無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

政府マスコミの嘘・・・その29(憲法2)

2016年03月03日 | Weblog
憲法は権力者を縛る法規、国民の為の法規である。前回の3つのポイントをもう一度頭に入れて読んでもらいたい。


朝日新聞デジタル 2016年3月2日より

憲法改正は国民から「今の憲法の第○条では、国民が困る、従ってこの条を改正して欲しい」という要望が強くなり、世論の大勢を占めるに至って国会で審議をするものであるのに、権力者が「どの条文から改正していくかについては国会で3分の2の賛成議決数が可能になったものから取り組んでいきたい」と言っている。

「憲法改正 在任中に」安倍首相・・・本日(3/3)のニュース見出し

権力者が自分たちを縛る憲法を変えようとしている事をマスメディアは国民に警告していない。

もう一度、コピペ(下記)

■日本国が国家として重大局面を迎えているにもかかわらず、なぜ日本のメディアは国民に問題提起しないのでしょうか。
紙面で議論を展開しないのでしょう。
国民が選択しようにも、メディアが沈黙していては選択肢は見えてきません。
日本のメディアは最悪です。

・・・元・ニューヨーク・タイムズ日本支局長マーティン・ファクラー氏

(参考)双葉社から刊行


さらに、山崎雅弘氏のツイートより

※日本はアジアの新たな独裁国家なのか?(ブルームバーグ)

※今年初め、私は世界の多くの国で見られる困った傾向、例えば政府の反自由主義的な変化・人権の軽視などを指摘した。
残念ながら、日本もその病気に罹っている。

※日本の自由民主党(リベラル・デモクラティック・パーティー)は、名前と実体がかけ離れた政党の一つ。

※自民党の憲法改正草案は、公共的利益(公益・公共の秩序)の名の下に自由を制限し、政教分離を廃止した上、国民が従う『義務』の条項を大幅に増やしている。

※これらは中国やロシアなら違和感がない。
また『緊急事態条項』の様な内容は、中東の多くの独裁者によって都合良く利用されてきたものだ。

※危険なのは、日本の人々がトリック(ごまかし・詭弁)に引っかかって、自分が持つ自由を手放す書類にサインすることだ。
(選挙で現政権を信任し、独裁を許すこと)

※日本は今、きわめて重要な歴史的転機に立っている。(今度の選挙による)


アメリカの軍産複合体が作り出した「冷戦」と軍事力均衡による「抑止力」の理論はソ連の崩壊と共に消え失せた。

アメリカは海外にあった49の米軍基地(ソ連包囲網)を9基地に減らした。

他の国も軍事費削減に動いた。

その中にあって、日本は「冷戦は依然としてある」として冷戦時代の色あせた「抑止力」理論を持ち出し、軍事力強化で他国をねじ伏せよう、外交を有利に導こう、としている。北朝鮮のやり方と少しも変わりない。

日本国民で憲法改正賛成としている人は「憲法9条」を改正し自衛隊を正式な軍隊にして、緊張高まる中国・北朝鮮・ロシアから日本を守ってもらいたい、と考えさせられてしまっているのだろう。

前にコピペした、

■日本が中国に支配されてもよいのか?

■このままでは、日本は中国に統合されてしまう。

■北のミサイルが発射された時に「日本国憲法!」と唱えて、国が守れるか!?

■憲法9条は中国軍拡も北の核兵器も止められなかった。


上の件に関して、前回載せた日本会議のポスターの部分部分を拡大して貼り付けておく。









日本会議所属の安倍首相は、次の様に今の憲法を「アメリカに押し付けられた、みっともない憲法」と考え、憲法を改正して自衛隊を正式に日本の軍隊とし、同盟国と共に世界中で活躍(戦闘)できる様にする。即ち、日本を世界と同じ「普通の国」にする、としている。



櫻井よしこ氏は「我が国を取り巻く安全保障環境は緊迫してきており、早急に憲法を改正して、自衛軍の体制を整え(戦闘準備し)、軍事力増強(=抑止力)により、中国・北朝鮮の野望(?)を挫かねばならない」として、「待ったなし!」の表現を使っている。

(余談)
上で「このままでは日本は中国に統合されてしまう」とか、「日本が中国に支配される」と表現されている。
「中国軍が日本に攻め込んでくる」とか「中国軍が日本を侵略してくる」とか書くと、夕刊フジ等で洗脳されてしまった一部の国民を除き、「え~、うそ~!」と思うのが普通の常識人(決して、“平和ボケした国民”ではなく←念のため)である。
統合される、とか、支配される、といった抽象的な表現をする事により、さりげなく現実味を与えているのだ。


安倍首相が「みっともない憲法」というのは、アメリカに押し付けられた憲法、と考えているからだ。
だから、上の様な「国民の手で作ろう、美しい日本の憲法」となる。



それと、もう一つ、安倍首相が主張している点は下図。



上の様に「世界は何回も憲法を改正しているのに、日本が一回も憲法改正していないのはおかしい」という主張。

あなたに常識があれば、この主張自体が「おかしい」(間違っている)事に気付くはずです。

さて、今日の本題に入ります。

前にも、あるブログで、

護憲派は日本の平和憲法を素晴らしいといっているが、そんな素晴らしいものだったら世界のどこかの国で取り入れていてもいいはずでしょう?
そんな『素晴らしい』憲法を取り入れている国はどこにも無いではないか!


