今月25日から三泊四日で仲間と尾瀬に行く予定が一転、ヘルニアを患い二泊三日の入院手術に変更(不笑)を余儀なくされました。
周囲が言われるように、《運動不足と急激な運動》が原因なのか!?
そんな事情で運動も出来ず、若かりし時に(数年前かな?)読んだ本二冊を再読してみました。
同じ本を読んでも、歳を重ねてから読むとまた感じ方も変わるものです。
「この世にはどうにもならないことがある」を切に感じた二冊でした。
● 一冊目は、福永武彦著『草の花』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0d/c1/56aabc5f9c07c4ee47c3cdf445b31eea_s.jpg)
悶々とした結核病棟施設から物語は始まる。
少年藤木忍との恋とその死、藤木の妹千枝子との二つの恋に破れ、傷つき孤独に耐える主人公・汐見茂思。
二冊の手記ノートを残し、雪の降る日無謀とも思われる手術に挑み、この世を去った。
多感な青年の観念的な一途な想いと、その想いを理解できずに拒否する千枝子。
人がこころに想うことは、、、哀しいかな誰にも。、、、これが世の常なのか。
なんとも哀切極まりない物語です。
この『草の花』、”隠れた名作”と云われている。
詩人・キリスト者でもある福永武彦。 下記の三島由紀夫と同時代に生きた作家である。
他に著書『忘却の河』『死の島』(日本文学大賞)などがある。
● もう一冊は、三島由紀夫著『春の雪』
『豊饒の海』(ほうじょうのうみ)全四巻中の第一巻「春の雪」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/35/b6/dbfac864fd8843c313c294db3812bb84_s.jpg)
皇室・貴族の世界を舞台に舞う幽玄なる恋唄とでも云うのでしょうか。
若き松枝清顕と本多繁邦との不思議な友情。
そして清顕(きよあき)と聡子との許されぬ恋。 許されぬまま仏門に入る聡子。
病気で命短しと悟り、一目だけでもと再三寺門を訪ねるも願い叶わず、、、数日後清顕はこの世を去った。
「この世にはどうにもならないことがある」と理屈ではわかっていても、、、。
三島最後の作品ですが、今時の”本屋大賞”なる商売小説(読者よ騙されるなかれ)とは雲泥の差。
文章力も深みも異次元の違いである。
いっきに『春の雪』の続編、、第二巻『奔馬(ほんば)』・第三巻『暁の寺』・第四巻『天人五衰』、、と。
『奔馬』は、清顕が輪廻転生したとされる青年・勲の海辺での自刃のシーンが三島と見事に重なる。
『暁の寺』以降、本多繁邦の語る≪人間の生きざま・存在とは≫、、最終巻『天人五衰』での結末(本多が仏門の聡子と再会する場面)が衝撃でした。
三島流・仏教の輪廻転生や唯識論(インド大乗仏教の深層心理学)の展開にまで及び、『豊饒の海』は確かに難解ではありましたが、幾度読んでも読み応えのある一冊。
純粋に生きることの危うさ、人間のはかなさ、自刃に突き進んだ三島美学の絵巻物が垣間見えます。
仲間との遠征旅、昨年は八甲田山・その前は白神岳と青森続きでした。
今年は尾瀬(群馬)と水上温泉に行ける予定でした。 ああ! 仲間は旨いお酒と温泉三昧か!
今頃あの黄色い《ニッコウキスゲ》が咲いているだろうなあ!
下記は山岳会局長より尾瀬に行く数日前に送付されてきたニッコウキスゲの群生(インターネットより抜粋)の様子です(2013年7月)
(クリックしてみて下さい)
http://blog.goo.ne.jp/chutaro0906/e/681b579eb2685541d289b63573e7c634
残念ですが、「この世にはどうにもならないことがある」、、、ってことか。
明日はその≪尾瀬の旅≫の出発の日です。
さ~て、私は、装備済みのリュックを横目に、入院事前準備の冊子でも読むことにしますか!
