やはり、前回の様に戦争の話をしないと閲覧数が急上昇する。
それではいけないのだが、今日も前回の続きの様な話をしたい。
今日は、安倍首相がトリクルダウンを信奉して、今だに「成長」しか考えていない、つまり、肝心の「分配」には無関心だという実態を書いてみたい。
「分配」は企業が「成長」すれば・高収益を上げれば、賃上げで自然と下々も潤う。だから「成長を更に推し進め…」←この考えだけを国会答弁に使っていて「もう聞き飽きた」と言いたくなる。
質疑:
安倍総理は、アベノミクスで経済の好循環が生まれた、第2ステージは「一億総活躍社会」を実現する、この国会はそのスタートだ、と言っている。
しかし、第1ステージでの景気の実態は「好循環」とは程遠いのではないか。
国民生活基礎調査では「生活が苦しい」と答えた人は63・4%と年々悪化している。
なかでも、子供のいる世帯では67・4%が「生活が苦しい」としている。
確かに企業は史上最高の収益を上げている。
あるいは、株高で巨万の富を手にした投資家もいるでしょう。
しかし、国民には景気回復の実感は殆んど無い。(直近の調査でも73~74%の国民が景気回復の実感なし、としている)
それに対し、安倍総理は国会で「成長の果実を分配に回すんだ」とおっしゃている。
ということは、つまり、安倍総理は今現在の最大の課題は「所得の再分配」━━━━これが重要な課題となっている、と考えておられるのですね?
応答(安倍首相):
まあ、「分配か、成長か」という議論もあるわけでございますが、まずはシッカリと成長していく、そして企業が収益を上げて行く事によって、賃金を上げていくことも可能となり、そうした企業が払う税金をシッカリと活用していくことによって再分配機能を生かしていくことが大切であろうと(思います。)
そして、それが可能となって行く訳ですから、シッカリと経済を成長させ、企業が収益を上げることにおいて、高い賃上げ率を確保していける、ということは、大きな実績(17年ぶりの高い賃上げ率=2.20%)だろうと思っております。
また、今後共「成長と分配」の好循環を回して行きたい。
質疑:
ですから、企業は(もう既に)高い収益を上げている訳です。(成長は既に充分している)
ここで、その資料を載せておく。
質疑(続き):
(既に成長はしている)その点で言えば、今一番大事な課題は「分配」という認識なんですね、と訊いているのです。
応答(安倍首相):
成長も分配も共に必要でありまして、「分配」も極めて大事という事は貴方(貴党)と同じ認識を持っている。
質疑:
認識が一致している事は良い事だと思いますが、では、ならば何故、消費税の増税なのか?ということです。
所得税や住民税を免除されている方でも、生活保護世帯でも、ワーキングプアでも消費税はかかってくる訳で、所得再配分に尤も逆行する税制なわけ。
ところが「来年4月に消費税を10%に増税」が迫っているわけです。1年3ヶ月後に。
2年前の消費税8%への増税は暮らしや経済に深刻な打撃になっています。
2014年度は年間通じてマイナス成長。
安倍総理は「ワンショットの影響だ」とおっしゃっていましたけれど、15年度の4-6月期もマイナス、7-9月期もマイナスと景気回復には程遠い訳です。
とても景気回復とは言えない。
8%増税がどれだけ打撃になったかを私は真面目に見るべきだと思います。
なかでも深刻なのは「家計」ですよ。
消費の減退の大きな要因が、まさに8%増税であったことは明らかです。
この上、10%に引き上げれば、わずか4年間で13兆円!、前代未聞の連続増税となる。
デフレ脱却どころか個人消費と家計に深刻な打撃を与えることは間違いない。
安倍総理はこれでも増税を強行する、とおっしゃるのでしょうか?!
