goo blog サービス終了のお知らせ 

ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

華麗なる・・・

2010-03-06 15:09:15 | 美術館・博物館
神戸で開催中の華麗なるオーストリア大宮殿展に行ってきました。
(ちょっと照れくさくなるようなタイトルですね)
サブコピーは「ハプスブルク帝国の栄光」!!


1月、京都で見て来た「THEハプスブルク」とはコンセプトが全く違い、楽しめました
「THEハプスブルク」は重厚な絵画が中心でしたが、今回は、肖像画などの絵画をはじめ、
家具調度品、調理器具、食器、アクセサリー、などの展示が豊富です。
皇帝が使っていたという熊手、スコップなどの園芸道具も展示されていて、
普段の生活を垣間みる事もできます
会場内で上映されているビデオにはエリザベートがつかっていたトレーニングルームの映像。
172センチ、53キロ、ウエスト50センチの秘密はこれだったのですね!



アクセサリーはマリー・アントワネットの遺品だそうです

宮殿内部は写真で紹介されていますが、やはりウィーンに行って見学したいですね。
以前、テレビで、シェーンブルン宮殿の一部はアパートとして民間人に貸し出してる、
と紹介があり、、、羨ましい限りですが、それなりに制約もあるらしく、
不便らしいとの事。・・・でも一度、住んでみたいものです。。

私が行ったのは、平日の10時過ぎ。既に会場内は混雑していて、
会場を出た12時頃には入場待ちの行列。。
会期は3月28日まで。会期末は大変な混雑が予想されますのでお出かけを予定
されてる方はどうかお早めに!!
(歩いて10分の三ノ宮駅まで並ぶこともあるそうです)

アトリエ・ラ・ヴィータ

THE ハプスブルク

2010-01-07 14:12:44 | 美術館・博物館
京都国立博物館で開始中の「THE ハプスブルク」に行ってきました。




明治時代に建築された、美しい建物。

展示は、明治天皇がオーストリア・ハンガリー二重帝国に贈った、
蒔絵棚と画帖から始まります
その跡、デューラー、ベラスケス、ルーベンス、ラファエロ、ティツィアーノ、
ゴヤ、クラナッハ・・・
教科書で見た事や聞いたことのある有名画家の絵がずらり!
「ベラスケスもデューラーもルーベンスも、わが家の宮廷画家でした」
といったところでしょうか。



今回の一番人気は、なんといってもヴィンター・ハルターのエリザベートの肖像画でしょう。
あまりにも有名な絵ですが、本物を見たのは初めてです。
絵もとても大きく(高さ2メートル以上?)ドレスの美しさにうっとり。きれいでした。
一般に肖像画は実際より美しく描かれるものですが、写真のエリザベートと同じなんですね



チケットにも使われている、ベラスケスのマルガリータ王女
クリクリの巻き毛、バラ色のほっぺ。かわいらしいです。
6年生の姪と一緒に行っていたのですが、この絵の前で「マルガリータ??ピザ??」
と大きな声で聞いてきます。。。会場は一瞬、静まり、その後、皆さん笑って下さり、、、
本人は何で笑われているか、ちんぷんかんぷん。私は恥ずかしかったです。。
19世紀、イタリアのマルガリータ王妃の名前をピザに付けたそうです
イタリア国旗と同じ配色(赤・白・緑)になっています。と姪に説明しました。

その後、ルーベンスの絵の前で、「ルーベンス??フランダースの犬?」
と一人で喜んだり。。子供の新鮮な感性はステキです。

マルガリータ王女、成長するに従ってどんどん面長になっていきます
ハプスブルク家の特徴ですね。



メラーのマリア・テレジア
あの恰幅の良い女帝も若かりし頃はこんなに可憐で華奢だったのですね
この絵は何度も見た事がありますが、最初、17~18歳?と思っていたら
なんと11歳!!大人っぽく描かれているのでしょうけど、女帝としての風格が
伝わってきます
それにしても・・・尋常ではないウエストの細さです


ヤン・ブリューゲル(父)の風景画
濃厚な宗教画や肖像画の中に、こんな風景画を見ると、ほっ、とします
この時代に自然な風景画は珍しいですね

大好きなジョルジョーネ、デューラー、ヴィンターハルターの絵、
もっと見たくなりました。
最近、絵画保護の為のガラス等を無くした展示が主流なので、嬉しいのですが、そのため
今までより会場が暗く、冬でも暖かくありません。
独り言です。。(もう少し明るくしてほしいな・・・)


最後になりましたが、今年も宜しくお願い致します


3月、神戸で開催される華麗なるオーストリア大宮殿展も今から楽しみです!