周囲が言われるように、《運動不足と急激な運動》が原因なのか!?
そんな事情で運動も出来ず、若かりし時に(数年前かな?)読んだ本二冊を再読してみました。
同じ本を読んでも、歳を重ねてから読むとまた感じ方も変わるものです。
「この世にはどうにもならないことがある」を切に感じた二冊でした。
● 一冊目は、福永武彦著『草の花』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/0d/c1/56aabc5f9c07c4ee47c3cdf445b31eea_s.jpg)
悶々とした結核病棟施設から物語は始まる。
少年藤木忍との恋とその死、藤木の妹千枝子との二つの恋に破れ、傷つき孤独に耐える主人公・汐見茂思。
二冊の手記ノートを残し、雪の降る日無謀とも思われる手術に挑み、この世を去った。
多感な青年の観念的な一途な想いと、その想いを理解できずに拒否する千枝子。
人がこころに想うことは、、、哀しいかな誰にも。、、、これが世の常なのか。
なんとも哀切極まりない物語です。
この『草の花』、”隠れた名作”と云われている。
詩人・キリスト者でもある福永武彦。 下記の三島由紀夫と同時代に生きた作家である。
他に著書『忘却の河』『死の島』(日本文学大賞)などがある。
● もう一冊は、三島由紀夫著『春の雪』
『豊饒の海』(ほうじょうのうみ)全四巻中の第一巻「春の雪」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/35/b6/dbfac864fd8843c313c294db3812bb84_s.jpg)
皇室・貴族の世界を舞台に舞う幽玄なる恋唄とでも云うのでしょうか。
若き松枝清顕と本多繁邦との不思議な友情。
そして清顕(きよあき)と聡子との許されぬ恋。 許されぬまま仏門に入る聡子。
病気で命短しと悟り、一目だけでもと再三寺門を訪ねるも願い叶わず、、、数日後清顕はこの世を去った。
「この世にはどうにもならないことがある」と理屈ではわかっていても、、、。
三島最後の作品ですが、今時の”本屋大賞”なる商売小説(読者よ騙されるなかれ)とは雲泥の差。
文章力も深みも異次元の違いである。
いっきに『春の雪』の続編、、第二巻『奔馬(ほんば)』・第三巻『暁の寺』・第四巻『天人五衰』、、と。
『奔馬』は、清顕が輪廻転生したとされる青年・勲の海辺での自刃のシーンが三島と見事に重なる。
『暁の寺』以降、本多繁邦の語る≪人間の生きざま・存在とは≫、、最終巻『天人五衰』での結末(本多が仏門の聡子と再会する場面)が衝撃でした。
三島流・仏教の輪廻転生や唯識論(インド大乗仏教の深層心理学)の展開にまで及び、『豊饒の海』は確かに難解ではありましたが、幾度読んでも読み応えのある一冊。
純粋に生きることの危うさ、人間のはかなさ、自刃に突き進んだ三島美学の絵巻物が垣間見えます。
仲間との遠征旅、昨年は八甲田山・その前は白神岳と青森続きでした。
今年は尾瀬(群馬)と水上温泉に行ける予定でした。 ああ! 仲間は旨いお酒と温泉三昧か!
今頃あの黄色い《ニッコウキスゲ》が咲いているだろうなあ!
下記は山岳会局長より尾瀬に行く数日前に送付されてきたニッコウキスゲの群生(インターネットより抜粋)の様子です(2013年7月)
(クリックしてみて下さい)
http://blog.goo.ne.jp/chutaro0906/e/681b579eb2685541d289b63573e7c634
残念ですが、「この世にはどうにもならないことがある」、、、ってことか。
明日はその≪尾瀬の旅≫の出発の日です。
さ~て、私は、装備済みのリュックを横目に、入院事前準備の冊子でも読むことにしますか!