無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

世界で一流の人権侵害国、日本

2007年09月04日 | Weblog
今日は津久井弁護士の「お言葉」拝借 

    「民主主義」にとって最も大切な装置は「表現の自由」

   「表現の自由」にとって最大の脅威は「萎縮的効果」

   「萎縮的効果」によって脆く崩れるのが「民主主義」

「萎縮的効果」はもう様々な事例として表れてきている。

一つ、マスメディアの自主規制

 ・前代未聞の総理大臣のマスメディア提訴→『言論によるテロ』と言論統制→マスメディアの萎縮
 ・前に書いた森田実氏の例や「反戦平和を口にすると『左翼思想家』として仕事が無くなる」等。

一つ、野田市が国民投票法を理由に「平和の為の戦争展」の後援を断ったこと(萎縮的効果が表れた最たるもの)

   まだ憲法改正案も出ていない、従って効力も無い投票法を理由に断る公務員の萎縮現象。   
   これについては、「ヤメ蚊」さんの8月19日付けブログに詳しく解説してある。

一つ、自衛隊による市民の監視
   
   ・自衛隊による市民監視が暴露される半年ほど前のブログで「正規の手続きを踏んで行なった平和デモ行進のコースの沿道沿いをデモ行進の人数に対し極端に多い人数の警官隊が並んで警備していた。」とか「『平和のつどい』的な市民会館での講演会の入り口に自衛隊員が並び、参加者を一人一人チェックし写真を取っていた。」等の記事が載っており、これでは例えば憲法改正反対の集会に出席しようと思っても「公安?」のブラックリストに載るのが怖くて参加しない国民が増えるな(萎縮的効果)、怖い世の中になったものだ、と思った。
   
   ・自衛隊が監視してる289にも及ぶ全国の市民グループや個人は、民主党関係者を「GL」、共産党関係者を「P」、社民党関係者を「S」、その他の市民グループを「CV」って記号で区分けして、1週間ごとに細かく集計して、すべて「自衛隊のイラク派遣に反対している国内勢力」として記載されていた。もちろん、「自衛隊のイラク派遣反対」と言いながらデモ行進した市民グループとかも入ってるけど、消費税の増税反対年金問題の集会や小林多喜二など、ぜんぜん関係ないものもたくさん含まれてる。そして、それらを見ると、「自衛隊のイラク派遣に反対している国内勢力」じゃなくて、「政府(権力者)に反対してる国内勢力」ってことになる。(転用御免!)

   ・塩崎恭久官房長官は記者会見で「法律にのっとって行われる調査活動や情報収集は当然、受け入れられるべきだ」と述べ、法令の許容範囲との認識を示した。
   ・「隊員・家族をいろんな働きかけから守り、士気を高めるために必要。適法な活動だ」
  ・陸上自衛隊の情報保全隊が、イラクへの部隊派遣に反対する市民活動を監視していた。
    言論や思想信条の自由に対する圧力と受け取られても仕方ない。
    自由な意見を表明する市民らの行動が、これほど詳細に自衛隊に監視されていたのかと驚かされる。

詳しくは「ヤメ蚊」さんのブログ

一つ、「法律」を盾にとっての逮捕

   ・デモの集会でトラック上から演説(歌?)していた人を「トラックの荷台に乗ったまま数メートル移動したから」として道交法違反で逮捕。

   ・平和デモの過剰警備抗議で逮捕 「1人は暴行受けた」

 51の市民団体でつくる平和運動ネットワーク「ワールド・ピース・ナウ(WPN)」の高田健・実行委員らが13日、衆院議員会館で記者会見し、「自衛隊の多国籍軍参加に反対するパレードで、過剰警備に抗議した3人が逮捕され、1人は機動隊から暴行を受けた」と発表した。デモ参加者が機動隊員にけられ、上半身裸で路上を引きずられる様子などを撮影したビデオも公開した。

 パレードは今月4日、東京・渋谷で実施され、1200人が参加した。警視庁と渋谷署は機動隊員ら約200人が出動して警戒にあたった。

 デモ参加者によると、行進の途中で機動隊員が盾で進路を規制したり、「早く進め」と押したりしたため、1人が「何をするんだ」と盾をけったところ、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。機動隊員ともみ合いになったもう1人も同容疑で逮捕された。

 ビデオによると、盾を押しながら、過剰な警備だと抗議した平和団体職員(39)に、機動隊員数人が一斉に飛びかかって逮捕。数人でけったりした後、上着を引っ張って上半身を裸にし、手錠をかけたまま両足をつかんで路上を引きずる様子などが約5分間にわたり撮影されている。