アトリエ・ラ・ヴィータ

司馬遼太郎記念館

2009-12-27 22:03:14 | 美術館・博物館
NHKのドラマ「坂の上の雲」に影響されて、東大阪市にある司馬遼太郎記念館に行ってきました。
安藤忠雄建築らしく、コンクリート打ちっぱなしの外観です。

  

記念館は司馬遼太郎の自宅敷地内に建てられています。
この書斎で数々の名作が執筆された、と思うだけで気持ちが昂ります




展示室に入ると、大書架に圧倒されます。整然と蔵書が並べられた様子は壮観!
約2万冊もの本が展示されています
ご自宅には6万冊もの蔵書が保管されているそうなので、ごく一部なのですね
思わず、同じ本を持っていないかしら?と探してみたり。。。

美術雑誌や工芸関係の本に度々、紹介されていた「白いステンドグラス」
色ガラスを使わなくても、とても美しく、穏やかで柔らかな光は間接照明
のようです。この光の元で本を読んだら目が疲れない、、と思う程。
雨の日は、濡れたガラスが一層美しく見えるそうです。

  

ドラマ「坂の上の雲」をテーマに、数々の資料が展示されています
渡辺謙のナレーションでお馴染みの「まことに小さな国が開化期を迎えようとしている・・・」
小説の冒頭部分の手描き原稿が展示してありました。
推敲を重ねた跡があり、この一節を産み出した瞬間が目の前に広がります
なんでもパソコンで作り出して行く今の時代は「結果」が残されますが、手書原稿は
製作過程を垣間みる事が出来、それがとても魅力です。
来年は「坂の上の雲」また読み返してみようと思ってます。

最後になりましたが、皆様、良いお年をお迎え下さいますように。。

アトリエ・ラ・ヴィータ

ボルゲーゼ美術館展

2009-12-08 15:51:45 | 美術館・博物館
京都国立近代美術館で開催中のボルゲーゼ美術館展に行ってきました



私にとってボルゲーゼ美術館といえば、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ。
彼の彫刻は大理石から掘り出しているとは思えないほど柔らかい人間の体を表現してます
日本で開催のニューズを聞いて、「 アポロとダフネ 』と『 プロセルピナの略奪』 どちらかでも
来て欲しい!と願っていましたが、想いは届かず、、、

  
  左がプロセルピナの略奪     右がアポロとダフネ

今回、来日したのは「枢機卿 シピオーネ・ボルゲーゼの肖像 」でした


シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿。
最初はがっかり、という気持ちでしたがこの胸像の前に立つと体温まで感じられるような
生き生きとした表情に圧倒されました
今日のボルゲーゼ美術館のコレクションの基礎になっているのは、このボルゲーゼ枢機卿が
収集した素晴らしい古代彫刻の数々とルネサンス美術の作品群、
そして彼の生きたバロック時代の彫刻と絵画です。
「歪んだ」と意味を持つバロック。歪んでいるから焦点が定まらず、見る角度によって
様々な見え方が出来ます。
美術の世界と同じでバロック音楽も劇的でドラマチック。
(時には、笑ってしまう程、非日常的で芝居掛かっています)
とても濃厚な世界なので、時には飽きてしまうのですが、また、この世界に触れてみたく
なる魅力を持っているのです

やはりイタリアに行くしかないのね。。でもボルゲーゼ美術館って完全予約制。
大理石で飾られた白亜の館、是非訪れてみたいです

アトリエ・ラ・ヴィータ

第61回正倉院展

2009-10-12 23:09:31 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で開催中の「第61回正倉院展」に行ってきました。
今年は、天皇陛下ご即位20年記念という事もあり、名品揃いです




美しく装飾された琵琶、この琵琶を奏でた音色がスピーカーから聞こえます
千年以上の時を経ても演奏できる事ができるのは驚きです
どこか悲しげな琵琶の音色、とても心地良い響きでした
こういった演出はとても嬉しいですね


駅に貼っていたポスター。右は鏡の装飾。



花枝を喰わえている鳥はオシドリ。
とても、おめでたい模様だそうです。
今回の展示品の装飾は鳥モチーフが多く、「この鳥は何?」と考えながらの鑑賞も
楽しい一時でした
カモ、ツル、スズメなど現代でも一般的に見る事ができる鳥、珍しいヤツガシラ
また、中国南部やベトナムに生息するサンジャク、想像上の鳳凰、、、
豪華で美しい工芸品を堪能したあとは、毎回楽しみな古文書。

華麗な美術品に比べると、地味な古文書ですが、毎年楽しみです。
今年は、書写、校正の仕事に就く役人の仕事ぶりがわかる古文書がありました。
コピーが無かった時代ですから、ひたすら人の手で書き写さなければいけません
役人達の引継ぎ書もあり、今の時代と同じような手順で仕事を進めていたのだと
想像できます。
事務処理の基本は千年以上変わっていないのね、、、

