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ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

第58回伝統工芸展

2011-10-19 22:10:57 | 美術館・博物館
毎年楽しみにしている「伝統工芸展」
今年も見てきました
(写真は協会HPからお借りいたしました)


受賞作品の中で特に印象に残っているのがこの3作品
「縄文」というタイトルの花かご
透け感のある竹細工なのに、縄文土器のようなおおらかさ
力強さがかんじられます

沈金の飾箱「緑風」
夏の強い日差しを避けて日影で羽を休める糸トンボ
シルエットなのに生き生きとしていました



一番好きな作品
截金飾箱「皓華」(きりかね飾り箱・こうげ)
細く細く切ったプラチナ箔を使って雪を表現されてます
作者は、なんと、4人のお子さんのママさんです
アトリエはリビングのテーブルだそうです。
截金細工の人間国宝でいらしたお母様の技を受け継いで
いかれることでしょう



どれもこれも素晴らしくて、気がついたら2時間以上
過ぎていました。
毎年、会期が短いので残念です。

アトリエ・ラ・ヴィータ

千年の彩

2011-08-14 00:03:26 | 美術館・博物館

京都・伏見の「染司 よしおか」の「日本の色 千年彩」展
に行ってきました

この吉岡家、かの宮本武蔵と深~い縁があります
剣術の道場を営んでいた吉岡家とはライバルだったそうです

自然界の植物の花、実、根、樹皮などから色を汲みだし
糸や布を染めるという技術は、手間がかかります
簡単な科学染料を使うのは仕方ありませんが、一度途絶えた
技術は、取り戻すのが大変。
それを大事に守り伝えておられます

染色の技術、奈良時代が最高だったといわれています

染色の中で一番好きなのは「紅花染め」
赤い染料の紅花は山形の特産ですが
実は、奈良でつくっている「あるもの」が無ければあの
美しい紅の色は産まれないそうです

このお話は次回・・・








アトリエ・ラ・ヴィータ

東大寺本坊 襖絵 

2011-04-09 08:41:37 | 美術館・博物館
小泉淳作画伯の襖絵は・・・
言葉で言い表せない程でした

昼前後は120分待ち! 2時間ってこと!!
夕方には混雑も解消されるとの事でしたので、二月堂、戒壇院、大仏殿、
をお参りして、鹿と遊んで・・・3時半頃、それでも40分待ちの列に並びました

入場待ちに列の周囲の方はほとんど遠方からの個人旅行の方でした
私が一人なので自然に話しかけて下さり、周囲のグループ同士、話が弾みます
「気持ちが暗く、沈んでいたけど、思い切って出かけて良かった」
「関東は余震も多くて睡眠不足だったけど、久しぶりに熟睡できた」
という話が聞こえてきます

私も自粛が萎縮になってしまっていたのに気づきました。

公園の芝生で遊ぶ子供達。
鹿と戯れる観光客。
いつ訪れても変わらない奈良。
ようやく私も日常を取り戻せました。

待ち時間も長さも気にならないほど、楽しい時間を持つことができ
ようやく、会場へ

蓮池の襖絵は迷いのない線に改めて感動いたします
つぼみ、咲き誇る花、散りかけの花、咲き終わった花・・
つややかな蓮の葉
蒸し暑い夏の蓮池に涼しい風が吹き渡るような空気感です

渡り廊下を歩きながら見える庭も手入れがされ過ぎず、いい感じです

桜の襖絵は、お庭の桜とお互いが呼応しあってるような臨場感です
会場になった「東大寺本坊の桜」と奈良県宇陀市にある「又兵衛桜」
「吉野の桜」が三面の襖に描かれています
私も、周囲の人たちも庭園の桜と描かれた桜を交互に眺めて・・
なんて贅沢な時間なのでしょう!

高島屋で見た時とは全く別の絵のようです
「本来在るべき場所」で鑑賞できた事に感謝いたします

少し前、NHKの日曜美術館で小泉淳作画伯のお人柄に触れることが
出来て違う「見方」ができたことにも感謝です

画伯の印象的な言葉

「絵を描くというのは賽の河原に石を積むようなもの」
「絵の完成はどこで自分を許せるか、という事」
「1000年後の人達に名も無き人が無心の境地で描きあげた絵だと
見てほしい」(サインをされておられません)



樹齢300年になる又兵衛桜(写真は観光協会からお借りいたしました)
濃いピンク色の桃の花との競演が美しいです
(小泉画伯はこの桜を写生して描かれたそうです)








アトリエ・ラ・ヴィータ

大和文華館

2011-01-21 16:31:49 | 美術館・博物館
去年に続いて、大和文華館に行ってきました
今回のテーマは日本工芸

お目あては可愛らしいオシドリの香合

香合はたくさん展示されていたのですが、香炉が一つも無いのは??