というのがありました。

あなたも政府マスコミの手によって、そう思わされているとしたら、それは間違いです、というのが今日言いたい事の結論です。

結論が先になりましたが、最初にアメリカが行なっているテロとの戦いの現場からの報告です。


米兵の証言1:

戦争に向かう訓練で彼ら米兵達は軍法の最高権限を持つ法務官に下の様に言われた。

武器を持つ人間を見たら殺せ!
双眼鏡を持つ人も殺せ!
携帯電話を持つ人は殺せ!
何も持たず敵対行為がなかったとしても、走っている人・逃げる人は何か画策していると看做し、殺せ!
白旗を掲げ命令に従ったとしても、ワナと看做し、殺せ!

ファルージャで僕たちはその交戦規定に従った。
米兵たちは、ブルドーザーと戦車を使って家屋を一つ一つひき潰し人間は撃ち尽くした。
人間を撃ち尽くしたから、今度は犬や猫や鶏など動くものは何でも撃った。
動物もいなくなったから死体も撃った。



元米兵の証言2:

『テロとの戦い』というもののためにイラクに派兵されましたが、実際の戦場では、私達自身がイラクの人々にとってのテロリストだった。


もう一度、「自由と平和・民主主義擁護の為の正義の戦争」など、どこにも存在しないことを認識しておいて下さい。

ベトナム戦争の時の話。

アメリカがベトナムで戦っている。その戦争の名目は「南ベトナム人民の共産主義の侵略からの擁護」と言われている。果たしてそうだろうか?
アメリカ政府は「民主主義・自由主義の擁護」ともいっているが、自分の「主義」を他人(他国)に暴力(戦争)で押し付けようとすることが、最も民主主義から遠い行為であると、彼らは考えないのだろうか?

(参考)
従軍記者の記事:南ベトナム(敵地ではない・アメリカが擁護しようとしている側)の村々をアメリカ軍が進軍しているのだが、「村には老女と子供だけであり、その中に若い男性を見つけると、ベトコンとして捕まえ拷問や射殺が行なわれた。」
戦争の名目は「南ベトナム人民の擁護」「民主主義・自由主義の擁護」である。
それなのに、アメリカは結果として南ベトナムの人民を300万人も殺した。
映画『フルメタル・ジャケット』のなかのセリフで「いいぞ ベイべー! 逃げる奴はベトコンだ!! 逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ!!  ホント 戦争は地獄だぜ! フゥハハハーハァー」というのがあった。(全く今の「テロとの戦い」と同じである)


そのベトナム戦争からのアメリカの脱走兵が日本国憲法を見て日本に亡命したいと願い出てきた。

日本政府はアメリカ様の手前、日本への亡命を許す訳にもいかず、かと言って、国際世論・国内世論からいって、アメリカ様に突き出す訳にもいかず、他国への亡命という手段を取った。

そのアメリカの脱走兵は、この日本国憲法を「世界で最も優れたものだ」といった。

アメリカの脱走兵が日本国憲法を高く評価したのは、その憲法が「国家の国民に対する強制力の矛盾が最も顕著に表われる」戦争を放棄していたからだ。

先に書いた様なベトナム戦争やイラク戦争に参加し戦場を経験したアメリカ兵(青年たち)から見たら、日本の憲法は「人類の憲法」と思えた事だろう。(小田実氏)


憲法に関してもう一つ書いておきたいことは、日本ではあまり報道されなかった21世紀を前にして開催された「世界平和会議」の話。(前にも書いたが重要なので再掲載)

「平和アピール1999(HAP)」がハーグで開かれ、この会議には世界約100カ国の市民団体・政府代表が集まり、アナン国連事務総長(当時)、ユニセフ、ユネスコの事務局長らが出席するなか、2人の首相、1人の副首相、2人の外相が演説した。

この権威ある会議で「21世紀への平和と正義のための課題」(ハーグアジェンダ=アジェンダは提言と21世紀の行動計画からなっている)が採択され、その中の「10の基本原則」の第1項目が「日本の憲法を世界各国の憲法に取り入れるべき」である。

すなわち、21世紀(100年間=2100年になる前まで)の行動目標の第一に日本国憲法の世界化がうたわれたのだ。


結論として、日本の憲法は「戦後の占領統治下、アメリカに押し付けられたみっともない憲法」ではない、という事。

最近「日本の憲法」が世界遺産候補に上がった。
私のイメージからすると「なんで世界遺産?」なのだが、「地球上に後世まで残しておきたいもの」と考えればそれも有りかな、と思うことにした。

この話は、今の憲法を改正したい安倍自民党政権にとって「迷惑な話」であり、裏工作で世界遺産登録を辞退するのでは?と思っていたが、水面下の話があった無かったは別にして、一旦没となった。

しかし、その後に「日本国憲法」を世界遺産に登録する動きが、再度持ち上がってきている。

本当に美輪明宏(丸山明宏)さんではないが「押し付けられた憲法かどうかは問題ではない。良いものは良い。」のである。

あなたは「美しい日本の憲法」(自民党憲法改正草案)と現状の憲法をよ~く比較して読んでもらえば、憲法として比較にすらならない事がわかるはずだ。

今日はここまで、またね。