また、写し間違い、誤字脱字が見つかると、減給、減棒されたようで
その明細を書き記した古文書も。
部下がミスをすると、その上司までも減給されているようです。
宮仕えの悲哀を感じますね。(今も昔も同じ!)
お給料減らされた、役人達の気持ちが伝わって来るような、臨場感です

これから、見に行かれる方は10月中の平日4時以降がおすすめです
11月になると平日も休日も関係なく混雑します
また、いつもの年は、最終日の午後も空いているのですが、今年は12日の最終日
が入場料無料となっていますので、様子が違うと思います。ご注意下さい
(ご即位の日です)

アトリエ・ラ・ヴィータ

伊藤若冲

2009-10-12 22:38:55 | 美術館・博物館
滋賀県信楽にあるMIHOミュージアムで開催中の
「若冲ワンダーランド」に行ってきました


若冲を知ったのは平成10年、東京国立博物館で開催された「皇室の名宝展」
で見た「動植綵絵」(どうしょくさいえ、動植物を描いた彩色画という意味)
との出会いがはじまりです



これ以上、描けないというくらいの精密画、なかでも美しいニワトリに圧倒されました
クジャクより美しく、魅力的なニワトリ。
こんな種類のニワトリが居るなんて!
動植綵絵は30幅ありますが、展示替の為、10幅しか見る事ができません。
皇室御物になっているので宮内庁・三の丸尚蔵館蔵にも通ったのですが、
やはり全幅揃って見る事は・・・無理。。。

ようやく2007年、京都・相国寺境内にある承天閣美術館で
動植綵絵全幅を鑑賞する事が叶いました
明治になって廃仏棄釈運動の為疲弊した相国寺は寺の復興の為、動植綵絵を
皇室に献上したという歴史があります
本来、有るべき場所での展示ですので、感激!!
この若冲ブームのお陰で、未発見の絵画が次々と発見されてゆきます

今回の「若冲ワンダーランド」でも最近、発見された、屏風が展示されています
私自身、江戸絵画といえば、、、浮世絵と尾形光琳くらいしか知りませんでしたが、
酒井抱一、円山応挙、蘇我蕭白、長澤廬雪、、、その他多くの画家を知るきっかけ
になりました。

ブーム・・・一時的な現象でもそれを機に色んな事に興味を持てるチャンスでもあるわけですね

MIHOミュージアム



周辺の景観との調和を大切にしていて、建築容積の80パーセントを地下に埋没
させた美術館です。
コンクリートと鉄を組合せて、直線、曲線を美しい幾何学模様をデザインしています

久しぶりの信楽。
窯元巡りも楽しく、かわいい狸もあちこちに、、、
・・・酒器をあれこれ買ってきました・・・
アトリエ・ラ・ヴィータ

プチファーブル・熊田千佳慕展

2009-09-19 23:31:20 | 美術館・博物館
京都・高島屋で開催中の99歳の精密画家・熊田千佳慕展(くまだちかぼ)に行ってきました
  

ライフワークとされていた「ファーブル昆虫記」の完成を待たず、
今年の8月、98歳の生涯を全うされました
かぞえ歳で99歳になるまで、写実に徹した細密画を描いておられたのです
絵を描く時、観察する時、眼鏡は必要なかったそうです
見えていたのだと思うのですが、きっと曇りの無い「心の眼」をお持ちだったのだと感じます
熊田さんは「見て、見つめて、見極める」・・・
描く対象を「見極めて」から描き始めるのだそうです
この言葉は絵を描いている私達に残して下さった宝石のような言葉です

今年の初め、蝶の絵を描きたくて、参考になる児童書を探していた時、熊田さんの絵本に出会いました

「みつばちマーヤの冒険」
子供の頃、大好きな物語で繰り返し繰り返し、読んだ覚えが有ります
熊田さんのマーヤは赤いリボンを付けて、とても愛らしく、早速、本を注文!
すっかり「ツボ」にはまっちゃいました~

資料を整理していると・・・熊田さんの絵だと知らずに集めていた作品も
たくさんありました。

熊田千佳慕、本名は熊田五郎。
画号は「千人の佳人に慕われる」・・・という意味。
・・・・・・とてもロマンチストなのですね~
今頃、天国で、ファーブル昆虫記の続きを描いておられる事でしょう。。。
千人の佳人に囲まれて・・・きっと虫達に囲まれて・・・でしょう・・・

アトリエ・ラ・ヴィータ

エカテリーナ2世の四大ディナーセット

2009-09-13 21:16:21 | 美術館・博物館
大丸心斎橋店で開催されているエルミタージュ美術館所蔵~エカテリーナ2世の四大ディナーセット~に行ってきました。