お庭の木はすっかり落葉していて・・・


大きな、朴(ホウ)の木に下に落ちていた葉を頂いて帰りました
もちろん、朴葉味噌を作って食べる為です~


(写真は飛騨高山観光協会様からお借りいたしました)

朴の木はモクレン科の落葉高木。モクレンのような白い美しい花が咲きます
葉の大きさはで大きいもので長さ30センチ幅20センチぐらい。
香りが良くて、殺菌作用があり、火にも強いのです
器具や資材の乏しかった昔は食べ物を包んだり乗せたりするのに格好の包装材やお皿として
使われていたそうです。
今でも十分役に立っていますね!!
お酒を呑まない私ですが、少し焦げたお味噌が大好きで家族との争奪戦にいつも勝利。

寒いこの季節、ここを訪れる楽しみの一つでもあります



早咲きの梅が咲いていました。紅冬至という名前だそうです
・・・ヒヨドリとメジロが花の蜜を狙っていました・・・

アトリエ・ラ・ヴィータ

大和文華館

2010-11-24 08:49:57 | 美術館・博物館
奈良市にある大和文華館に行ってきました
何度も訪れている場所ですがNHK「日曜美術館」に取り上げられてびっくり!
・・だって全国放送されるような美術館だとは思っていなかったのです。。
収蔵品だって、お金持ちがその財力で集めただけの美術品だと思ってました。
放送を見て、近畿日本鉄道の社長が「日本の復興には文化の力が必要」と
終戦の翌年(昭和21年)に開館を決意したそうです
素人の勝手な思い込みでした。反省してます・・・

昭和35年に開館して今年で50年になります

手入れの行き届いた里山のようなお庭を散策しながら美術館に向かいます
ここに来る特、双眼鏡は必需品!
この日もエナガ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、ヤマガラ、ヒヨドリ・・・
そして、はるばるロシアからのお客さま、ジョウビタキ、ツグミ達。
なかなか入り口にたどり着きません。。



この奥が美術館


リニューアルされた館内はミュージアムショップが充実していました。

ニューアル記念の展示会は今回が「絵画」

来年は「工芸品」を見る事が出来ます
小さな・小さな・色絵おしどり香合 野々村仁清作
持って帰りたくなるほど可愛らしいです




アトリエ・ラ・ヴィータ

花鳥画展

2010-11-01 22:50:08 | 美術館・博物館
奈良県立美術館で開催された「花鳥画 中国・韓国と日本」に行ってきました。
今回の展覧会は、7世紀から19世紀の美術品を、花や鳥などの動植物を描いた
美術工芸品を中心に構成されています。
中国・韓国・そして日本の美術作品を並べることで、日本の美術が、両国から影響を受け、
その伝統の上に立ちながら、独自の創造を為していく様が見て取れます。
作品の数も多く、前期/後期の展示変えもあり、とても見応えある内容でした


初めて鑑賞できた伊藤若冲の作品もあって嬉しかったです!



アトリエ・ラ・ヴィータ

第62回正倉院展

2010-10-23 23:53:57 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で開催中の「第62回正倉院展」に行ってきました。
今年は、遷都1300年のお祝いという事もあり、出陳される宝物の豪華さに
驚きました。
なんと言っても螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)
現代、演奏されてる琵琶は四絃です。五絃琵琶はインドが起源だそうですが
現存しているのは世界でもこの品だけなんだそうです
昭和20年代の調査の折り、実際にこの琵琶を奏でた音色が録音されていて
会場内で聞く事ができます。「聖武天皇も同じ音色を聴いてたのかしら?」
と思うと、気分は天平時代♪
(絃が一本多い事で音域が広いと会場内で説明を聞きました。)
正倉院宝物随一といわれる、この琵琶を観る事が出来なかったらお墓まで後悔を
持って行く事になってたと思います。

宝物は全てガラスケースに入っているのですが、ガラス越しに見ている気がしません。
人影がほとんど写り込まない素晴らしいガラスが使われているのです。
まるでガラスが無いように感じられる為、頭やおでこをぶつけてる方があちこちに。。

身分の高い女性用の靴は豪華な刺繍が施され、飾りのお花も付いていて・・・
バレエシューズのように可愛く、女性の好みって今も昔も同じなのね。と思っていたら
当時の女性のファッションセンスというより、高貴な身分の証なんだそうです。


また今の千葉県鴨川あたりから税として納めた絹布も展示されていて、その記録が
きちんと残っているのにも驚きですが、今、私達が納めた税金は1300年後、
どのような形で残っているのでしょうか・・・?
いえ、きっと残っていないと思うのです。。。

最後は、毎年のお楽しみ・古文書です
住民台帳などもしっかりしていて、家族構成、子供が産まれた、死亡したなどの記録が
細かく記載されているのです
また、免税制度もあった事もわかります。
お役所制度の基本はこの時代に基礎が出来ていたのですね
試行錯誤しながら苦労して形を作り上げてきた当時の人達の努力は
大変なものだったと想像できます

正倉院展は11月11日まで開催されます




アトリエ・ラ・ヴィータ

再び・・熊田千佳慕展

2010-09-19 23:27:47 | 美術館・博物館


プチ・ファーブル「熊田千佳慕展」は昨年、京都で開催されていて・・・
始めて見る原画のぬくもりに感動した事を今でも覚えてます
あれから一年。今年もまた愛情溢れる虫、小鳥、花・・・の絵を見る事ができました
(心斎橋の大丸ミュージアムで開催中です)

熊田さん、天国でファーブル昆虫記の続き、どこまで描けたのでしょうか?
大好きな虫たちに邪魔をされて、筆が進まないででは??

