あなたは、“何故、世界で残虐非道な無差別テロが起こっているのか?”をもう一度、私の前回の日記を見て理解して欲しい。
いま起こっているテロとは一体何なんだろう?と深く考えてもらいたい。
日本人は政府マスコミの手によって「国際テロなんだから、日本も狙われて当然」「平和ボケしてないで、日本も厳重なテロ対策を!」と考えさせられている。(最近はテレビで良く、テロ対策訓練の報道がなされている。)
世界の警察国家アメリカ(軍産複合体)は、国連が数ヶ月にわたりイラクを査察し「大量破壊兵器はない」といい、CIAも「存在しない」と結論付けていた「大量破壊兵器によるアメリカ攻撃」を理由にイラクに侵攻、石油利権を確保し、中東に米軍事基地を構え、中東をアメリカの「ニュー・ワールド・オーダー」(新世界秩序)に組み入れようとした。
これを、イスラム教の人々は「キリスト教によるイスラム教の迫害」と考えた。
今の世界にキリスト教徒20億人、イスラム教徒16億人が存在する。
今の「テロ」とは、アメリカと有志国連合(キリスト教軍団=十字軍)とイラク・シリア・イスラム国(イスラム教徒)との戦争を意味している。
前に書いたことを時系列で纏めて書いてみる。
①2014年8月、米国を基軸とする有志国連合が『イスラム国』に対する空爆を開始。
②その直後の8月17日、湯川遥菜氏が『イスラム国』によって拘束。
③9月下旬、安倍首相がニューヨークで「有志国連合による『イスラム国』空爆と、空爆による『イスラム国』壊滅を支持する」と発言。
④安倍晋三首相は9月23日、エジプトのシシ大統領と会談し、米軍による過激派『イスラム国』掃討を目的としたシリア領内での空爆について「国際秩序全体の脅威である『イスラム国』が弱体化し、壊滅につながることを期待する」と述べている。
※安倍首相は邦人が『イスラム国』に拘束されているなかで、『イスラム国』が空爆によって殲滅されることを期待すると表明したのである。
⑤10月25日、フリージャーナリストの後藤健二氏が『イスラム国』に拘束された。
『イスラム国』は後藤さんの妻を通じて、10億円~20億円の身代金要求を日本政府に突き付けた。
日本政府は4回にわたり、その後藤さんの妻の嘆願(『イスラム国』の要求)を無視・拒否した。
⑥2015年1月にフランスでテロが発生した。
そんな中、安倍首相は予定通りに中東を訪問して1月17日エジプトでの「日エジプト経済合同委員会」で次の様に言った。
「ISIL(イスラム国)と戦う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」(下、外務省HP)
注1:ISIL=イスラム国
これに関し、日本のマスコミからは国では無い小さな過激テロ組織なのだからISILを使う方が正しい、と流されていた。
また、イスラム教の人たちが「イスラム国」という言葉を使って欲しくない、とイスラム教はあんな残虐非道な宗教ではない、とイスラム国を批判している事を報道として流している。
しかし、アメリカ軍が作成しているイラク・シリアにまたがる「イスラム国」支配地域を表した勢力図では今や日本の国土に匹敵し、それには「イスラム国を支援している地域」も広大に広がっている。日本のマスコミ報道の様に「極悪非道の過激テロ組織」であれば、如何にイスラム国が怖くても積極的「支援」までは行かないだろう。
注2:下の赤字部分「contend with A 」を辞書で引くと「Aと戦う」としか出てこない。
従って安倍首相は「『イスラム国』と戦う国々に2億ドル出す」と明言しているのだ。
⑦『イスラム国』が、日本政府に2億ドルの身代金要求を提示してきたのは、この安倍発言の直後である。(1月20日)
「日本政府と日本国民へのメッセージ」(ネットでの『イスラム国』の声明)
日本の首相へ
