goo blog サービス終了のお知らせ 

ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

ノリタケデザイン100年の歴史

2009-02-20 23:55:35 | 美術館・博物館
京都文化博物館で開催中の「ノリタケデザインの100年展」に行ってきました



ちょうど、マイブームがオールドノリタケ。
関西に巡回してくる時をとても楽しみにしておりました
オールドノリタケは、個人の方がコレクションされている本やデパートの
催事などで目にしますが、さすが本家のコレクションです。
苦労して完成した第一号のディナーセットなど、日本の洋食器の歴史そのもの
を鑑賞する事が出来ます

アメリカンスタイルの絵付けは、このオールドノリタケをお手本にして作り出され
完成したといわれています。
余白を残し、シャープに描かれたヨーロピアンスタイルのデザインとは全く違った
ふんわり、水彩画タッチのデザインはアメリカの方達を魅了したのでしょう

西洋の品が高価な明治時代。風景画、人物画などはドイツから輸入した転写紙
を使い、印刷された物ですが、日本の職人さんの手描きより、高価だなんて・・・・
印刷だとわかっていても・・・単眼鏡でどこをどう見ても・・・
印刷に付きものの、スクリーンの跡がありません。
この時代は、転写紙も職人さんの手作業だったそうです
丁寧に、丁寧に時間をかけてつくったのですね

細かな作業に感動しながらも、所々、「あ、ここで息を吸ったのかしら?」
と思われる箇所も。。100年前の職人さんの息づかいを感じます

デザインの見本帳も全て手描き。
今も色褪せなく美しいままなのは日本画の絵の具を使っているからなのでしょう
職人さんの丁寧な仕事を見ていると、いろんなアイディアが湧いてきました~

アトリエ・ラ・ヴィータ

ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展

2009-02-02 08:34:27 | 美術館・博物館
兵庫県立美術館で開催中の「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密展」に行ってきました
西洋絵画の中で静物画は一番好きなジャンルなのです



ベラスケス「薔薇色の衣装のマルガリータ王女」1653、54年頃
オーストリア、ハプスブルグ家に嫁ぐマルガリータ王女のお見合い写真
のような役目をした絵画です
ドレスのレース、カーテンや絨毯の模様は近くで見ても、ぼんやりとしています
大きな作品ですので、2メートルくらい離れて見ると・・・細部が見事に浮かび上がって
くるのです。ベラスケスはここまで計算して描いたのでしょうか!!


コルネーリス・デ・ヘーム「朝食図」1660-69年頃
朝食に牡蛎!?と不思議に思うのですが、世界中の富がオランダに集まった時代
ですから、こういう事もあったのでしょう。。。
レモンに牡蛎、この時代から相性の良い食材だったのですね!


静物画が中心で、マニア心をくすぐる内容です。
絵の印象が全体的に暗く、好みが分かれるかもしれません。
絵だとわかっていても、写真のように精密に描かれた絵は写真以上の
奥行きと立体感を感じます
持っているもの、置かれているもので人物や状況を特定する謎解きをテーマ
にした寓意画も多く、パネルにそれらの説明があっても良かったのでは?
と感じますが、「何が描かれてるのだろう??」とじっくり見る事で、楽しい
発見も!!(・・・たとえばエビが空を飛んでいたり!!)

瑞々しく描かれた果物、美しい花・・・創作意欲を刺激されています~

アトリエ・ラ・ヴィータ

第60回正倉院展

2008-10-22 13:39:42 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で第60回正倉院展が開催されます。(10月25日~11月10日まで)
今回は、縁あって正倉院展のお手伝いをする事になり、会期中は博物館に通う事になりました



今は、準備や研修のため、博物館に通い始め、裏方の様子を少しだけ感じる事が
でき、緊張しながらもワクワク。。
毎年、18日間の会期中、25万人以上の方が来館され大変混雑致します。
今年は10月30日に天皇・皇后両陛下のご来館が予定されていて、例年以上の混雑が
予想されています。
平日の4時以降はたぶん入場待ち時間無しで入館できるそうですので、
ご予定されてる方はこの時間帯がお勧め。
会場のどこかでお会いする事があれば、お声をかけて下さいね。

