スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

あぁ もう ダメ!

2016年04月27日 | 雑感
今朝の北海道新聞に、三菱自動車が25年前から燃費データを改ざんしていたと掲載されていた。

「会社存続に影響」 するからとの社長のコメント。 エコカー減税制度の免税認定を受ける為との言い訳だ。

三菱といえば、武器輸出の緩和を奨める急先鋒のグループ。  おい おい!

もう一つ、タックスヘイブン(租税回避地)法人設立代行事務所の内部資料で、このパナマ文書での実態の一部が
公表され、日本関連270社(株主などに個人も400人)もあることが分かったという。


先日、ロシア・プーチン大統領側近や中国・習近平国家主席の親族など疑惑が報道されたばかり。

「租税回避が目的ではない」 などその理由を並べてはいたが、どちらも なんとも情けない企業の
いいわけだ。  法人名や関連する個人名は来月公表(5月10日)するらしい。 


まぁ企業とはそんなものと理解するしかないのだろうか。 

人間の集合体である企業が猛禽類に変幻する。  否、これも人間の顔なのかも知れない。 

新聞も社会面にちょこっと掲載しただけ。 こんなのは一面に載せろって!   あぁ、もう ダメ!

スーさん

2016年04月27日 | 雑感
釣りバカ日誌・スーさんで知られた三國連太郎。  他界してもう3年にもなるのですね。

一冊の対談集を読んでみました。 (対談者は沖浦和光・比較文化論、社会思想史、著書多数)

スーさんのあの達観した演技の裏にある、生い立ちと芸魂に加え、民族・文化・伝統・仏教など
への造詣の深さ、反骨精神は凄まじいとしか言いようがありませんでした。


『 あんな赤紙一枚で死ぬことだけは御免蒙りたい 』 と徴兵検査は受けたものの忌避、16歳から20歳
迄の放浪生活の末朝鮮半島へ渡ろうとしたが、母親に宛てて不幸を詫びる手紙を書き、その消印で
憲兵に捕まり、中国へ出兵余儀なくされる。 幸い終戦で帰還できたという。

泥棒とヤクザ以外の仕事は何でもした、闇屋的生活・詐欺まがいのこともしてきたとも語っている。

映画俳優の仕事にありつけて二十数年経った頃、役者人生に空しさを感じ今度はインド・パキスタンへ旅立つ。
(自分の生きざまを、最後は自らを被写体に「鳥葬」で締めくくるというドキュメンタリーを撮ろうと)

大自然の懐の深さと、そこに生きる人間の凄まじさ、救済を追及する姿に深い感銘を受け、
差別や宗教、文化や社会、特に仏教に心酔。 帰還してから猛勉強をするようになったという。


  

帰路に着き、親鸞を題材にした大河小説(映画化もされた)≪白い道・全三巻≫も執筆。

 『 被差別民に対して説いた仏教(ヒンドゥ-教の影響)の <因果応報宿命論> や <輪廻転生> なども
   日本の為政者の支配の道具と化し、政治的に作られた差別構造を合理的づける為の教えに成り下が
   ってしまい、ブッダの説とは縁もゆかりもない虚偽の教説になっている 』 
 と断じる。

本人が語っているように、系(被差別)のルーツをもつ生い立ちからの反骨心も旺盛だ。

そんな中途半端に妥協することが嫌いな性格からか、家庭生活も平凡からは縁遠い人生。
幾度もの離婚、息子との確執も知られるところのようだ。

          息子・佐藤浩市との確執(インターネットより)

宇都宮直子(ノンフィクションライター)曰く、別れの何が悲しいのですか と三國連太郎は言ったという。≫

スーさんの達観した演技はこんなところから滲み出されたものなのですね。 きっと。


戦争経済学

2016年04月26日 | 雑感
人類史上絶える事のない戦争が経済を活性化させる、というのは悲しいかな真理の一面でもある。

戦争が経済面でメリットをもたらすには3つの条件があるようだ。

  1. 戦争当事国の本土が戦場とならないこと
  2. 戦争開始時点で経済成長率が低いこと
  3. 戦争が長期化しないこと  


都合のいい話かもしれないが、これが現実なのだろうか。 

過去の戦争を振り返ると、絶対王政が行き詰まり国民国家が形成され、これが帝国主義に変貌し
植民地政策に邁進、そして二度の世界大戦によって帝国主義が終焉、現在のような民主資本主義的
な体制に至っがこれもピークに達する。 右肩上がりでしか成り立たない経済至上主義の終焉だ。

