スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

宇宙のはなし (2)(無限小の世界)

2011年10月18日 | 雑感
「木を見て森を見ず」「森を見て木を見ず」世間一般のたとえです。
この相互の関係は宇宙にも言えます。

宇宙の果ては、、、。
それを桁数で表しますと10の27乗メートルの世界だそうです。
(10000000000000000000000000000)                           
                           ちょっと桁違ったかな??
仰天・極大・天文学的なスケールですね。
でもこれが、私たちが今実際に観測できる宇宙サイズなのです。

その逆、極小の世界のはなしです。
宇宙の解明には極小の世界の探究なくして語れないと言います。

極微の世界は10のマイナス35乗までの世界です。
(マイナス1000000000000000000000000000000000000)                      
                           これも桁違うかな~!?
御存じの通り、物質は原子(元素)の集まりで出来ております。
たとへば、「水」は水素原子と酸素原子が結合してH2Oという分子を形作っておりますね。

これまでに存在が確認されている原子(元素)は118種類。
原子(元素)1個の直径は10のマイナス10乗。これがこの世で一番小さいと考えられていたのです。

原子は宇宙が創成されて、まず一番軽い原子である水素(1)が出来、次にヘリウム(2)、、そしてリチウム(3)、、炭素(6)、、酸素(8)、アルミニウム(13)、、鉄(26)、、亜鉛(30)、、ウラン(92)、、、、(118)
となります。

創成ビッグバン3分で水素が創られ、その後137億年かけて今解明されている原子118個が創られました。

原子(元素)の特徴はというと、、、。

○ 原子番号=陽子の数です。
○ ( )番号は原子が創性された順番。(原子番号という)
○ (100)超はその寿命が秒・ミリ秒単位で短命。
○ 軽い(質量7以下)原子核をもとに重い原子核が創られていく。
○ 太陽系では、原子構成でいうと、水素が90.2%・ヘリウムが9.7%を占め、残り全部でも
  0.1%しかありません。
○ 重い原子は、恒星爆発・やその内部で創られてきた。
○ 原子を別な原子に変えるには、陽子の数を変える必要がある。
   それには
   原子核どうしがぶつかり融合する必要がある、、、これが核融合。
   融合するには、太陽の中心のように1000万度超の高温での原子核どうしの衝突が必要です。
  
   ちなみに、太陽中心部は自身の重力により1600万度。水素の原子核同士が衝突してヘリウム
   との核融合反応が、、中心から約半径20%の範囲の内側だけで核融合がおこっており、体積に
   して太陽全体の1%にすぎない。

  そこで発生したエネルギーで太陽の残りの部分が加熱され輝いているとのことです。   
   (核融合で創られるのは鉄までです。鉄より重い鉛等の元素は、
    原子核による中性子の吸収によりつくられます~赤色巨星)

以上が原子(元素)の概要です。

極微の世界である10マイナス35乗の世界は、、、素粒子(クオーク)の世界なのです。

  原子の中心は、原子核。原子核にも陽子や中間子といった内部構造があり、
  そしてその周りを電子が回っている。
  またその陽子や中間子もいくつかの粒子によって形成されております。
 
  (中間子理論では湯川秀樹氏が有名ですよね)

その粒子がクオークと呼ばれ、クオークこそが「素粒子」なのです。

原子は1億分の1・原子核は1兆分の1・クオーク(素粒子)は10兆分の1センチの世界。

【無限大の世界】宇宙は10の27乗・【無限小の世界】素粒子は10のマイナス35乗。

 この途方もないスケールが私たちが存在する自然界の幅ということになります。

ビッグバン直後の宇宙は、極微の「素粒子の世界」でした。
したがって、
宇宙の起源を知ろうとしたら、素粒子を解明する、、、相互に切っても切れない関係にあるのです。


益川敏英氏と小林 誠氏が、ノーベル物理学賞を受賞したのは、記憶にありますよね。

このお二人のノーベル賞委員会受賞理由の説明文は、、、

『いまこの世にある存在のすべては、その宇宙創成時の「対称性の破れ」から生まれた「生き残り物質」の子孫なのである』
  、、、としております。

受賞理由は二つあり、
   
   1.クオーク3世代(6個)あるとの理論
   2.対称性の破れは、上記3世代(6個)から生じるとの理論
                          この二つでした。

● 受賞理由一つ目のクオーク(素粒子)は3世代6個なければならない。
  については、

 従来、素粒子は3個(アップ・ダウン・ストレンジ)で全てだろうと考えられていたものが
 理論的に6個あると予言し、それが実験で発見されたことによるものでした。

 チャームウオーク(74年)・ボトムクオーク(77年)・トップクオーク(95年)が次々発見・証明されたのです。

   ~拡大クリック
  (素粒子 図)
(速報追加~2011年12月8日ヒッグス粒子発見のニュースあり。
素粒子物理学の勉強はここをクリック
● 受賞理由の二つ目「対称性の破れ」の発見とは、、、