 記者会見に同席した内田雅敏弁護士は「明らかな不当逮捕と暴行による全身打撲。診断書もあり、法的対応を検討している」と話した。

 〈渡辺剣三郎・渋谷署副署長の話〉 デモ規制という正当な職務を妨害したので、法令にのっとって逮捕したまでだ。

・反戦・反基地運動を行ってきた団体である「立川自衛隊監視テント村」のメンバー3名が、「自衛官・ご家族の皆さんヘ 自衛隊のイラク派兵反対! いっしょに考え、反対の声をあげよう!」と書かれた反戦ビラを自衛隊東立川駐屯地の官舎戸別郵便受け(新聞受け)に投函して逮捕され一審無罪も東京高裁で有罪判決。

詳しくはここ

(参考)一審判決では、政治表現の自由を擁護し不当逮捕を批判していた。
事件からすでに2年が経とうとしている。事件は、陸上自衛隊の先遣隊がイラクへ出発した日の翌日2004年1月17日の昼間に起こった。その日、反戦・反基地市民活動グループ「立川自衛隊監視テント村」の市民3人が、防衛庁官舎の郵便受けにビラを入れて回った。ビラには「自衛官・ご家族の皆さんへ 自衛隊のイラク派兵反対!いっしょに考え、反対の声をあげよう!」と書かれていた。ところが、それから1ヶ月余り後の2月27日、3人は「住居侵入」で警視庁に逮捕され、5月まで実に75日間にもわたって勾留されたあげく、長期に渡る裁判闘争を余儀なくされてきたのである。
 昨年12月16日に東京地裁八王子支部で無罪判決が出されたのは当然のことであった。一審判決は「ビラの投函という形態は憲法21条1項の保障する政治的表現の一態様であり、民主主義社会の根幹をなすものである。」という憲法の理念を基本に据え、「政治的表現としてのビラ投函は、営業活動である商業的宣伝ビラの投函に比べて優越する。」として市民が自らの思想信条を表現する権利を堅く擁護し、「ビラまき自体は社会的によく行われていることであり、検察が“ビラの内容”で選別して公訴提起をしたことは否定できない。」として、警察による選別的摘発、自衛隊派兵に反対する市民団体への狙い打ちに対する危機感を表明していたのである。
ところが、今回の高裁判決は、このような一審判決の精神をことごとく踏みにじった。高裁判決が有罪の根拠としたのは「住居侵入」の一点のみである。宿舎の出入り口などに「関係者以外立ち入り禁止」との表示がされていたのに立ち入ったことをことさら重視し、表示があったことや、住民が1度抗議していることを、「3人の行為は管理権者の意志に反する」と述べ、「住居侵入罪」に当たると断定したのである。

 ・いままで逮捕した事例の無い車両法の条文を盾に予防拘束
 
  東京新聞 2007.8.28(火) 26面【特報】  
    世界陸上 開会式前に予防拘束?
    ホームレス支援者何故逮捕
    道路運送車両法強引な適用?

 警察に詳しいジャーナリストの大谷昭宏氏は「明らかに今回の逮捕は別件逮捕だ」と断言する。
「開会式から27日まで天皇、皇后両陛下が大阪に滞在した。これと関係する」という。
 戦前は天皇の行幸の際は地域の精神障害者らは予防拘束された。
 何らかの突発事件を恐れたからだ。今回の事件は当時と同じ発想に基づく。

(ヤメ蚊さんの意見)
 日本は、世界的にみても、一流の人権侵害国になってしまった。なぜ、公安が排ガス規制の法律で市民運動家を逮捕することを裁判所が認めるのか?そして、なぜ、裁判所の不当な決定について、マスメディアが一斉に警告を発しないのか?なぜ、市民が怒りを表現しないのか?光市母子殺人事件で、弁護団に怒りをぶつける人は、この警察、裁判所の横暴については、いかに考えるのか…。
 記事にも書いてあるとおり、逮捕のみならず、勾留までついたようだが、その判断をした裁判所は、一体、何を考えているのか? 関係者は、今回の警察、裁判所の横暴に対し、きちんと、責任を問うて欲しい。そうでないと、次の世界的イベントでは、他国がボイコットをすることになるに違いない。


この法(ルール)を守っていない権力者が「法」を盾にとり国民を弾圧してくる(国民もそれに乗せられる)懸念は本日の「津久井進の弁護士ノート」ここを読んで下さい。

(内容を少々抜粋)
コンプライアンスの本当の意味を理解せずに,やみくもに形式的な「法令遵守」を振り回すのはとても危険だ。

 この社会の雰囲気には,注意を要する。 

    ■不正かどうかを,形式的に簡単に決めつける
    ■悪いとなると,社会全体で一斉に袋叩きする
    ■それが一気に国民ヒステリーに高まる

という社会的な動きが,パターン化しつつあるとしたら問題だ。
(先の朝青龍の問題にも似たものを感じるが。) …抜粋終わり

考えが纏まらなくなったので今日はここまで。