ポスターのガラスの椀、ササン朝ペルシャから伝わった品です
充分な梱包資材も無い時代、ラクダの背に乗せられ、はるばるシルクロードを旅して・・
唐の都からは船旅・・・割れる事も無く、奈良に伝わり、
1300年経った今、こうして私達が鑑賞する事が出来る・・・
というドラマチックな運命を持っています。現代の私達には想像できないくらい
時間と人々の想いが詰まっているのですね。
他にも瑠璃色、緑色の美しいガラスが伝わっていますが風化せず、美しい輝きが保たれ
ているのは、東大寺境内にある、<正倉院・正倉>のお陰です
高温、多湿の夏、寒く乾燥する冬の間も宝物を守り続けた工夫がみられます
大仏殿を焼き払った平家もさすがに正倉院には手を付けられなかったとか・・・


 
建物は一般に公開されていて、これくらいの距離から見る事ができます
(10月30日は休館日)

アトリエ・ラ・ヴィータ

「コロー 光と追憶の変奏曲」展

2008-09-21 23:06:13 | 美術館・博物館
神戸市立博物館で開催中の「コロー 光と追憶の変奏曲」展に行ってきました

コローは好きな画家なので、今までいろんな絵画展で見てきましたが
今回は、「コローの風景画を描きたい」という野望を持ちながらの鑑賞。
見える所が違ってます。
薄く絵の具を乗せている印象がありましたが、想像以上に厚塗りでした
透明感のある空、光り輝く雲、湿度まで感じられる森の風景・・・
厚塗りなのに、それを感じない柔らかな空気・・・
グレーをベースに、青を混ぜて午前中の光、黄色や茶を混ぜて午後の光
を表現している、コロー。
どうしたら、こんな風景画描けるのでしょうか?

この人物画は、髪の黒い色が、相当厚塗りで、ライトに照らされ、キラキラ
輝いて見え、まだ絵の具が乾いてない様にも錯覚してしまいます。


一番好きな風景画


ロイヤルコペンハーゲンが、この絵を転写印刷した陶板画を限定販売しています
3回焼成して、油絵の特徴である、絵の具の盛り上がりも再現できて、その上、印刷の欠点
であるインクのツブツブも無く、素晴らしい物でした
確か、約40万円??だったかと。。自分で描けば、労力だけで。。(ムリです!!)

「大三国志展」が関西国際文化センター(神戸市中央区浜辺通6)で開催されています
コロー展の会場のすぐ近くですので、鑑賞してきました。
(実は、諸葛亮(孔明)の大ファンです。ミーハーですが・・)
「三顧の礼」「赤壁の戦い」など有名な物語の場面ごとに展示が構成されて、
ミーハーの私でも、退屈せず、鑑賞出来て嬉しかったです。
いまだにフリガナが無いと読めない三国志ですが、また読み返してみたくなりました

アトリエ・ラ・ヴィータ



「鼻煙壺(びえんこ)1000展」と「オフィーリア」

2008-09-07 16:52:28 | 美術館・博物館
大阪市立東洋陶磁美術館
で開催中の「中国工芸の精華 沖正一郎コレクション-鼻煙壺(びえんこ)1000展」に行ってきました



あらゆる技法が駆使された、手のひらサイズの美術工芸品はさすが中国!
陶磁器、ガラス、貴石などで造られ、緻密で、丁寧で、美しく・・・
数の多さも相まって・・・クラクラします。。
ここの美術館は自然光が入る展示室があり、美術品の本来の色を見る事ができるのが魅力。
でもこんなミニチュアを見ていると、とても刺激を受けてしまい、
ムクムクと創作意欲が湧いて来るのです
絵付けを始めた頃からの友人と、「お米にバラ、描いてみる?」と話をした事があります
実際、試してみたら・・描けました。(笑)
人物画を描く時、まつげを描く為に作った、超極細筆を使用。
(細い筆を更にカットした、毛が数本しかない筆です~)
調子に乗って、次は「お米に般若心経に挑戦!!」
どう考えても、これは無理な話ですネ。





渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、
ラファエル前派の画家 ジョン・エヴァレット・ミレイ展が開催中です。代表作は「オフィーリア」
イギリスのテートギャラリーにあります
10年前、東京都美術館で「テートギャラリー展」があり、その時初めて実物を見る事が
できました。今回は残念ながら関西には巡回展はありませんので、図録を取り寄せて
満足しています。
この「オフィーリア」モデルさんをバスタブでポーズをとってもらい、描いたそうですが
モデルさん、大変だったことでしょう。。。苦悩の表情がお顔に・・・
その表情が正気を失って溺れる「ハムレット」の悲劇のヒロインのイメージそのもの。
・・この女性はロセッティ(ラファエル前派)の奥様になられたそうです。

もうすぐ、コローの風景画展が巡回してきます。
湿度や温度まで描き分けた、コロー。
いつの日か、コローの風景画をお手本に絵が描けたら・・・と願ってます


アトリエ・ラ・ヴィータ


アンカー展とルノワール+ルノワール

2008-06-15 12:35:15 | 美術館・博物館
美術館「えき」KYOTO (JR 京都 ISETAN 7F )で開催中のアンカー展~故郷スイスの村のぬくもり~に行ってきました

  

スイスの自然主義の画家アルベール・アンカー(1831‐1910年)の描く無垢な子どもたちの姿は、
日常生活の素晴らしさに満ちあふれています。
先月鑑賞して来た「ルーブル美術館展」とは両極にあるような展覧会です
普段着の子供達の何気ない仕草、生き生きとした表情。静物画もあたりまえの日常雑器ばかり。
まるで「アルプスの少女ハイジ」に登場しそうな子供達や風景に気持ちがほんわかして来るのです

また京都国立近代美術館では
ルノワール+ルノワール展が開催中です



印象派の巨匠ルノワール(1841~1919)と、その次男でフランスを代表する映画監督
ジャン・ルノワールのコラボレーションというのがなかなか面白い試みです
他の絵画展でも「あたりまえ」の展示構成ではなく新しい試みも増えてきました

アンカーやルノワールが活躍した時代・・・日本は明治時代・・・
上流階級の暮らしは格段の差があったと思うのですが、庶民の暮らしはどこの国も同じなんですね

アトリエ・ラ・ヴィータ

ルーブル美術館展

2008-04-30 20:26:36 | 美術館・博物館

神戸市立博物館で開催中のルーブル
美術館展に行ってきました
ルイ15世の寵愛を受けたポンパドゥール侯爵夫人やルイ16世の王妃マリー・アントワネットなど、
美を愛する女性たちが宮廷やサロンを彩り、ロココや新古典主義などの芸術様式が展開した
18世紀のフランス宮廷。
王侯貴族たちが特別に注文した装身具や調度品には、高価な材料と高い技術が惜しみなく用いられており、
フランスの美術工芸は、ここに頂点を極めました。
今回の展示はこれらの美術工芸品が中心です
私が気になったのは、中国の青磁や白磁の壺に金やブロンズで装飾を施したり、日本の漆蒔絵のパネルを家具に加工したりした物。
当時のヨーロッパの人々は、東洋の美しい美術品を目にして、何とか自国の文化様式に取り入れようと工夫したのでしょう。マリーアントワネットの漆コレクションはとても有名ですが、日本で造られた漆器がフランスの宮廷の調度品の一つだったなんて想像するだけで楽しいです。
きっと豪華な宮殿に飾っても見劣りしない存在感や格調の高さで貴婦人を魅了したのでしょう。嬉しいですね!
ゴールデンウィークですが、かなり空いていて満足に鑑賞する事が出来ました。
きっと、連休だから混む・・・と避けた方が多かったのでしょうか。
ミュージアムグッズ売り場、相変わらず「ベルバラ」関係の物があります!
このマンガが世に出なければ私達日本人女性はこんなにも「ベルサイユ好き」にならなかったかも。。。(笑)