先進国では耐久消費財も行き渡り、人口も減少。 そこで発展途上国へのグローバリズムになんとか活路を
見い出そうとする。 TPPなどの自由貿易への動きもその一連の流れとは言えまいか。


      
        
上の雑誌に ≪ 株式会社というシステムの生き残り策が戦争を生む ≫ と題して投稿された評論があった。
執筆者は平川克美。(実業家・文筆家、著書多数)  なるほどと思ったので抜粋、掲載してみる。

今日私たちを支えている技術、その殆どが軍事技術の民生転用だが、次にはその逆の方向に向かうという。
(インターネットや携帯電話、光ファオバー・GPS・原子炉、近年話題のドローンもしかり、みな軍事技術の民生転用だ)

昨年9月、経団連が武器輸出を「国家戦略として推進すべき」との提言を出した。
あれは別に戦争をやりたいわけではなく、たんに金儲けをしたいだけの株式会社の生き残り策。

アメリカの軍産複合体で経済をまわし続けたのと同じことを、日本でも始めようとしている。

『 戦争を知るということは、単に頭の中で過去の出来事を再編成することではなく、こんな時こそ
  その時人は何を考えていたか、どんな風景が見えて、どう圧力がかかれば、どう心が動いていく
  のかを検証すること、何がそこに入れば、もう少し未来を冷静に見る事が出来たのか。』


戦争を知ると言うことは、その作業が出来て初めて「知る」ことができるとも指摘していた。

    

健康問答

2016年04月24日 | 雑感
昨今のCM ≪健康もの≫ と ≪美容もの≫ ばかり。 それなりに健康に美しく、いつの世も願うは一緒か。

スノーマンも例外ではなく、幾度もの大病で 【悟り?】 と思いきや、いやいや結構 命根性 は旺盛なのである。 

昨年末の手術以来、その腎臓機能を弱めない為に、毎日欠かさず1.8リットルほどもの酒を、
ではなく白湯(さゆ)を飲み、加え週?度のジム通い、生来の軟弱意志で奮闘、大変なのです。

腎機能のバロメーターは尿酸とクレアチニンの数値と言われ、尿酸は某病院から処方されている薬で
なんとか悪化を防いでいるが、問題はこのクレアチニンの数値。 これがなかなか下がらない。


クレアチニン数値の改善方法は? と数か所の病院医師に幾度聞いても 『それは無理』 と言われてきた。

そんな矢先、新聞の著書広告に下記の大見出しがあった。

 ≪ 腎機能みるみる改善 クレアチニン値が下がった!  透析・壊疽を阻止 ≫
 ≪ 慢性腎臓病の進行度別生活・運動ポインを公開  腎機能がグングン改善 専門医が実証 ≫


結局は ≪サトウキビエキス≫ ≪純炭粉末≫ だという。  笑うしかないのだ。

溺れる者わらをもつかむ とはよく言ったものです。

先日 ≪科学界のインディジョーンズ≫ と呼ばれて、極限での生物研究をライフワークとする
長沼 毅という生物学者の著書を読んでいたら、こんな記述があった。


100℃超の温度やマイナス190℃、アルコール漬けや人間の700倍もの放射線にも耐えうる生物がこの地球に
未だ数多く存在するという。 その多くは自らの水分を極限にまでに減らし乾燥状態に保つ
のだそうだ。 この昆虫(ネムユスリカ)のように17年後に水を与えたら元に戻ったという生物もいる。

人間必ず死ぬのは、空気に含まれる活性酸素が原因だと以前聞いたことがある。
老化やあらゆる病気の根源と言われる「活性酸素」。  でも 毎日空気は吸っているしなぁ!