エカテリーナ2世のために作られた晩餐会用の、
豪華絢爛なディナーセットのコレクションが展示されています
“セルヴィス” って?? 調べてみたら・・・
器形、絵付けデザインに統一をもたせた食器セットのこと
だそうです。
実際に使われていた訳ですから、洗う係の人も居たのですよね!?
とても、緊張した事でしょう!
もし、割ってしまったら・・・
番町更屋敷のお菊さんのような、お仕置き受けたのかしら??と
妄想しながら、見学。



カメオ・セルヴィス
セーブル王立製作所で作られたセット


フランスらしい優雅な印象です

「ベルリン・デザート・セルヴィス」
ベルリン王立磁器製作所で作られたセット


「グリーン・フロッグ・セルヴィス」

これは、ウェッジウッドに注文し、作らせたもの。
全944品からなるセルヴィスには、それぞれ風景画が絵付けされています。
そのどれもが別の風景を描いたものだというから、何とも凄い。
今の様にプリント製品を展開する前の手描きのウエッジウッド。
貴重ですね

「聖ゲオルギー・セルヴィス」

“聖ゲオルギー” とは、ロシアの最高位の勲章の名前。
その勲章を授与された物を祝うための晩餐会で使われていました

エカテリーナは世界で初めての女子校を創設した事でも有名です
エルミタージュ、・・・「隠れ家』という意味の美術館。
一度は訪れてみたいです

アトリエ・ラ・ヴィータ

ルーブル美術館展(京都)

2009-08-28 17:23:40 | 美術館・博物館
京都市美術館で開催中の「ルーブル美術館展~17世紀ヨーロッパ絵画~」に行ってきました。
出かけたのは一カ月も前なのに、今頃ブログを書いています。。。(反省)

今回一番の話題作フェルメールの作品
小さな作品ですが、絵に奥行きと広がりを感じます
女性が編んでいるレース・・・完成品を見てみたくなります・・


フェルメールより私が見たかったのは、、、
  

左がラ・トゥールの「大工ヨセフ」右がシモン・ヴーエ「エスランの聖母」
ラ・トゥールは「光と陰」をとても効果的に描いています。
唯一の光源はろうそくの灯りですが、直接描かれる事は無く
幼いキリストの手に隠れています。暖かな灯りから透けて見える手。
写真より現実味を感じます
聖母マリアが手に持っているのはナラの小枝。「力と忠実」を現すそうです
お二人で、こちらを見てくれているのが嬉しい!




大好きなクロード・ロランの風景画
17世紀の風景画は現実を再現するのではなく、理想の風景を描く事が一般的でした
細部まで計算された人物や物の配置、光の色を決めて居るため、堅い印象を受けます
風景画、とはいえ、絵の具を持ち歩く事が出来なかった時代ですからアトリエから
出る事が出来なかったのです。
その後、印象派の画家達が屋外に出て自由に風景画を描ける様になるのは
産業革命でチューブに入った絵の具が作られたお陰なのです

展示数は約70点ですが、重厚な絵画が多く、見応えがありました

アトリエ・ラ・ヴィータ

ルーヴル美術館展(大阪)

2009-07-26 00:01:48 | 美術館・博物館
国立国際美術館で開催中の「ルーヴル美術館展~美の宮殿の子供たち」に行ってきました。
「ルーヴル」という事で混雑を覚悟していたのですが・・・予想外にゆっくり鑑賞する事が出来ました。
一般的に「ルネッサンス」「バロック」「ロココ」など、時代様式をテーマにした美術展が多い中、
時代様式、ジャンルを超えて「子供」に焦点を会わせた内容です

一番見たかったのが彫刻部門の「悲しみにくれる精霊」
チラシやチケットの半券になっていて、「この子供、どうしてこんなにも真剣に泣いているのかしら?」と興味津々!

泣いている理由は・・・わからなかったです。。

絵画部門は、かわいい女の子だと思っていた、「マスター・ヘア」

18世紀イギリス上流階級の習慣で、ある年齢になるまでは女の子の格好をして育てたそうです
突然、男の子の格好をさせる事で「男らしさ」を意識させるためだとか。

古代オリエント部門からはおもちゃです

それぞれ台車に乗っていて、思わず、コロコロ・・・と転がしてみたくなります~
この時代にガチャポンがあったなら・・・絶対欲しい!!と時空を超えて空想してる私。

展示数は200点以上有りましたが、盛りだくさんの内容で、見飽きる事がありません
このような切り口の美術展はこれからも開催して欲しいものです
(次回は京都で開催中の「ルーヴル」でブログの更新が出来そうです)

アトリエ・ラ・ヴィータ