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ピュイ&キュイの徒然

ポーセリン・ペインティングや美術館・お寺巡り・バードウォッチングのことなどの覚書です

日本一美しい鎧

2012-05-01 15:22:47 | 美術館・博物館
春日大社宝物殿に行きました

目的は日本一優美・華麗・豪華と名高い鎧です
写真・右の国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀飾)は源義経が奉納した
と言われているそうです
左は 国宝 赤糸威大鎧(梅鶯飾)
この二つの鎧をモデルにした五月人形も大変な人気で、お孫さんの為に
購入した知人も、早速家族で実物を見に行ってるそうです




他にも国宝の弓、刀、など当時の貴族、皇族から奉納された
品々があり、実戦的でない為それぞれ優雅で気品があります

源頼朝が奉納した鼉太鼓(だだいこ)も実物を始めて見ました
太鼓の直径は約3メートル、高さ6メートル
ほんの30年前までは現役だったそうですが、音を聴いてみたかったです。

その昔、男の子だった夫は早速日本甲冑図鑑などを図書館から借りて
夢中です~

五月人形の絵皿を描くときは、この鎧を!と決めていますが・・
いつになる事やら・・・

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ときめきの七宝

2012-04-20 10:38:08 | 美術館・博物館
京都・東山にある「並河靖之七宝記念館」へ。
繊細な七宝工芸が大好きでいつもは清水寺参道の「清水三年坂美術館
に行きますが、こちらには初めてです
並河靖之の自宅兼工房を記念館として平成15年に開館しました
作業場や窯場も見学することが出来きて、臨場感を感じます

並河靖之の有線七宝技法は、金属の素地の上に、細いテープ状の金属線を
下図の輪郭に沿って貼り付けていき、その中に釉薬を流し込み、焼成します

金属線、とわかっていても、筆で輪郭線を描いたように柔らかく繊細な線。
驚く程の緻密さ。。。
欲しいな~!と浅ましい物欲が・・・
いえいえ、その前に、私も作ってみたい!!
窯はある!東急ハンズで七宝のキットを買えば真似事は出来るかも~?





趣のある庭園



懐かしい縁側



並河靖之ゆかりの品々も展示されていました。
観光客で賑わう表通りの喧騒とは無縁の静寂な空間です

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マイセン磁器の300年展

2012-04-09 21:40:21 | 美術館・博物館
大阪中ノ島にある東洋陶磁美術館で開催中の
マイセン磁器の300年展に出かけました



一年前、東京で始まり、大阪に巡回して来る日を心待ちにしてました。
初日という事もあり、比較的空いていて快適です。

試行錯誤の上、緻密に計算された条件で製作された美術品
の数々・・・
改めて、窯で焼成する事の難しさ、楽しさを感じた展示会
でもありました

ここは、東洋陶磁器を蒐集する美術館ですので、平常展で
日本・中国・韓国の陶磁器も見ることができます

自然光を取り入れた展示室には・・・
あの油滴天目茶碗!
今まで見てきた絢爛豪華なマイセン磁器が束になっても
くすんでしまうほど輝いていました。
ガラス越しでも吸い込まれるように美しく、銀河の中の
星々に囲まれているように錯覚します
(プラネタリウムとか、そんな物の比ではありません)

たった一つの小さな茶碗。
現代の技術でも、同じ物は二度と作れないといわれています
偶然なのか・・火の神様の気まぐれか・・・

マイセン展に行ったはずが、油滴天目の妖しい美しさが
強く印象に残ってしまった一日でした。

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大和文華館

2012-03-21 21:54:17 | 美術館・博物館
大和文華館に行きました



ポスター上部の水墨画が気になっていたのです
長沢芦雪の「白梅図屏風」

他に有田の大壷
マイセンの柿右衛門写し
国宝、重文もありましたが、一番印象に残ったのは
やはり、これ。
描いて見たいな・・・こんなダイナミックな絵。

生憎の曇り空
でも梅が満開でした
良い香りに誘われたのか、メジロの群れが来ています
20羽くらい居たでしょうか?
チュリチュリ・・チチッチ・・・可愛い声も20羽分!
騒がしくないのがメジロの良いところでしょうか。

そろそろ、我が家のメジロ食堂も閉店ですね。
寒い冬はプクプクに膨らんでいたメジロも、暖かくなって
スリムになってきて・・・人間もそうなればいいのに・・・
薄着の季節が・・もうそこまで・・・





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修二会(お水取り)お松明見物の前に

2012-03-10 15:15:38 | 美術館・博物館
通称、「お水取り」の正式な名前は「修二会(しゅにえ)」ですが
奈良に生まれ育った私でも「修二絵」と言われると???でした。
それほど、「お松明」と井戸から水を汲む「お水取り」が一般に
よく知られています

最近まで3月1日から14日まで行われる「お松明」の期間が「修二会」
だと思っていましたが、前年の12月、その年の練行僧が発表された時から
修二会の準備が始まっています

今年で1261回目という長い歴史のある行事の上、一般に公開されていない為
何をしているのか・・・ほとんどわかりません

少しでも修二会の事を知りたく、今年は色々下調べをしています
奈良国立博物館で開催中の「お水取り展」と奈良写真美術館で開催中の
「入江泰吉の東大寺展」に行きました




写真美術館の佇まいは何度来ても好きな景色です
館内の資料閲覧室では奈良に関する写真集、本、資料などを自由に閲覧
する事ができ、いつもつい・・・長居してしまうのです



東大寺境内にある東大寺ミュージアムの前には
大きな籠松明が展示されていました
長さ役8メートル
重さ70キロ

この大きな、お松明は3月12日に使われます
その為この日は一番見物客が多く(曜日にもよりますが2~3万人)
知人に「12日を避けて行くと良いよ」と言っていたにもかかわらず
12日に出かけて、大変な目に遭ったそうです
もう2度と行きたくない!と言いつつ、その後毎年日をずらして出かけてる
様子をみているとすっかり魅了されているみたいですね!



