル賞)

測定誤差等検証は更に必要とはしているものの、もしそうだとしたならば、アインシュタインもびっくりですよね。

《物質は真空では光より早く移動できない》が覆されるのですから、、、!
ニュートリノは我々の住む四次元(三次元プラス時間空間)とは別の次元をみつけたのでは。(物理学者の話では、宇宙には11次元迄もありえるそうですよ)

日本でも茨城から岐阜への距離を同様に発射し、研究中ですが、先を越されたようですね。

日本では筑波の高エネルギー加速器研究機構の加速器・Bファクトリーが有名です。

380億円で、装置合わせると戦艦1隻分の重量(1万トン)。
年間数千万円にのぼる電力を投入運転させているそうです。

1秒間に5億回の粒子衝突を起こさせ、しかも全部解析し、記録可能な超光速マシーンです。

研究者400名・日本の約半分はここに集中している。

加速器で、無限大なる宇宙での爆発・衝突・崩壊・消滅・創成を再現しているのです。

下図は我々の住む太陽系を含む天の川銀河のとなりのアンドロメダ銀河です。
天の川銀河の直径は10万光年・アンドロメダ銀河直径は230万光年。


太陽はあと約45億年で燃え尽き爆発膨張し地球を飲み込む、、、。
アンドロメダ銀河は我々の天の川銀河に近づいており、約45億年で銀河同士衝突。
(銀河同士の衝突は宇宙では常に繰り返えされている)

どちらが早いか、いずれにせよ地球の運命は永遠ではないのです。

宇宙の無限大・無限小の世界を自分本位に(失礼!)まとめたのですが、この宇宙物理のからくりは、
基本のところは数学で成り立っております。


興味本位で宇宙の書籍を読み続けているのですが、当然ですが数学が多くいつも行き詰まり、
悪戦苦闘笑うしかありません。

まずは中学校数学の教科書から始めてみますかな!?

50歳(ん?)からじゃもう遅いでしょうか!?

もっと数学を勉強しておけばと悔やんでいる今日この頃です。

いや数学も! でした!

なぜ学校で数学を学ぶか? なぜ物理・化学・科学を学ぶ必要があるのか?

ちゃんと教えなかった先生が悪~い!


        

宇宙のはなし  (1)(無限大の世界)

2011年10月10日 | 雑感
数年前、南アルプス・白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を縦走した経験があります。
(今は、ギックリ腰等でめっきり情けない私ですが、、、)

北岳で観た星々の美しさがいまだに忘れられません。
夜になると、山小屋に集う登山者が殆ど全員皆外に出るのです。
星々を観るのと、朝日を拝むの、、、とを期待して。

三千メートル級の山々でみられる星々は
街で観られる星とは違い、とにかく星の大きさも、ちろん輝きも違います。
障害物は何もありません。
流れ星含め、それはそれは見事な星の世界でした。

星々は太陽系を含むこの銀河宇宙(天の川銀河系)に2000億個もあると言われ、
その銀河宇宙がさらに1000億個超も宇宙には存在すると言われます。

太陽だって宇宙に1000個超も存在するそうです。
(ちなみに太陽の質量は、宇宙の星々の平均的な質量だそうですよ)

太陽は一つじゃない?? 驚きですよね!!

私が所属する山岳会局長(白頭人)のブログからその記事を盗拝観~お許しを! 
 白頭人の百名山・世界旅行100ヶ国挑戦他多岐にわたるホームページもじっくりご覧ください。
宇宙・太陽発見の記事は ここをクリック

白頭人のホームページをご覧下さい。

10月5日付の北海道新聞記事に、ノーベル賞(物理学賞)の話題が掲載されておりました。
米・豪の物理学者による宇宙膨張説の成果に対しての授与の記事です。

宇宙が膨張しているのは、ビッグバン以降ハッブル望遠鏡等で既に確認されておりますが、
その膨張が加速しているとの論功に対しての今回のノーベル賞授与でした。

光の速度で、宇宙の果てまで137億年かかる、その気の遠くなる宇宙が、更に加速して
膨張し続けているとのことです。

ビッグバンで大爆発による膨張は、徐々にそのスピードは衰えるのが常識的な考えですが、
常識が成り立たないのが宇宙なのですね。

20世紀の終わり頃まで、宇宙はすべて「原子」で説明できると考えられておりました。
原子には、原子核と電子。原子核には中性子と陽子でなりたっており、中性子や陽子はクオーク
という素粒子でできている。
原子の発見からおよそ100年で物理学はここまできました。

しかし、まだまだ謎だらけ。
私たちは学校で 「万物は原子で出来ている」 って習いましたよね!
  (みんなそんな歳ではないですか!?)