11月にはNHK「日曜美術館」で特集されるそうです。

アトリエ・ラ・ヴィータ




国立博物館へ

2010-09-12 11:44:26 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で開催中の「至宝の仏像」「仏像修理100年」を観てきました

ちょうど、奈良公園内の文化財がライトアップされていて、昼間とは違った印象の
公園を散策して・・私達は楽しいのですが、鹿達はちょっと迷惑かもしれませんね。
でも、ちゃっかり、鹿せんべいをおねだりする鹿も多くて、鹿達もいろいろ・・・
今年産まれたバンビちゃん達にも会えました。
中型犬くらいの大きさで・・・誘拐したくなるくらい可愛いです。
だっこして車に載せてお持ち帰りできそう。。。




国立博物館・本館 


東大寺・大仏殿


博物館の内部・この場所は休憩室になっています




明治時代に建築された建物ですが、この空間と仏像が不思議に溶け合います

「至宝の仏像」
以前は、ただ、並べてるだけ、という展示方法。外観同様、中もレトロな昔のまま。
照明も寒々とした蛍光灯。この中で仏像を鑑賞していると・・・背中に何やら気配を
感じたり・・さっきはこんなお顔してた???(ゾクゾク)・・と・・・こんな博物館
でしたが・・・改修後、ライティングが大きく変わりました。
仏像は完全に美術品としての展示になり、ライトで浮かび上がる陰影によって今まで
観た事のない表情の仏達。。
照明の効果は大変なものですね。。でもどうせなら、お寺のように「ろうそく」だけの
灯りで観てみたいものです。(お香を炊いていれば一層、効果大)

「仏像修理100年」
どちらかといえば、あまり期待はしていませんでした。。が。。
でも、複雑なパーツを解体して元通りに組上げて行く、作業。
現代のように最新機材に頼れない明治~昭和、スケッチして、メモして、、、
気の遠くなるような作業の資料を見て行くうち、文化財を後世に少しでも良い状態で
残しておきたい、と熱意を持った人達の「想い」が伝わって来て、じ~ん・・と
目頭が熱くなってきました。
奈良に住んでいると毎年のようにどこかのお寺で建物の解体・修理が行なわれて
いる様子を目にします。
見学会に足を運ぶと宮大工さん達の仕事を真近で見る事も出来ますし、話も聞く事が
できるのです。 唐招提寺・金堂の修理中の見学会に行ったときの事ですが、、
若い大工さんが「100年後の人達に平成の時代は素晴らしい仕事をしていた」
と自慢できるよう頑張った。話をされていたのを思い出します
実際、江戸時代の修理の時、関わった職人さん達の名前が誇らしげに書かれている
板もあるそうなんです。
建設会社のCMで「地図に残る仕事」というコピーがありましたが、まさに
「歴史に残る仕事」ですね。




美術展好きの日本人

2010-06-01 16:53:24 | 美術館・博物館
日本人は世界一、美術展が好きなんだそうです
2009年に世界で開催された美術展の入場者数ランキング(1日当たり)では
日本の施設が開催した特別展が、上位4位までを独占しました。

トップは東京国立博物館の「国宝 阿修羅展」で、1日平均1万5960人が入場
2位は奈良国立博物館の「正倉院展」
3位は東京国立博物館の「皇室の名宝-日本美の華」
4位が国立西洋美術館(東京)の「ルーヴル美術館展」

この結果に驚きますが、ルーブル以外は日本美術だというのが嬉しいです~
私自身、この4位までの美術展のうち「皇室の名宝展」以外は見に行ってますし。。
見に行ってなくても展覧会図録は通販で買っています!
かなりのミーハーです。。
それにしても阿修羅人気は健在です
知人に奈良を案内する時は、今まで必ず興福寺「阿修羅」東大寺「大仏様」が入っていたのですが
阿修羅は今でも休日は行列が出来る程混雑しています。
そろそろ落ち着くと思うのですが。。

4月以降「ルノワール」「大遣唐使展」「長谷川等伯」にも行ってます
これから始まる「ボストン美術館展」にも・・・
やっぱりミーハーですね私。

アトリエ・ラ・ヴィータ