応答(安倍首相):
8%増税が確かに消費に大きな影響を与えたのは事実です。
だからこそ、10%への引き上げを1年半延期したわけです。
この間、シッカリと本来の政策を進めて行き、シッカリと「成長軌道に戻していきつつある」訳でありますし、その中で「賃上げ」も順調に行なわれております。今年の4月も、来年の4月も賃金が引き上げられていくという状況を作り出して行く中において、大切な社会保障を次の世代に引き渡していく為にも消費税の引き上げは必要だろうと考えているところでありますし、そういう環境を作っていく考えであります。
ちなみに、この消費税の増税分は全額、社会保障の安定・充実に当てる事にしております。…後略
この同じ答弁の繰り返しで無駄に時間が費やされ、そして安倍首相の思うままの結論で政治が進んでいく。
それにしても、上の答弁はどこかで聞いたこと・見たことがあるセリフだ。
この安倍首相答弁の数行だけでも「嘘」に満たされている。
①企業が儲かれば(成長すれば)、賃上げが行われ、下々の財布の紐がゆるみ景気の好循環が生まれる。と言う「トリクルダウン」の幻想。…安倍自民党政権の経済ブレーン、竹中平蔵氏も「トリクルダウンは起きない」と明言しているのに・・・。
②少子高齢化で社会保障費の財源が不足、との政府マスコミのプロパガンダ(嘘)。
③消費税増税分は、全額社会保障の安定・充実に当てる、の嘘。
④成長による企業からの税収増の嘘。
余談になるが、この後の「質疑」に関係するので、下の政府広報を再掲。
質疑:
安倍総理は消費税増税を全て社会保障に当てるとおっしゃっていますが、消費税8%に増税した時、社会保障の充実に当てたのは、消費税増収8・2兆円の内の16%です。
従来他の財源から拠出していた社会保障分を消費税に置き換えただけですよ。(無風注:このあたりの会話の正確さに疑問有り)
社会保障の中身自体は変わっていない訳です。
しかも、社会保障費の抑制等、逆のことをやっている。…後略
消費税の話は余談として聞いて欲しい。
話を本題に戻す。
安倍首相が「内部留保を賃上げに回せ」と言った時に、ある経済学者がこの発言を批判していたが、馬鹿らしい内容だった。
「内部留保は現金で持っているとは限らない。従って内部留保を賃上げに回せ、というのは間違っている」
というもの。
確かに会計・経理上から見ると、安倍首相のこの言い回しは間違っているのだが、そんな事を問題にする方がおかしいのだ。
企業はもう何年も高い経常利益・純益を続けてきている。だからそれをもっと賃上げに回せ、と安倍首相は言っているのである。
最近はこの様な言葉尻を捉えた批判(自分は知っているぞ、お前は勉強不足だ、といった批判)が多く見受けられる様になった。
あなたも「情報の過多」「知識の呪い」には充分気をつけましょう。
知識の呪い=一旦、知識・情報として人の頭の中に入ってしまうと、その知識・情報が無かった時の事・状況が分からなくなってしまう現象を言う。
さて、下の表をそのまま載せて終わらせる。(リーマンショックで企業業績が急落、その後急速に業績が改善されているグラフです)
下の表から、色々と汲み取って自分で解説を付けてみて下さい。(背景等)
2013年までの表ですが、2014年、2015年と企業の経常利益は急上昇、逆に働く人たちの実質賃金はこの間26ヶ月連続でマイナスとなっているのです。
きょうはここまで、またね。
それではいけないのだが、今日も前回の続きの様な話をしたい。
今日は、安倍首相がトリクルダウンを信奉して、今だに「成長」しか考えていない、つまり、肝心の「分配」には無関心だという実態を書いてみたい。
「分配」は企業が「成長」すれば・高収益を上げれば、賃上げで自然と下々も潤う。だから「成長を更に推し進め…」←この考えだけを国会答弁に使っていて「もう聞き飽きた」と言いたくなる。
質疑:
安倍総理は、アベノミクスで経済の好循環が生まれた、第2ステージは「一億総活躍社会」を実現する、この国会はそのスタートだ、と言っている。
しかし、第1ステージでの景気の実態は「好循環」とは程遠いのではないか。
国民生活基礎調査では「生活が苦しい」と答えた人は63・4%と年々悪化している。
なかでも、子供のいる世帯では67・4%が「生活が苦しい」としている。
確かに企業は史上最高の収益を上げている。
あるいは、株高で巨万の富を手にした投資家もいるでしょう。
しかし、国民には景気回復の実感は殆んど無い。(直近の調査でも73~74%の国民が景気回復の実感なし、としている)
それに対し、安倍総理は国会で「成長の果実を分配に回すんだ」とおっしゃている。
ということは、つまり、安倍総理は今現在の最大の課題は「所得の再分配」━━━━これが重要な課題となっている、と考えておられるのですね?
