無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

馬鹿にされ続ける国民…その3

2007年12月19日 | Weblog
昨夜のNHKニュースで核迎撃ミサイル発射実験が成功したことを大々的に取り上げ「命中率の低い迎撃ミサイルを一基281億円もかけて買い込む」ことに反対していた人たちを「高い金を出しても(国民の)命には替えられない」とのコメントで黙らせることに成功した。国民はこの成功に安心し、前の政府コメントを信じてしまう。

勿論、失敗したら全くニュースに成らず、国民に知らされなかったであろうこの「大々的な報道」には、嘘があるのです。

「失敗したらニュースにしない」といったのは、1475億円のイージス艦(7700t)から281億円のミサイルのテストをすることは「軍事機密」?で国民には内緒であり、国産人工衛星打ち上げの様に事前報道なし、だったからで、「失敗」に終われば、「軍事機密」のままだった訳です。“愚民”は、そうは思いませんか?

私のような弱い立場の人間が、自民党に投票している(自分の首を絞める行為をしている)あなたを“愚民”と言うと腹を立て、政府自民党があなたを“愚民”扱いしているのに腹を立てないとは、おかしな話ですね。
光市事件・朝青龍・亀田親子のバッシングに見られるように、日本国民はみんな“弱きをくじき、強きを佐(たす)く”といった情け無い性格になってしまったようだ。

今回のマスメディア報道を載せておく。

産経新聞2007.12.18 10:14

ミサイル迎撃試験に成功

海上自衛隊のイージス艦「こんごう」に搭載された海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の発射実験が17日午後(日本時間18日午前)、米ハワイ・カウアイ島沖で行われ、模擬ミサイルの迎撃に成功した。米国防総省ミサイル防衛局と防衛省が同日、発表した。

これまで標的ミサイルの追跡はあるが、撃ち落としたのは初めて
米国以外による初の実験成功となった

日米のミサイル防衛協力に弾みがつくとともに、日本国内の法整備(無風注:集団的自衛権承認)などが急務となりそうだ。

 実験ではカウアイ島にある米軍施設から中距離弾道ミサイルの模擬弾1発が発射された。海上で待機していた「こんごう」の高性能レーダーがこれを探知し、SM3を1発発射。高度100キロ以上の大気圏外で、模擬弾を撃ち落とすことに成功した。

米イージス艦レイク・エリーも標的を探知、司令部に情報を伝達するなど、訓練に参加した。

防衛省とミサイル防衛局は「(ミサイル防衛での)日米協力が強まるなかでの画期的な出来事だ」と実験成功の意義を強調した

日本のミサイル防衛は、海上でイージス艦がSM3を発射し、弾道ミサイルを迎撃。

迎撃に失敗した場合は、地上に配備されている地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が迎撃する2段構えとなっている。(無風注:だから国民の皆さん、安心してください)

昨年7月に北朝鮮が弾道ミサイル実験を行ったことを受けて、日本政府はSM3とPAC3の配備前倒しを決めた。

海上自衛隊は2010年度末までに、「こんごう」のほかイージス艦3隻にSM3を搭載する計画を進めている。

今後、米国に向けて発射された長距離弾道ミサイルを日本のイージス艦が迎撃することは可能か(集団的自衛権発動可能か)など、政策論、法律論での議論を進めることが必要となる。


産経新聞2007.12.18 10:20

「日米同盟の歴史的な日」 迎撃成功で防衛副大臣
海上配備型迎撃ミサイル(SM3)発射試験を視察するため米ハワイ・カウアイ島を訪れた防衛省の江渡聡徳副大臣は17日午後(日本時間18日午前)記者会見し、「日米同盟の歴史的な1ページとなった」などと話した。

 江渡副大臣は、米ミサイル防衛局のヘンリー・オベリング局長とともに試験の成功を宣言。

「ミサイル防衛で日米両国の相互運用性を証明した」と成功を高く評価し、「(日本の)周辺地域で増大しつつある弾道ミサイルの脅威に対し、日本が対処能力を保有したことを示した」と説明。

「日米同盟をより良く機能させることが重要で、今後も緊密に協力していきたい」と述べた。

オベリング局長は「成功は日米のミサイル防衛にとって大きな一歩となった。ミサイル防衛で日本が指導的な立場の国として、開発計画を推進していることに感謝している」と話した。(共同)

■このミサイル“防衛”という迎撃実験は「戦争」を想定した軍事行動であり、日米(軍事)同盟も「戦争」の為の同盟である。

その戦争の為のテストの成果をマスメディアは大々的に強調し、日米のミサイル防衛協力(戦争体制)に弾みがつくとともに、日本国内の法整備(無風注:集団的自衛権承認)などが急務となりそうだ。と、早く法律で「集団的自衛権」の行使を認め、戦争をする国にすることが「急務になりそう」と、国民をないがしろにした意見を掲載している。

NHK始め、他のマスメディアも同様で、、日米同盟(戦争行動)の歴史的な1ページとなったとか、ミサイル防衛(戦争行動)での日米協力が強まるなかでの画期的な出来事だとかのコメントを載せて、成果を称えている。

まるで、戦時中の「大本営発表」の“戦勝”報道を見ているようで、愚民(国民)のバンザイバンザイが聞こえてきそうな気になった。

■戦争行為は「絶対悪」である。その理屈が分からない人は私の日記の最初の部分の「ものの見方・考え方」をもう一度読み返して欲しい。

「したくは無いが、しなければいけない戦争もある」などということは絶対無いのである。

「こちらがしなくても、しかけられる戦争もある」などということも無いのである。憲法で「戦争という外交手段を放棄した日本国」では「戦争」にならないのである。政府の言うように「抵抗しなければ日本はなくなってしまう」ことも無い。
この議論はあとにまわす。

今回の大々的実験成功報道を私が「報道の嘘」といったのは、前に核迎撃ミサイルについて調べたときに、「大気圏外での迎撃は命中率が高い」と載っており、今回の迎撃も「大気圏外で迎撃に成功」と発表している点で、仮想敵国K国は九州から韓国に飛行機で旅行した人なら実感したことと思うが、上昇・下降で着いてしまい、平行飛行状態は殆ど無い近距離である。ましてや、今回のように「発射しますよ」といってそれを待ち構え「レーダーに映った」から発射ボタンを押すという「狙い撃ち」状態は、実戦ではありえない。
大気圏外でなければ「数%の命中率」と言われ、売った本人のアメリカが50%の命中率といっている核迎撃ミサイルの発射実験を、最高の発射条件で成功させたからといって、(決して言葉に出してはいないが)命中率100%的に報道し国民に安心感を与える報道の仕方、そして更に戦争への道を加速させようとするマスメディアの態度(集団的自衛権の法整備が急がれる)はイタダケナイ。
このマスメディア(=政府広報機関)の大々的報道は、281億円も使って「たまたま成功したため」のはしゃぎようにも思えてしまう。

じつは、この議題は前座にして、タイトルの続きを書くつもりだったのだが、出来上がりそうになったとき、指が勝手にマウスをクリックして、その時ポインターの位置がたまたま悪かったため、投稿原稿が全部消えてしまった。ここまで書き直してみたが、最初に考えながら書いた気に入った言い回しが出てこないこともあり、気力が尽きた。タイトルは未だ続きます。