水素水が活性酸素除去に効果があると聞く。  白湯(さゆ)じゃなく今度は ・・・健康欲には キリが無い。




春に咲く花

2016年04月21日 | 雑感
10数年前札幌藻岩山に登った時、奥さまに杖をひかれ登っていた盲目の男性に出会った事がある。

「 よく登るんですか? 」  「 はい、週2回くらいはここに来ているんですよ。  山はいいですねぇ ! 」

当時はそんな挨拶程度の会話だったような気がする。 
昨日、近くの百合が原公園内で <春の花展> という催事があり、そのご夫婦に偶然お会いした。

勿論 ご夫婦はその時の私のことは記憶に無いようでしたが、ご夫婦は山が好きで、その頃は
藻岩山には土日には毎日登っていたとのことでした。 北海道の山々はほとんど登りましたと話す。
 

羊蹄山・トムラウシ山など、私も少し登った経験があったので、しばしのあいだ会話は弾んだ。

 
               椿                       オオバナノエンレイソウ            

 
            ハナミズキ                           アヤメ

展内に咲く春の花々に、男性は 「 きれいだなぁ! きれいだなぁ! 」 と幾度も感嘆の声を発するんですね。

目が不自由でもあり、当初 「えっ?」 と思ったのですが、奥さまの話では、軽く触れる感触や、花の匂い
と奥さまのお話で感じる、いや見えるのだそうです。 


「 登山に行くと私より先に、この辺りに花が咲いてないかい? と聞かれ、見渡すと あっ、 ここにも 
 そこにも、 と私などは夫より後に気がつくんですよ。」  
とにこやかに話されておりました。

今はもう高齢のようですが、幼年二歳からの全盲だそうです。 勿論 その人生のくわしくは知らずです。  

それにしても 研ぎ澄まされた感性というか 凄いものですね。 

「 また いつか 藻岩山で逢いましょう。」  そう言って別れた。  奥さまも、笑顔が素敵な方でした。 

 
            ん?なんだっけ?                      ニリンソウ


  
           エゾエンゴサク                      ふきのとう(花茎)

 




良寛の九十戒

2016年04月14日 | 雑感
良寛は俗名山本栄蔵、越後の出雲崎生れ。 曹洞宗の僧侶だが、晩年は阿弥陀仏に深く帰依したようです。

相馬御風(ぎょふう)なる明治の文学者が著した『大愚良寛』・『良寛坊物語』でそのイメージが定着したという。

晩年40もの歳の差、江戸末期の女流歌人・貞心尼との恋はつとに有名。

散る桜 残る桜も 散る桜  裏を見せ 表を見せて 散るもみじ
形見とて 何か残さん 春は花 山ほととぎす 秋はもみじ葉 
 
                                      が辞世の句とか。

≪ 良寛の九十戒 ≫ というのがあるそうな。  列挙するが、不思議と かなり当てハマる。

これだけあったら人間やめなきゃいけませんや!

 1. 言葉の多き

 2. 物言いのきわどき

 3. 口の早き

 4. 話の長き

 5. 問わず語り

 6. 講釈の長き

 7. 差し出口

 8. ついでなき話

 9. 手柄話

10. 自慢話

11. 公事(訴訟)の話

12. 諍(いさか)い話

13. 不思議話

14. もの言いのはてしなき

15. 公儀の沙汰

16. 減らず口

17. 人のもの言いきらぬうちにもの言う

18. 子供をたらす(たらかす)

19. ことばの違う

20. たやすく約束する

21. よく心得ぬことを人に教える

22. ことごとしくもの言う

23. いかつがましく(厳しく・やわらかみがない)もの言う

24. 引き事(見聞きした事や本で読んだこと等を聞かす)こと多き

25. ことわりの過ぎたる

26. あの人に言いてよきことをこの人に言う

27. そのことはたさぬうちにこのこと言う

28. へつらう事

29. 人の話の邪魔をする

30. あなどること

31. しめやかなる座にて心なくもの言う

32. 人の隠す事をあからさまに言う

33. 事ごとに人の挨拶聞こうとする

34. 顔を見つめて物言う

35. 酒に酔いてことわり言う

36. 酒に酔いたる人にことわり言う

37. 腹立てるときことわり言う

38. はやまり過ぎたる

39. 親切らしくもの言う

40. 己が氏素姓の高きを人に語る

41. 人のことを聞き取らず挨拶する

42. 推し量りのことを真実になして言う

43. 悪しきと知りながら言い通す

44. 言葉とがめ

45. 物知り顔に言う

46. さしたることもなきことを細々と言う

47. 見ること聞くことを一つひとつ言う

48. 説法の上手下手

49. 役人のよしあし

50. よくものの講釈をしたがる

51. 子供のこしゃくなる

52. 老人のくどき

53. 若いものの無駄話

54. 仕方話(身振り手振りで)