しかし、実は宇宙は原子以外のものがほとんどを占めている。これが解ったのが2003年のこと。
20世紀の常識が21世紀になり簡単(失礼!)に覆されたのです。 

《宇宙のエネルギーの割合》はというと、、、
  次のように、原子はほんの4.4%しかなく。

  ● 星と銀河    0.5%
  ● ニュートリノ  0.1~1.5%
  ● 原  子     4.4%
  ● 暗黒物質    23.0%
  ● 暗黒エネルギー 73.0%    
 
  これらで宇宙は構成されているとのこと。

    他に反物質・暗黒場(ヒグス)等がありますが、いずれにせよ
    100%超になり計算に合わないですね。 それが宇宙??      
                    
   (ちなみに反物質では、小林・益川理論。ヒグスでは南部陽一郎氏が
    2008年ノーベル賞受賞しております)
             

いかに「万物は原子で出来ていないか」ですよね!
           
ニュートリノは先般、小柴さんがノーベル賞をとって有名になりましたね。
岐阜にあるカミオカンデ施設で奇跡的に発見。

学問上・仮説ではあったのですが、質量がなく、地球を簡単に素通りし、
(質量はあるとの見解が最近主流)
人間の身体も何兆個ものニュートリノが素通りしているとのこと。

暗黒物質・暗黒エネルギー等もすべて学問上の仮説。正体は不明でも「ある」ことは確かなようです。
(星以外のなにか~重力~がなければ太陽系等を繋ぎ止めることはできない)

ニュートリノも仮説では論理的に既にあり、その後に実験で上記の通り確認できたもので、物理学上は結構このようなことは多いようです。

地球は太陽の周りを秒速30キロで公転している。
 えっ!?  なんと秒速ですよ。
普通なら吹っ飛んでいきますよね。
(これは太陽の重力でなんとか)

太陽系自体も銀河の中心の周りを秒速220キロで回っているとのこと。
その重力が暗黒物質(ダークマター)と呼ばれるものです。

宇宙に占める、あとの76%は暗黒エネルギー(ダークエネルギー)と呼ばれているものです。

普通なにかが膨張すると、密度が薄まるのが常識。
音も低くなり、エネルギーも徐々に減速しスピードも落ちていくのが当然。

ところが、宇宙の膨張が加速している、、、そうだとすると、、、投げたボールを
何ものかが後ろから押している、、、としか考えられない、、、その何者かが

その暗黒エネルギーだと考えられているのです。

ですから、今後宇宙が永久に加速し続けるのか、それとも収縮するのかは、この暗黒エネルギー
の解明にかかっていると言われます。  

なぜかしら、宇宙に興味を持ち学んでいくと、いかに人間には到底及ばない神がかり的な
ものを感じざるを得ませんね。

宇宙の果てへの距離は現在解明しているところ、137億光年。

  光年とは、光が1年間に進む距離。
  約10兆億キロメートルです。

なんと、光の速度で137億年もかかるんですよ!!


(光の速度は毎秒30万キロ。一秒間に地球7回り半とのこと)