応答(安倍首相):
まあ、「分配か、成長か」という議論もあるわけでございますが、まずはシッカリと成長していく、そして企業が収益を上げて行く事によって、賃金を上げていくことも可能となり、そうした企業が払う税金をシッカリと活用していくことによって再分配機能を生かしていくことが大切であろうと(思います。)
そして、それが可能となって行く訳ですから、シッカリと経済を成長させ、企業が収益を上げることにおいて、高い賃上げ率を確保していける、ということは、大きな実績(17年ぶりの高い賃上げ率=2.20%)だろうと思っております。
また、今後共「成長と分配」の好循環を回して行きたい。
質疑:
ですから、企業は(もう既に)高い収益を上げている訳です。(成長は既に充分している)
ここで、その資料を載せておく。
質疑(続き):
(既に成長はしている)その点で言えば、今一番大事な課題は「分配」という認識なんですね、と訊いているのです。
応答(安倍首相):
成長も分配も共に必要でありまして、「分配」も極めて大事という事は貴方(貴党)と同じ認識を持っている。
質疑:
認識が一致している事は良い事だと思いますが、では、ならば何故、消費税の増税なのか?ということです。
所得税や住民税を免除されている方でも、生活保護世帯でも、ワーキングプアでも消費税はかかってくる訳で、所得再配分に尤も逆行する税制なわけ。
ところが「来年4月に消費税を10%に増税」が迫っているわけです。1年3ヶ月後に。
2年前の消費税8%への増税は暮らしや経済に深刻な打撃になっています。
2014年度は年間通じてマイナス成長。
安倍総理は「ワンショットの影響だ」とおっしゃっていましたけれど、15年度の4-6月期もマイナス、7-9月期もマイナスと景気回復には程遠い訳です。
とても景気回復とは言えない。
8%増税がどれだけ打撃になったかを私は真面目に見るべきだと思います。
なかでも深刻なのは「家計」ですよ。
消費の減退の大きな要因が、まさに8%増税であったことは明らかです。
この上、10%に引き上げれば、わずか4年間で13兆円!、前代未聞の連続増税となる。
デフレ脱却どころか個人消費と家計に深刻な打撃を与えることは間違いない。
安倍総理はこれでも増税を強行する、とおっしゃるのでしょうか?!
応答(安倍首相):
8%増税が確かに消費に大きな影響を与えたのは事実です。
だからこそ、10%への引き上げを1年半延期したわけです。
この間、シッカリと本来の政策を進めて行き、シッカリと「成長軌道に戻していきつつある」訳でありますし、その中で「賃上げ」も順調に行なわれております。今年の4月も、来年の4月も賃金が引き上げられていくという状況を作り出して行く中において、大切な社会保障を次の世代に引き渡していく為にも消費税の引き上げは必要だろうと考えているところでありますし、そういう環境を作っていく考えであります。
ちなみに、この消費税の増税分は全額、社会保障の安定・充実に当てる事にしております。…後略
この同じ答弁の繰り返しで無駄に時間が費やされ、そして安倍首相の思うままの結論で政治が進んでいく。
それにしても、上の答弁はどこかで聞いたこと・見たことがあるセリフだ。
この安倍首相答弁の数行だけでも「嘘」に満たされている。
①企業が儲かれば(成長すれば)、賃上げが行われ、下々の財布の紐がゆるみ景気の好循環が生まれる。と言う「トリクルダウン」の幻想。…安倍自民党政権の経済ブレーン、竹中平蔵氏も「トリクルダウンは起きない」と明言しているのに・・・。
②少子高齢化で社会保障費の財源が不足、との政府マスコミのプロパガンダ(嘘)。
③消費税増税分は、全額社会保障の安定・充実に当てる、の嘘。
④成長による企業からの税収増の嘘。
余談になるが、この後の「質疑」に関係するので、下の政府広報を再掲。
質疑:
安倍総理は消費税増税を全て社会保障に当てるとおっしゃっていますが、消費税8%に増税した時、社会保障の充実に当てたのは、消費税増収8・2兆円の内の16%です。
従来他の財源から拠出していた社会保障分を消費税に置き換えただけですよ。(無風注:このあたりの会話の正確さに疑問有り)
社会保障の中身自体は変わっていない訳です。
しかも、社会保障費の抑制等、逆のことをやっている。…後略
消費税の話は余談として聞いて欲しい。
話を本題に戻す。
安倍首相が「内部留保を賃上げに回せ」と言った時に、ある経済学者がこの発言を批判していたが、馬鹿らしい内容だった。
「内部留保は現金で持っているとは限らない。従って内部留保を賃上げに回せ、というのは間違っている」
というもの。
確かに会計・経理上から見ると、安倍首相のこの言い回しは間違っているのだが、そんな事を問題にする方がおかしいのだ。
企業はもう何年も高い経常利益・純益を続けてきている。だからそれをもっと賃上げに回せ、と安倍首相は言っているのである。
最近はこの様な言葉尻を捉えた批判(自分は知っているぞ、お前は勉強不足だ、といった批判)が多く見受けられる様になった。
あなたも「情報の過多」「知識の呪い」には充分気をつけましょう。
知識の呪い=一旦、知識・情報として人の頭の中に入ってしまうと、その知識・情報が無かった時の事・状況が分からなくなってしまう現象を言う。
さて、下の表をそのまま載せて終わらせる。(リーマンショックで企業業績が急落、その後急速に業績が改善されているグラフです)
下の表から、色々と汲み取って自分で解説を付けてみて下さい。(背景等)
2013年までの表ですが、2014年、2015年と企業の経常利益は急上昇、逆に働く人たちの実質賃金はこの間26ヶ月連続でマイナスとなっているのです。
きょうはここまで、またね。