日本はイスラム国から8500キロも離れていながら、自発的に十字軍(キリスト教文明の国々=アメリカを基軸とする有志国連合)に参加した。
日本国民に告ぐ。あなたたちの政府は、『イスラム国』と戦うのに2億ドル支払う、という愚かな決定をした。
(従って、我々も)邦人人質2名に2億ドル支払うように要求する。…(後略)
⑧安倍政府は「人命第一」と「卑劣なテロには断じて屈しない」といった二律背反の言葉を掲げ「水面下で全力を挙げてあらゆる方面に手を尽くしている」とのみ報道された。
どんな手段を講じているのかは言えない、報道機関がそれに触れれば「秘密保護法」に抵触する怖れがある、と政府はやんわりと報道陣を牽制した。
⑨あなた(日本国民)にも、『イスラム国』にも、安倍首相や日本政府がどう対応しているのかが分からないままいたずらに時が流れ、湯川氏殺害映像と共に『イスラム国』から後藤氏の身代金ではなくヨルダンの死刑囚の開放というあらたな要求が突きつけられた。
⑩2015年2月1日『イスラム国』から後藤氏処刑映像と共に次の声明がなされた。
アベ(安倍首相)よ、勝ち目のない戦争に参加するというお前の無謀な決断のためにこのナイフがケンジ(後藤健二氏)を殺すことになった。
そして、お前の国の国民が世界のどこにいても、我々はこれから虐殺を続けて行く。
これから日本にとっての悪夢が始まるのだ。
私が怖いと思ったのは、⑦~⑩の間とその後に及ぶ日本マスコミの論調である。
世間の「安倍批判」を下の様な表現で完全抹殺したのである。
■『イスラム国』による日本人殺害脅迫事件(注:この記事は後藤氏殺害映像の前)で、野党議員による仰天発言が続いている。
①安倍晋三首相による人道支援表明を軍事的な後方支援と混同したり、
②残虐非道なテロ行為より安倍政権を批判するなど、
見識を疑われかねないものも多い。
(この様な野党議員の発言は)「利敵行為になりかねない」との指摘もある。
■③「人命尊重を第一に考えるなら、政権の足を引っ張るような行為はしてはならない」
④「いま政権を批判すれば、テロリストを利するだけ」
⑤「このような非常時には国民一丸となって政権を支えるべき」
■⑥安倍批判は「的外れ」「テロと同じ」
■⑦イスラム国声明たれながすメディア 間違ったメッセージ与えかねない
2015年(平成27年)1月27日(26日発行)の夕刊フジ2面記事(八幡和郎・徳島文理大学教授のコラム)より
(内容)
NHKなどが、イスラム国の声明を大本営発表のように荘重な口調で説得的に読み上げたり、湯川遥菜さんの「殺害」を前提に、ジャーナリストの後藤健二さんによるものとみられる英語のメッセージをそのまま流しているのはよろしくない。
要旨だけで良い。かつ、出来るだけ下劣な印象を与えるように報道すべきだ。
・・・どうしてテロリストによる卑劣な声明を、それに感化される人が出るような発表(報道の仕方)をするのか。・・・
■⑧安倍政府批判はテロの思うツボだ!
■⑨政府批判は一段落してからにしろ!
そして『イスラム国』による邦人人質事件は最悪事態で「一段落」した。右翼月刊誌に下記の様な安倍批判記事が載った。
■愚かなリーダー。
■カネにものを言わせた「地球儀外交」の末路。
■安倍晋三のバカげた功名心が「人質事件」を起こした。
■この事件の責任は、誰よりも安倍晋三にある。
■よりによってイスラエル国旗の前でスピーチした。アラブの敵だと言っているようなものだ。
ところが、読売新聞の後藤健二氏殺害の翌日朝の一面大見出しは、「国際テロの時代」「安保法制整備を急げ」である。
政府は人質の安否が心配される中「人命第一」を掲げ「あらゆる手段を尽くして人質救出に全力を挙げている」といって、それが再三マスコミ報道された。
そして、政府は、「どんな手段を講じているのかは言えない、報道機関がそれに触れれば『秘密保護法』に抵触する怖れがある、と言って報道陣を牽制した。