人類が初めて月面に足跡を残しましたが、その月までは光の速度でほんの1.3秒。
太陽までは8.3分。
ほんの入り口、いやまだ入り口まで行っていないようなものです。

また驚くべきことは、137億年かかる現在の宇宙以外にまだ別な宇宙が無数にあるとの仮説を
たてている科学者もおります。

宇宙のはなしをすると、もうどうにも止まりません。

古代の人々は宇宙をどのように考えていたのでしょうか。

聖書が書かれた時代、人間の住んでいる場所は平地だと信じられておりました。

そして、大地が球体であるという地球説が出されました~(ピタゴラス・プラトン・アリストテレス)
でもまだ地球は宇宙の中心だと考えられていたのです。

その後
地球が太陽の周りを回っているといった地動説(アリスタルコス)が生まれました。

どちらも古代ギリシャで生まれたものです。

しかし、1000年もの間、中世はキリスト教が生活と思想のすべてを支配していた時代であり、、
天動説の呪縛から抜け切れないでいたのです。

16世紀に入り「ルネッサンス」が到来。
コペルニクス・ガレリオガリレイ・ニュートン等が教会の教えを否定し、新しい科学的宇宙観を示しました。

ガリレオガリレイは、太陽は静止しておりその周りを惑星が回っているといったコペルニクスの
正しさを主張したのですが、地球は平らだと信じられていた時代ですから、異端扱いされ
裁判にかけられたのはご存じのことと思います。

その地動説をニュートンが確立、地動説が再生されたのです。

そして、ついに宇宙は膨張し続けていることが解明。

そのバッフル望遠鏡による出来事は1929年の事でした。

下図はハッブル望遠鏡から見た映像です (拡大はクリックしてください)

  (星々・銀河・銀河衝突)
あのアインシュタインでさえ、宇宙は宇宙は一定(静止)しており、膨張も収縮もしていない
としていたのですが、フリードマンやハッブルにより覆させられたのです。


でもアインシュタインの凄さは、一般相対性理論で、宇宙が一定であることを保つ為に導入した
「宇宙定数」(宇宙項)が、当初(バッフルが宇宙は静止でないことを発見した時)は、「人生最大の過ち」
としたことが、、、現在宇宙の加速・膨張には宇宙定数、斥力みたいななにかがなければ成り立たなく、
宇宙定数導入の正しかったことが、見直されているのです。

今やその広大なる宇宙が更に膨張し続けおり、しかも更に加速されていることが判明したのです。

以上長々と宇宙解明への足跡と現在を記載してみました。

いってみれば、
物理科学・宗教哲学は宇宙の不思議、宇宙の解明をとの中から生まれてきたものですね。

それぞれの切り口で探ろうとしているだけとは言い過ぎでしょうか。

宇宙を創ったのは?

聖書では神が創造主。
物理学では、、、
   あの全米ベストセラー宇宙物理学者で筋委縮性の病気と闘いながら研究を続ける
   先駆者であるホーキンスは
   その著書『ホーキング宇宙と人間を語る』の中で、
 
 「宇宙の創生には、超自然的な存在である神の介入を何ら必要としません。
  むしろ、無数の宇宙が物理的法則から自然に生まれるのです」
  と語っております。

 ○ 2010年9月に上記の書籍を発表した時、欧米でキリスト教関係者から 
   強い反発を受けたそうです。

宇宙創生に、神が関与しているか否かの議論は、、、はたして

この果てしない壮大なる大宇宙の中で、、、あまりにも、あまりにもちっぽけな奇跡的に生かされている
人間が、語ること自体おこがましいのでは、、、と思ったりします。

神が創った?物理学的に自然に?
どちらでもいいのではないでしょうか!

神があってないようなもの、、いや神でなければ創れないもの、、、が
確かにそこに存在し、宇宙が創生されたのですから。

 ● 宇宙は無から生まれた~ビレンケンの宇宙創造論  
 ● ホーキングの宇宙は虚数から生まれたとする量子重力理論
   
これらの理論が、かなり有望な説として、宇宙の始まりの鍵を握っているとして
注目されております。 
 

でも、最先端の研究者たちが描いている最新宇宙論だって、壮大な宇宙の前では、いとも簡単に覆され
てきたではありませんか。

科学も絶対ではありません。
哲学や宗教も同じことがいえるのではないでしょうか。

宇宙が生まれた瞬間は、一つのコインの大きさのものが、一秒にも満たない
ごく瞬間にですよ、、銀河系宇宙の大きさに膨れあがり、約3分間後に我々のもとになる元素(水素・リチウム等)が創られました。
地球及び人間は宇宙のカケラで創られたと言われます。

そしていまだに永遠と数えきれない星々が生成・消滅を繰り返しているのです。

宇宙の前では、人間もっともっと謙虚にならなくてはいけませんね。
そして、その生きている奇跡に感謝して、、。

でも、、この地球では未だに争いごとが絶えません。

偉そうなこと言い過ぎました。

さあ、明日から謙虚にならないと、、、、無理かな~!?