55. 首をねじりて理屈を言う

56. こわいろ

57. ひきごとの違う

58. 口をすぼめて(とがらせて)もの言う

59. 押しの強き

60. めずらしきこと(話)の重なる

61. 息もつきあわせずもの言う

62. 品に似合わぬ(ところにあわぬ)話

63. 口まね

64. 好んで唐ことばを使う

65. 田舎者の江戸言葉

66. 都言葉など覚え,したり顔に言う

67. よく知らぬことを憚りなく言う

68. 寝入りたる人をあわただしく起こす

69. 聞き取り話

70. 人に会って都合よく取り繕って言う

71. 間の切れぬように物言う

72. わざと無造作に言う

73. 貴人に対してあゝ致しまする

74. 学者臭き話

75. 悟り臭き話

76. 茶人臭き話

77. 風雅臭き話

78. さしてもなきことを論ずる

79. 人の器量のあるなし

80. くれて後人にそのことを語る

81. 俺がこうした,こうした

82. はなであしらう

83. くわの口きく

84. 節もなきことに節を立てる

85. あくびとともに念仏

86. 人に物くれぬ先に何々やろうと言う

87. 人のことわりをよく聞き取らずして己がことを言い通す

88. 説法者の弁を覚えて或いはそう致しました,ところでなげきかなしむ

89. 幸いの重なりたるとき,物多くもらうとき,ありがたきことと言う

90. あゝ致しました,こう致しました,ましたましたのあまり重なる

                                (以上90ヵ条)                    



なるほど ・ ザ ・ ワード (Ⅵ)

2016年04月10日 | 雑感
ニーチェ 著 ≪この人を見よ≫ より抜粋。

これぞ なるほど・ザ ・ ワード。  じっくり 読んでみましょう。

『 神 はとどのつまり、
     「 貴方がたは考えてはならない! 」  とわれわれに向け発せられた一つの
                       大づかみな禁止令にすぎないともいえよう。 』

 ・・・・・・・
『 人類がこれまで大真面目に考量してきたことは、そもそも現実の存在でさえあるまい。
  単なる空想である。 

  もっと厳密にいえば、
     病的な最も深い意味において、有害な人々の劣悪な本能が発した嘘の数々である。

  ・・・ すなわち、 「 神 」  「 霊魂 」 「 徳 」 「 罪 」 「 彼岸 」 「 真理 」 「 永遠の生 」
                                  などの概念のすべてが嘘なのだ。
  にも拘らず人々は、
     人間の本性の偉大さ、人間の本性の 「 神的性格 」 を、
                       これらの概念の中に探し求めて来たのだった。
  そしてそのおかげで、
     政治、社会秩序、教育などのあらゆる問題は、底の底まで偽造されてしまい、
           結果的に、最も有害な人物が偉大な人間と受けとられるようになったり・・・

  いわゆる 「 ささやかな 」 物事、私に言わせれば
     生の基本要件を、軽蔑することを教え込まれたりするようになったのである。 』


不思議と なにかぼんやり霧に包まれてきたものが 晴れたような気がしませんか。  ん? えっ? 

第二の消えた年金

2016年04月09日 | 雑感
昨年の公的年金積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用赤字が
なんと5兆円以上の見通しとなっているようですよ。
 

それにその公表も例年は7月初旬だが、今年は参議院選挙(予想)後の7月29日にする意向のようだ。

安倍政権の意向、運用資産に占める株式の割合を増やしたことが昨今の株価低迷で裏目に出た。
まさにギャンブルのツケがここにきて出た形だ。  選んだのは我々、自業自得と言われても仕方がない。


今、かの有名な<世界でいちばん貧しい大統領>ウルグアイ・ムヒカ前大統領が来日していると聞く。
もっと、もっとの経済至上文明に対する警鐘を鳴らす彼は、今の日本をなんと思うのでしょうかね。