その事件のタダナカで政府マスコミは「言ってわかる相手ではない」といい、最悪の結果になった後、菅官房長官は「『イスラム国』とは一回も直接交渉が無かった。」と明言している。
「テロには屈しない」「人質救出には水面下であらゆる手段を尽くしている。どんな手を打っているかは相手もあることだし今は言えない」の一点張りだった。
「政府批判は一段落してからにしろ」なので、一段落したのだから「どんな手を打ったのか」と質問しても「それは秘密です」との返事。
国民は何も知らされないままです。
あなたは、人命第一を掲げた日本政府がどんな手段を取ったのか言えますか? 一生わからないでしょう。
一つだけ想像のつくことは『イスラム国』が身代金要求をヨルダンの死刑囚開放に変えてきた時に、ヨルダンに打診した、といったこと位です。
安倍首相にしてみれば、この交渉がうまく行こうが行くまいが、どちらに転んでも良いのは言うまでもありません。
交渉が成立して後藤氏が生還できたら安倍内閣の人気は急上昇するというメリットがあり、後藤氏が殺害されたら「残虐非道なテロは絶対に許さない。その罪を償わせる」とアメリカ基軸有志国連合の「テロ」との戦いに参戦できる訳です。
国際テロの恐怖を煽ることで、国民の「みっともない憲法」改正に対する賛同者も増えるわけですから…。
後藤健二さんが殺された翌日に読売新聞が(計ったように)上の様に「政府は(同事件に対する)一連の『政府対応』を巡り、…検証委員会を…設置する。検証結果は公表する方針」と書き、すぐにも噴出したであろう安倍批判を封じ込めた。
これは、政府がこの検証委員会メンバー・検討内容に「秘守義務」を課し、秘密保護法を盾に報道させない様にしたことからでも分かる。
(もう一度書く)
政府は「邦人殺害テロ事件の(安倍首相や政府の)対応に関する検証委員会」を結成。
国民に「何事もこの委員会の報告=結果待ちだ」として直ぐに噴出してもおかしくない安倍首相・政府対応への批判を封じ込んだ。
日刊ゲンダイが指摘したように「検証委員会のメンバーは、安倍首相の『米空爆を支持する』発言を歓迎したり、検証委員会のメンバーに選ばれる前から政府の対応について「初動から瑕疵はない」と援護射撃を続けていたような人たちが選ばれており、最初から検証報告結果は見えていたのだ。
そして「人の噂も75日」を充分過ぎてから、国民に「検証報告」をして幕を引いた。
※検証報告 中身ゼロ
※(「イスラム国とは一回も直接交渉はしていない」と菅官房長官も言っているのに)政府内の体制構築は<適切に行われた>
※情報収集や分析についても<体制を十分に構築した>と礼賛している。
※ヨルダンの現地対策本部長・中山外務副大臣のもと、<24時間体制を構築した>。
※現地対策本部をイスラム国の敵対国であるヨルダンに置いた事に批判が出たことに対し、検証委員会は<適切と考えられる>。
※安倍首相は湯川さんらが拘束されていることを知りながら中東に出かけ、カイロで「イスラム国と戦う国々に2億ドルを支援する」と演説し揚げ句、イスラム国から同額の2億ドルの身代金を要求され2人は斬首されたが、その安倍首相の訪問は<時宜を得たもの>で<日本の存在感を強めることにつながった>。
※それにスピーチ案を検討した時点では犯行主体をISIL(イスラム国)と特定するに至っておらず、<ISIL(イスラム国)関連部分を含む安倍首相の中東スピーチの内容・表現には問題はなかった>。
※<政府による判断や措置に人質救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない>と総括。
これで、日本国・日本人がテロの対象になった件は御終い。「国際テロだから日本国や日本人が狙われても仕方ないですよ。安倍首相のせいではない!」とあなたは納得しましたね。一件落着!