でも、感謝は少し出来そうな気もします、、、ねっ皆さん!!
   

百歳の詩人 (柴田 トヨさん)

2011年10月09日 | 雑感
明治・大正・昭和・平成をかけ抜けた百歳の詩人 柴田トヨさん。

九十を過ぎてから詩作に出会い、新聞等に投稿、入選が決まりその感動が忘れられず今に至っているそうです。

初版『くじけないで』は2010年3月に刊行、既に150万部のベストセラー。
今般は『百歳』を刊行。

B29(米国の爆撃機)の空襲をかいくぐり、裕福な米穀商の一人娘でしたが、
十代の頃に家が傾き、奉公に出ていじめなど辛い日々を送った。
その後、結婚・離婚・二度目の結婚。旅館の仲居や和裁の内職での生活をしながら
の子育て・母の施設への入所とその死・夫の痴呆症の介護とその死、、、
と一世紀を生きてこられました。

今は、一人暮らし二十年。定期的に来られる一人息子の健一さんとヘルパーさんに
お世話になっているそうです。

二編紹介いたします。
《 地団駄(じだんだ) 》  ~《百歳》より

  昔 玩 具 店 (おもちゃや) の 前 で
  道 に 寝 転 ん で 刀 を 買 っ て く れ
  と  地 団 駄 ふ ん で
  私 を 困 ら せ た  倅(せがれ)
  今  白 髪 に な っ て
  い ろ い ろ 私 を 諭 す よ う に な っ た
  若 く な る 薬 を ち ょ う だ い
  今 度 は 私 が
  地 団 駄 を ふ ん で
  み よ う か し ら
  畳 の 上 に 寝 転 ん で


《 こおろぎ 》  ~『くじけないで』より

  深 夜 コ タ ツ に 入 っ て
  詩 を 書 き 始 め た
  私 は ほ ん と う は
  と 一 行 書 い て
  涙 が あ ふ れ た
  何 処 か で こ お ろ ぎ が 鳴 い て い る
  泣 く 人 遊 ん で あ げ な い
  コ ロ コ ロ 鳴 い て い る
   こ お ろ ぎ コ ロ ス ケ
  明 日 も お い で ね
  明 日 は 笑 顔 で
  待 っ て る よ


《地団駄》現代の人は地団駄なんて、、、俺、なんかやったような気がするなあ!?
《こおろぎ》もいいですねえ。人間辛い時だってありますよねえ。

まだまだ、いい詩がたくさん収められております。

トヨさんは言います、、、

「私は今が一番幸せだと、、人にやさしくする。そしてやさしくしてもらったら
 忘れない。これが百年の人生で学んだことです 」
、、と。
またこうも言います。

「この歳になって毎朝起きるのは、本当は辛い、、とも。
 でも、毎朝起きてジャム等をつけたパンと紅茶で朝食をとる。

 どんなにひとりぼっちで、さびしくても、、人生いつでもこれから。誰にも
 朝はかならずやってくる。一人暮らし二十年。
 私しっかり生きてます
、、

一世紀~説得力ありますねえ!
みんなしっかり生きなきゃだめだねえ。
俺なんかまだ若いのに(40歳、えっ??)、、こんな怠惰な生活ばかりでは、、、
、、、。 いいえ、あなたもですぞ!!

トヨさんは、船村徹さん(栃木・同郷の作曲家)が作曲した「別れの一本杉」
の作詞をした高野公男(26歳の若さで亡くなった)さんの詩に感動したそうです。

泣けた泣けた
こらえきれずに泣けたっけ、、、

遠い遠い
思い出しても遠い空、、、    で始まる詩です。

名曲ですクリックしてください

柴田トヨさんは、実に柔和で素敵な顔をしております


絶世の美女
   とは、このような方をいうのですぞ!