スノーマン見聞録

ジャンルも内容も気の向くまま~“素浪人”スノーマンの見聞録

美貌の彫刻家

2017年12月19日 | 雑感
早いもので12月ももう半ばを過ぎた。 どうも12月はいけない。 鬼門月なのか、二度の大病もこの月だ。 

読んだ本もまたいけない。  テレビで女優・若村 麻由美が熱く語っていたので読んでみたのだが・・。

ご存知の彫刻家・ロダンの弟子、愛人でもあったカミーユ・クローデルなる、晩年30年を精神病院で幕を閉じた
なんとも非劇的な美貌の彫刻家の生涯を綴ったものだった。 病名は妄想病でその核心はロダンという。


           

       
            ≪ 波 ≫                       ≪ 飛び去った神 ≫

監禁がロダンによって企てられたとの被害妄想、何を想うかそのロダンの二作品。 
カミーユの母との確執も、ロダンも経済支援のみ、両者は30年間病棟には一度も訪ねていないという。

  
          ≪ ダナイード ≫                       ≪ パンセ ≫ 

著者・湯原かの子はエピローグでこう語る。

 『 カミーユの人生、それは確かに非劇的である。しかし悲惨さはない。むしろ、情熱の一途さと
   その無償性において、人間の尊厳さえ感じさせる。それは彼女が情熱の純粋さと生の激しさ
   によって、運命を凌駕しているからであろう。』 
・・・と。

なんとも空しさが残る一冊。  読まなければよかった。

じゃ止めりゃいい、と思いきや 著者の巧みな文章力、女性ならではの感性に魅せられ一気に、
難眠の一夜を余儀なくされた。   どうもいけない。   12月はどうもいけないのである。




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