 
                            (2014年7月の当ブログ) おいおい 大丈夫か 年金投資運用

ちょっと 追記 

2016年04月07日 | 雑感
前ブロク 【 春 たまには 人生論 】 の ≪追記≫ です。

1年間にわたり書き上げたこのトルストイの『人生論』。

いざ出版の段となり1888年、検閲により出版禁止の憂き目にあったという。
(その後地下出版でひそかに流布、ロシア語での出版は1903年イギリスにてようやく陽の目を見たようだ)

「 正教(ロシア正教)の教義に対する不信を植えつけ、祖国愛を否定している。」 がその理由とのこと。

当時のロシアに根付くロシア正教の権威には驚愕せざるを得ないが、それにしても≪人生論≫で出版禁止とは。

「キリストの教えによれば愛は生命そのものである」 とか、その信仰心はキリストからは離れがたく
ニーチェの如くの無神論的キリスト教への攻撃とは真逆の思索を持ち合わせていたとも言える。

晩年トルストイはロシア正教から破門を突き付けられるなど、その反骨精神は誰からも知られるところだ。


その矛先はイエスの如く、宗教の汚れていく権威に、教会・聖職者の腐敗・堕落に、そして体制・政府にも。

この人生論の末尾にこうあった。
       『 人は常にあらゆることを、信仰を通してではなく、理性を通じて認識するのだ。』

信仰を超越したところの思想(キリスト教的アナーキズム)は当時日本、武者小路などの白樺派や内村鑑三、
宮沢賢治、与謝野晶子などもにも多大な影響を与えていたようです。


時の流れか 最近の日本 トルストイ あまり読まれてはいないようですね。    

春 たまには 人生論

2016年04月05日 | 雑感
晩年 トルストイの書いた≪人生論≫を手にとってみた。 他人の書いた人生論を読むなど、いつ以来だろうか。

この著書(論文)、トルストイが丸一年かけて執筆したものという。  (原 卓也訳)

      

著書のなかで次のようにいう。 

≪ 我々は 【生命とは誕生から死ぬまでの期間】 だという誤った教えの中で育ち成長してきた。≫ 

私なども、いや普通 誰しもが それが誤った教えなどとは思いもしない。  でも偉人は やはりどこかが違う。
 
≪「生存」とは誕生から死ぬまでの時間的・空間的な存在として捉え、永遠につづくものとしての
 「生命」(自己の動物的個我を理性的意識に従属させて生きること)とを区別、このような「生命」を
  獲得するならば、もはや人間にとって「死」は存在しなくなる。≫ 
・・・と説く。

≪ どうして死がないんだ?≫ ≪ そんなのは詭弁だ ≫ ≪ 死は我々の前にあるんじゃないか!≫

≪ 死を恐れる人は、死が空虚と暗黒に思われるために、恐れるのであるが、
                              それは生命を見ていないからにほかならない。≫
≪ 死の恐怖が生ずるのは、誤った観念によって限定された生命のごく小さな一部分を、
                              人が生命と思いこむためである。≫ 

                                             ・・・と言い切る。

科学・宗教・肉体・細胞論にまで及び、難解であるが 読み応えのある一冊だ。
偉人が語れば ん~なるほど と思ってしまうのが 不思議なところ。  春 たまには 人生論。


過去のトルストイ関連当ブログ

至福のひととき

2016年04月01日 | 雑感
寂しい限り。  至福のひと時は寝床にあり。  またまた風邪で寝込んでしまいました。  

でも バッハの曲 ≪音楽の捧げもの≫ を BGM にしながらの寝床はなかなかのもの。

以前にも書きましたが、この ≪音楽の捧げもの≫ という曲、1時間ちょいの優れもの。
18曲の小品集、穏やかで荘厳で、巧く創ろうとか聴かせようとかの厭味が全く感じられない。
複数のメロディーが折り重なる対位法という技法を駆使し、本当に音符が花びらのように舞い落ちるが如く。

この世のものとは思えない曲で、このまま昇天も可なりと思ってしまう。 さすが バッハ だ。

とはいうものの命根性旺盛な スノーマン、風邪をひいた時にはこの曲を聴きながら必ず熱が冷めるのを待つ。  

解熱効果は抜群の曲である。 お試しあれ。