スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

ある花嫁

2017年09月04日 | 雑感
処刑から20年、獄中で死刑囚の花嫁となった人の、二人の461通もの往復書簡が今年の春公開された。

ご存知だろうか、永山則夫当時 19歳。 1968年に4人もの人を銃で殺害し当時の日本を震撼させ、
獄中で書いた 『 無知の涙 』 がベストセラーにもなったあの事件だ。
   

        

当時、私も 『 無知の涙 』 を読んだことがあるのですが、自らの貧困・生い立ちから犯罪へと
至る過程をどこか正当化しているような、そんな思いを著者の奥底に感じたものです。
 

被害者と加害者、未成年の問題、死刑の是非論、現代でもその解釈は十人十色。

一審死刑、そして無期懲役、高裁の無期懲役を破棄し差し戻しとの判決、そして再び死刑となる。

一旦生きろとの判決(無期懲役)から一転死ね(死刑)との判決、想像を絶する葛藤だったに違いない。
その時から二人の心は通じ合わなくなり、ついに離婚。 7年後の1997年死刑執行。

元妻は遺言通り遺骨を網走の海に散骨するのですが、散骨する際 彼女はこう言ったという。

 「 彼の悲しみの始まりがここだったから。ここに何があるのかを確かめたかったのよ 」
 「 則夫と生きたからこそ、いま私はこうして生きていくことができている 」


今回この書簡集読ませていただいた限りでは、あるんですねぇ これほどまでの純粋な愛の形って。

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