 クオークが3世代あることから、「対称性の破れ」は生じるだろうとの理論的予言でした。

 この宇宙は従来対称性によって支配されておりました。今もそうであり、これが基本には変わりがありません。

 宇宙には、同量の物質と反物質があり、互いに対消滅しバランスが保たれているのですが、しかし実際には、
 物質を構成する粒子より100億個について1個多い程度の微妙なズレがあった為、対消滅が起きなかった。

 この対称性の破れの為に、現在の宇宙が存続できたと考えられるのです。

宇宙はカオス(混沌・無秩序)から生まれたと言われてきました。

仏教の教えに「真空妙有」という言葉があります。
また、たった262文字の仏教経典『般若心経』の空の意味をも連想されます。

もしかして、古代人及び賢者はこの”対称性の破れ”のことを感じていたのかもしれませんね。

 約140億年前のビッグバンで起こったまさに宇宙の起源。

 従来の物質と反物質のふるまいは全く同じ~大原則を覆したのです。
あの著名な 立花 隆氏はその著書『小林・益川理論の証明』(朝日新聞出版社刊)の中で次のように賞賛しております。

今回ノーベル賞の有力候補にもあがった青色半導体レーザーの中村修二さん(ブルーレイデイスクのもとを作った人)とは、比べものにならず、横綱と序二段くらいのレベル差がある、、、
とまで言い切っており、いかに小林・益川理論が凄く価値があるものとの見解でした。
立花 隆氏は2000年に既に小林・益川両氏のノーベル賞を予見しておりました。
さすがです!

ちなみに、小林氏28歳・益川氏32歳の時の論文にて、ノーベル賞には35年の月日が、、、。またヒグス粒子では南部雄一郎氏が48年も、、ノーベル賞は平均10年から20年もかかっての受賞が普通です。

日本人は宣伝がいまいち、謙虚なのですね。いいのかわるいのか??
素粒子理論では、日本は世界でも先駆者なのに、、。


素粒子の探究は、巨大な加速器で研究が進められているようです。


   ~拡大クリック
  (スイスジュネーブ CERN)

先般9月23日でしたか、ニュートリノは光速より速い、、との記事が新聞に掲載され脚光を浴びました。
スイスからイタリアへの距離に数十億ものニュートリノ粒子をビーム銃での発射検証によるものでした。
ニュートリノ16,000個が、732キロを平均0.00243秒で走破するとのこと。

(ニュートリノ粒子は太陽等の恒星での核融合の副産物~小柴氏岐阜のカミオカンデ施設で発見し、これもノーベル賞)

測定誤差等検証は更に必要とはしているものの、もしそうだとしたならば、アインシュタインもびっくりですよね。

《物質は真空では光より早く移動できない》が覆されるのですから、、、!
ニュートリノは我々の住む四次元(三次元プラス時間空間)とは別の次元をみつけたのでは。(物理学者の話では、宇宙には11次元迄もありえるそうですよ)

日本でも茨城から岐阜への距離を同様に発射し、研究中ですが、先を越されたようですね。

日本では筑波の高エネルギー加速器研究機構の加速器・Bファクトリーが有名です。

380億円で、装置合わせると戦艦1隻分の重量(1万トン)。
年間数千万円にのぼる電力を投入運転させているそうです。

1秒間に5億回の粒子衝突を起こさせ、しかも全部解析し、記録可能な超光速マシーンです。

研究者400名・日本の約半分はここに集中している。

加速器で、無限大なる宇宙での爆発・衝突・崩壊・消滅・創成を再現しているのです。

下図は我々の住む太陽系を含む天の川銀河のとなりのアンドロメダ銀河です。
天の川銀河の直径は10万光年・アンドロメダ銀河直径は230万光年。


太陽はあと約45億年で燃え尽き爆発膨張し地球を飲み込む、、、。
アンドロメダ銀河は我々の天の川銀河に近づいており、約45億年で銀河同士衝突。
(銀河同士の衝突は宇宙では常に繰り返えされている)

どちらが早いか、いずれにせよ地球の運命は永遠ではないのです。

宇宙の無限大・無限小の世界を自分本位に(失礼!)まとめたのですが、この宇宙物理のからくりは、
基本のところは数学で成り立っております。


興味本位で宇宙の書籍を読み続けているのですが、当然ですが数学が多くいつも行き詰まり、
悪戦苦闘笑うしかありません。

まずは中学校数学の教科書から始めてみますかな!?

50歳(ん?)からじゃもう遅いでしょうか!?

もっと数学を勉強しておけばと悔やんでいる今日この頃です。

いや数学も! でした!

なぜ学校で数学を学ぶか? なぜ物理・化学・科学を学ぶ必要があるのか?

ちゃんと教えなかった先生が悪~い!


        

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