スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

備前・藤原三代

2014年10月30日 | 雑感
陶芸・備前(岡山)の藤原三代の展示会が開催されていた。

藤原 啓(祖父)・雄(父)はともに人間国宝。息子・和(三代目)の講演があり聴講してきた。
備前は伊賀・信楽・越前等と共に釉薬を使わない素朴な 《やきもの》だ。

  

HOPという建築会社主催のコラボ展示会。見事な作品が展示される中、和氏の講演に70名程の出席があった。
HOPは備前が似合う家・建築を目指しており、このコラボ開催に至ったという。 

  

和氏の作品が主体であったが、啓・雄氏の作品も数点展示され、手に触れても写真撮影も可とのこと。

  

      藤原 啓(1899年-1983年)             左: 和 作 中: 雄 作 右: 啓 作

どうです いい顔してるでしょう。
この呑べぇ 啓爺さん(失礼!)の作品が好きで、三年間位だが陶芸にのめり込んだ時期があった。
雄氏・和氏には申し訳ないが、やはり藤原 啓さんのことを少し記してみたい。


詩や小説に才能があった文学青年であったようで、社会運動にも身を投じたりでしばしば検挙もされたという。

雑誌の編集者などを経験したが文学に限界を感じ挫折。 神経衰弱に陥り、故郷岡山県備前市に戻る。
静養がきっかけで、40歳にして陶芸の道を歩むこととなる。  金重陶陽や北大路魯山人にも師事。
(博文館編集者を辞任時、後任があの八つ墓村など岡山もので有名な横溝正史だという~和氏の講演での話)

土で詩を詠んだ陶芸家とも言われ、その作風には何とも言えぬ温もりを感じます。


                           (上図の藤原 啓作品は展示はないが、さすが人間国宝)
 

こんなので呑んだら さぞ旨いでしょうねえ!
人間国宝の作品に触れる機会など めったに無いと思い、暫く魅入っておりました。
啓さんの作品の陳列は畳でしたので、座り込んで啓爺さんと差しつ差されつ 何杯呑んだことか。(笑) 

   

(左写真) 啓爺さんは晩年亀の作品を好んで作陶していたという。
(右写真) 余談~スノーマンが当時、遊び心で備前の土を使い作陶した板皿と亀を真似たもの。 
           札幌芸術の森の窯で三日三晩焼いたのですが、一応 備前に見えますでしょうか?


三代目・和氏もゆくゆくは人間国宝になるでしょう。今回の展示会でも素晴らしい作品ばかりでした。

数万から数十万の値がつけられ、人間国宝ともなると数十万いや数百万、数千万にもなる作品もあるという。
数倍に跳ね上がるのは時間の問題、、、なんて下種なことを考え会場を後にした。

この陶芸展は11月3日迄、札幌市中央区北4条西21丁目会場で開催されている。



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