安倍首相は決してアメリカ・有志国連合が行なっている「テロとの戦い」にアメリカに従軍して弱小テロ組織を壊滅し、国際平和に貢献しようとしてはいないのです。難民救済等の人道支援だけを積極的平和主義で行なおうとしているのです。
■報告書は「速やかに必要な体制が整備され」といった抽象的表現が多く、責任の所在もはっきりとさせていない。とても検証したとは言い難い。(「現代イスラム研究センター・宮田律理事長)
当時の政府マスコミ報道に撹乱されたあなたにも、この様に、前に書いた事の繰り返しでも、後から冷静に振り返ることによって「本当の事」が見えてくるものです。
今日はここまで、このまま続きます。またね。
いま起こっているテロとは一体何なんだろう?と深く考えてもらいたい。
日本人は政府マスコミの手によって「国際テロなんだから、日本も狙われて当然」「平和ボケしてないで、日本も厳重なテロ対策を!」と考えさせられている。(最近はテレビで良く、テロ対策訓練の報道がなされている。)
世界の警察国家アメリカ(軍産複合体)は、国連が数ヶ月にわたりイラクを査察し「大量破壊兵器はない」といい、CIAも「存在しない」と結論付けていた「大量破壊兵器によるアメリカ攻撃」を理由にイラクに侵攻、石油利権を確保し、中東に米軍事基地を構え、中東をアメリカの「ニュー・ワールド・オーダー」(新世界秩序)に組み入れようとした。
これを、イスラム教の人々は「キリスト教によるイスラム教の迫害」と考えた。
今の世界にキリスト教徒20億人、イスラム教徒16億人が存在する。
今の「テロ」とは、アメリカと有志国連合(キリスト教軍団=十字軍)とイラク・シリア・イスラム国(イスラム教徒)との戦争を意味している。
前に書いたことを時系列で纏めて書いてみる。
①2014年8月、米国を基軸とする有志国連合が『イスラム国』に対する空爆を開始。
②その直後の8月17日、湯川遥菜氏が『イスラム国』によって拘束。
③9月下旬、安倍首相がニューヨークで「有志国連合による『イスラム国』空爆と、空爆による『イスラム国』壊滅を支持する」と発言。
④安倍晋三首相は9月23日、エジプトのシシ大統領と会談し、米軍による過激派『イスラム国』掃討を目的としたシリア領内での空爆について「国際秩序全体の脅威である『イスラム国』が弱体化し、壊滅につながることを期待する」と述べている。
※安倍首相は邦人が『イスラム国』に拘束されているなかで、『イスラム国』が空爆によって殲滅されることを期待すると表明したのである。
⑤10月25日、フリージャーナリストの後藤健二氏が『イスラム国』に拘束された。
『イスラム国』は後藤さんの妻を通じて、10億円~20億円の身代金要求を日本政府に突き付けた。
日本政府は4回にわたり、その後藤さんの妻の嘆願(『イスラム国』の要求)を無視・拒否した。
⑥2015年1月にフランスでテロが発生した。
そんな中、安倍首相は予定通りに中東を訪問して1月17日エジプトでの「日エジプト経済合同委員会」で次の様に言った。
「ISIL(イスラム国)と戦う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」(下、外務省HP)
注1:ISIL=イスラム国
これに関し、日本のマスコミからは国では無い小さな過激テロ組織なのだからISILを使う方が正しい、と流されていた。
また、イスラム教の人たちが「イスラム国」という言葉を使って欲しくない、とイスラム教はあんな残虐非道な宗教ではない、とイスラム国を批判している事を報道として流している。
しかし、アメリカ軍が作成しているイラク・シリアにまたがる「イスラム国」支配地域を表した勢力図では今や日本の国土に匹敵し、それには「イスラム国を支援している地域」も広大に広がっている。日本のマスコミ報道の様に「極悪非道の過激テロ組織」であれば、如何にイスラム国が怖くても積極的「支援」までは行かないだろう。
注2:下の赤字部分「contend with A 」を辞書で引くと「Aと戦う」としか出てこない。
従って安倍首相は「『イスラム国』と戦う国々に2億ドル出す」と明言しているのだ。
⑦『イスラム国』が、日本政府に2億ドルの身代金要求を提示してきたのは、この安倍発言の直後である。(1月20日)