アトリエ・ラ・ヴィータ

憧れのヨーロッパ陶磁

2008-01-06 12:13:56 | 美術館・博物館
京都国立博物館で開催中の憧れのヨーロッパ陶磁展に行ってきました



今日は、初日。そのせいかテレビや雑誌などでお顔を拝見したことのある方達のお姿も。
(紅茶、テーブルコーディネート、フラワーデザイン、お菓子、お料理などの先生方)
やはりひときわ華やかで目立ちますので、すぐわかります

西洋では中国の景徳鎮、日本の有田などをなひたすら模写し、それらを基礎にして
独特のデザイン、パターンを考え出し、今私達が目にする洋食器があります
明治維新後、「やきもの」先進国だった日本は西洋で花開いた素晴らしい陶磁器に
魅了されまだ見ぬ異国に憧れを抱く様になりました
当時輸入された物は銅版転写(印刷)された大量生産品が多く、今回の展示会でも
これらが数多く出品されています
なかには現代に受け継がれているデザインも多く、その事に驚きました
同じ印刷でも、現代の物に比べると100年前の物の方がまだ手作りの暖かみを感じます
これがアンティークの魅力なのでしょうね!
アンティークにハマる人の気持ちが少しわかるような・・・・
現代でも手描きされてるマイセン窯、ベルリン窯なども100年前の物は時間をかけて、
丁寧に仕上げている様子が伝わってきます。

新館で同時開催の若冲を愉しむも鑑賞出来きました。
今回の展示は水墨画が多く、有名な動植綵絵のような華やかさはありませんが、
若冲の魅力が充分堪能できます

アトリエ・ラ・ヴィータ

国立ロシア美術館展

2007-12-17 23:42:06 | 美術館・博物館


サントリーミュージアムで開催中の国立ロシア美術館展に行ってきました。東京富士美術館の企画という前評判通りの充実した内容です。ロシア美術はカンディンスキー、シャガール達が有名ですが、18世紀後半~20世紀前半のロシア美術をじっくり鑑賞したのは初めてなのです。。
北の大地の冬は想像以上に長く厳しいのでしょう。風景画には冬景色の中にも春を待ちわびる思いが描かれ、それがヒシヒシと伝わって来るほど。
肖像画は着飾った王侯貴族たち、彼等の日常を描いた絵だけでなく、庶民の日常、物乞いをする貧しい子供達をテーマにした絵など、鑑賞する私達に様々な事を語りかけて来てくれる内容でした(気持ちが暗くなるテーマも・・)
帝政ロシアの黄金時代・ロシア革命・社会主義時代・・・社会の大きな変動期にも美術品は大切に守られて、こうして現代の私達が目にする事ができるのですね。

BIOMBO/屏風 日本の美

2007-11-18 00:24:27 | 美術館・博物館
大阪市立美術館で開催中の
BIOMBO/屏風 日本の美 ~日本人の誇り・黄金の文化遺産~ に行ってきました



絵付け教室の知人から「良かったよ!おススメ!」と教えて貰い、早速出かけました。
評判どおり、楽しくて、愉快で、驚いて、感心したり・・・中でも一番はオスマン帝国とローマが戦ったレパント海戦の様子を描いた屏風や当時の世界地図が描かれた屏風。
日本に来ていた宣教師達から西洋人の姿を想像して、わずかな資料を参考に武器、武具、甲冑、などを描いた当時の絵師の力量に改めて感心しました。
世界地図には・・人魚も描かれていて・・・古くから人魚伝説はありましたが、ここに描かれているのは、現代人がイメージする人魚です。
海外に流失した屏風の里帰りも実現し、右隻・左隻が揃った状態で見る事が出来るのも魅力。
大きな画面を持ちながらコンパクトに折り畳む事ができ、持ち運びも簡単な屏風。
日本人はいつの時代も身の回りの道具に創意工夫を凝らして、四季折々の生活を楽しんで来たのですね
農作業の風景が描かれてる屏風にはツバメたちが飛んでいます~
この時代も人間と仲良く暮らして居たのネ。。。ツバメたち。。。

アトリエ・ラ・ヴィータ(磁器上絵付け教室)はこちらから