「日本政府と日本国民へのメッセージ」(ネットでの『イスラム国』の声明)
日本の首相へ
日本はイスラム国から8500キロも離れていながら、自発的に十字軍(キリスト教文明の国々=アメリカを基軸とする有志国連合)に参加した。
日本国民に告ぐ。あなたたちの政府は、『イスラム国』と戦うのに2億ドル支払う、という愚かな決定をした。
(従って、我々も)邦人人質2名に2億ドル支払うように要求する。…(後略)
⑧安倍政府は「人命第一」と「卑劣なテロには断じて屈しない」といった二律背反の言葉を掲げ「水面下で全力を挙げてあらゆる方面に手を尽くしている」とのみ報道された。
どんな手段を講じているのかは言えない、報道機関がそれに触れれば「秘密保護法」に抵触する怖れがある、と政府はやんわりと報道陣を牽制した。
⑨あなた(日本国民)にも、『イスラム国』にも、安倍首相や日本政府がどう対応しているのかが分からないままいたずらに時が流れ、湯川氏殺害映像と共に『イスラム国』から後藤氏の身代金ではなくヨルダンの死刑囚の開放というあらたな要求が突きつけられた。
⑩2015年2月1日『イスラム国』から後藤氏処刑映像と共に次の声明がなされた。
アベ(安倍首相)よ、勝ち目のない戦争に参加するというお前の無謀な決断のためにこのナイフがケンジ(後藤健二氏)を殺すことになった。
そして、お前の国の国民が世界のどこにいても、我々はこれから虐殺を続けて行く。
これから日本にとっての悪夢が始まるのだ。
私が怖いと思ったのは、⑦~⑩の間とその後に及ぶ日本マスコミの論調である。
世間の「安倍批判」を下の様な表現で完全抹殺したのである。
■『イスラム国』による日本人殺害脅迫事件(注:この記事は後藤氏殺害映像の前)で、野党議員による仰天発言が続いている。
①安倍晋三首相による人道支援表明を軍事的な後方支援と混同したり、
②残虐非道なテロ行為より安倍政権を批判するなど、
見識を疑われかねないものも多い。
(この様な野党議員の発言は)「利敵行為になりかねない」との指摘もある。
■③「人命尊重を第一に考えるなら、政権の足を引っ張るような行為はしてはならない」
④「いま政権を批判すれば、テロリストを利するだけ」
⑤「このような非常時には国民一丸となって政権を支えるべき」
■⑥安倍批判は「的外れ」「テロと同じ」
■⑦イスラム国声明たれながすメディア 間違ったメッセージ与えかねない
2015年(平成27年)1月27日(26日発行)の夕刊フジ2面記事(八幡和郎・徳島文理大学教授のコラム)より
(内容)
NHKなどが、イスラム国の声明を大本営発表のように荘重な口調で説得的に読み上げたり、湯川遥菜さんの「殺害」を前提に、ジャーナリストの後藤健二さんによるものとみられる英語のメッセージをそのまま流しているのはよろしくない。
要旨だけで良い。かつ、出来るだけ下劣な印象を与えるように報道すべきだ。
・・・どうしてテロリストによる卑劣な声明を、それに感化される人が出るような発表(報道の仕方)をするのか。・・・
■⑧安倍政府批判はテロの思うツボだ!
■⑨政府批判は一段落してからにしろ!
そして『イスラム国』による邦人人質事件は最悪事態で「一段落」した。右翼月刊誌に下記の様な安倍批判記事が載った。
■愚かなリーダー。
■カネにものを言わせた「地球儀外交」の末路。
■安倍晋三のバカげた功名心が「人質事件」を起こした。
■この事件の責任は、誰よりも安倍晋三にある。
■よりによってイスラエル国旗の前でスピーチした。アラブの敵だと言っているようなものだ。
ところが、読売新聞の後藤健二氏殺害の翌日朝の一面大見出しは、「国際テロの時代」「安保法制整備を急げ」である。
政府は人質の安否が心配される中「人命第一」を掲げ「あらゆる手段を尽くして人質救出に全力を挙げている」といって、それが再三マスコミ報道された。
そして、政府は、「どんな手段を講じているのかは言えない、報道機関がそれに触れれば『秘密保護法』に抵触する怖れがある、と言って報道陣を牽制した。
その事件のタダナカで政府マスコミは「言ってわかる相手ではない」といい、最悪の結果になった後、菅官房長官は「『イスラム国』とは一回も直接交渉が無かった。」と明言している。
「テロには屈しない」「人質救出には水面下であらゆる手段を尽くしている。どんな手を打っているかは相手もあることだし今は言えない」の一点張りだった。
「政府批判は一段落してからにしろ」なので、一段落したのだから「どんな手を打ったのか」と質問しても「それは秘密です」との返事。
国民は何も知らされないままです。
あなたは、人命第一を掲げた日本政府がどんな手段を取ったのか言えますか? 一生わからないでしょう。
一つだけ想像のつくことは『イスラム国』が身代金要求をヨルダンの死刑囚開放に変えてきた時に、ヨルダンに打診した、といったこと位です。
安倍首相にしてみれば、この交渉がうまく行こうが行くまいが、どちらに転んでも良いのは言うまでもありません。
交渉が成立して後藤氏が生還できたら安倍内閣の人気は急上昇するというメリットがあり、後藤氏が殺害されたら「残虐非道なテロは絶対に許さない。その罪を償わせる」とアメリカ基軸有志国連合の「テロ」との戦いに参戦できる訳です。
国際テロの恐怖を煽ることで、国民の「みっともない憲法」改正に対する賛同者も増えるわけですから…。
後藤健二さんが殺された翌日に読売新聞が(計ったように)上の様に「政府は(同事件に対する)一連の『政府対応』を巡り、…検証委員会を…設置する。検証結果は公表する方針」と書き、すぐにも噴出したであろう安倍批判を封じ込めた。
これは、政府がこの検証委員会メンバー・検討内容に「秘守義務」を課し、秘密保護法を盾に報道させない様にしたことからでも分かる。
(もう一度書く)
政府は「邦人殺害テロ事件の(安倍首相や政府の)対応に関する検証委員会」を結成。
国民に「何事もこの委員会の報告=結果待ちだ」として直ぐに噴出してもおかしくない安倍首相・政府対応への批判を封じ込んだ。
日刊ゲンダイが指摘したように「検証委員会のメンバーは、安倍首相の『米空爆を支持する』発言を歓迎したり、検証委員会のメンバーに選ばれる前から政府の対応について「初動から瑕疵はない」と援護射撃を続けていたような人たちが選ばれており、最初から検証報告結果は見えていたのだ。
そして「人の噂も75日」を充分過ぎてから、国民に「検証報告」をして幕を引いた。
※検証報告 中身ゼロ
※(「イスラム国とは一回も直接交渉はしていない」と菅官房長官も言っているのに)政府内の体制構築は<適切に行われた>
※情報収集や分析についても<体制を十分に構築した>と礼賛している。
※ヨルダンの現地対策本部長・中山外務副大臣のもと、<24時間体制を構築した>。
※現地対策本部をイスラム国の敵対国であるヨルダンに置いた事に批判が出たことに対し、検証委員会は<適切と考えられる>。
※安倍首相は湯川さんらが拘束されていることを知りながら中東に出かけ、カイロで「イスラム国と戦う国々に2億ドルを支援する」と演説し揚げ句、イスラム国から同額の2億ドルの身代金を要求され2人は斬首されたが、その安倍首相の訪問は<時宜を得たもの>で<日本の存在感を強めることにつながった>。
※それにスピーチ案を検討した時点では犯行主体をISIL(イスラム国)と特定するに至っておらず、<ISIL(イスラム国)関連部分を含む安倍首相の中東スピーチの内容・表現には問題はなかった>。
※<政府による判断や措置に人質救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えない>と総括。
これで、日本国・日本人がテロの対象になった件は御終い。「国際テロだから日本国や日本人が狙われても仕方ないですよ。安倍首相のせいではない!」とあなたは納得しましたね。一件落着!
安倍首相は決してアメリカ・有志国連合が行なっている「テロとの戦い」にアメリカに従軍して弱小テロ組織を壊滅し、国際平和に貢献しようとしてはいないのです。難民救済等の人道支援だけを積極的平和主義で行なおうとしているのです。
■報告書は「速やかに必要な体制が整備され」といった抽象的表現が多く、責任の所在もはっきりとさせていない。とても検証したとは言い難い。(「現代イスラム研究センター・宮田律理事長)
当時の政府マスコミ報道に撹乱されたあなたにも、この様に、前に書いた事の繰り返しでも、後から冷静に振り返ることによって「本当の事」が見えてくるものです。
今日はここまで、このまま続きます。またね。