修二会の練行衆は11人。
写真家の入江泰吉さんは、12人目の練行衆と呼ばれるくらい
通いつめたそうです。

一般的な平均寿命まで生きたとして、毎年通っても、お水取りの全容を
知る事は出来ません。それでも毎年、何か一つでも解るようになれば・・
と願います。

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富本憲吉記念館

2012-02-18 17:19:48 | 美術館・博物館
家から車で10分くらいの処に陶芸家の「富本憲吉記念館」があります
5月で閉館すると聞いて・・・慌てて行ってきました



富本憲吉が住んでいた住居が記念館になっていて、
昭和にタイムスリップしたような場所です



ご遺族の意向で5月に閉館する事が決まったそうですが
それまでに県や地元の自治体に管理をお願いするように申し出が
あったのですが、財政難の折、受け入れる事が出来なかったとか。
重要無形文化財保持者(人間国宝)第1号の富本憲吉の
記念館なのですよ!!
いくら財政難とはいえ、何とか出来なかったのでしょうか?

館蔵品の4分の1が兵庫県陶芸美術館へ、
そして4分の1が大阪市立美術館へ寄贈されたそうです
奈良にも県立美術館や国立博物館があるというのに・・・

とても残念でなりません。    


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犬塚勉展 -純粋なる静寂 京都展

2012-01-07 13:34:33 | 美術館・博物館
京都タカシマヤで開催中の「犬塚勉展 -純粋なる静寂」を見てきました



犬塚勉(1949-88年)は、東京の多摩で育ち、美術教師として働きながら、
山の風景を描き続けた画家です。
自然を愛した犬塚は、何度も山へ足を運び、精緻な筆遣いで自然そのものを
描こうとしました。
1988年、制作のため登った谷川岳で遭難し、38歳で夭逝しました。

この画家の存在は全く知りませんでしたが2009年、NHK日曜美術館で
紹介され、いつかは、本物を見てみたい!!と思っていたのです。
やっと、念願かなって、今年初めて京都に出かけました。

面相筆を使った精緻な筆使い。
驚くほどのスーパーリアリズム。
絵を描き始めた頃はどんな画風だったのか・・・?

初期の作品は幻想的で多色使い、シャガールのような絵もありました
病気を境に身近な自然をテーマに描くようになったのですね
自然、といっても美しい花や景色を描くのではなく、切り株、木の幹、
石ころの道、草むらなど、彼でなければ描けない対象です

“水が描けない、もういちど水を見てくる”と言って、
谷川岳に向かう姿に写生への執念を感じます
(そこで遭難して帰らぬ人となります)
未完の絶筆となった絵も展示してありました。

せせらぎの里美術館で作品を見ることができるそうです。





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第63回正倉院展

2011-10-30 23:58:48 | 美術館・博物館
奈良国立博物館で開催中の「第63回正倉院展」に行ってきました
第60回から毎年お祝い事
(天皇陛下ご即位20年、平城遷都1300年など)
が続いて普段より豪華で壮麗な宝物が出陳されてきましたので、
何もお祝い事が無い、今年は・・・
いえいえ、それでも十分満足でした



毎年感動するのは1300年もの年月が経っているのに色が残っている事
今年は美智子皇后様が育てられた蚕から紡いだ絹糸を使って復元された
布類も展示されていて、比較してみても保存状態の素晴らしさが
伺えます。
この蚕の名前は小石丸という可愛い名前です



これが香木「欄奢待(らんじゃたい)」
1メートル以上ある大きさに驚きました
織田信長、足利義政、明治天皇がそれぞれ切取った跡に付箋が付いています
時の権力者が力を誇示する為に、強引に勅封を解き、
切り取ったと伝えられていますが、
今でも香りが残っている香木ですから、その魅力に魅せられたのでは・・・
と感じます

日曜日なので家族連れも多く、少年達がこの香木の前で、戦国武将が残した
痕跡に興奮して食い入るように見つめている姿が印象的でした




(写真はポスターを撮影いたしました)

低反射・高透過のガラスを使った展示ケースのお陰でより臨場感が感じられます
あちこちでおでこをぶつけてる人が・・(私もです!)
まるでガラスが無いみたいなんです。

毎年、初日の夕方5時頃に行っていましたが、今年は2日目の同時刻
やはり日曜日の夕方というだけあって快適に見る事ができました!
これから、行かれる予定の方、11月4日までの平日の4時以降に
お出かけください。
11月6日の日曜美術館は正倉院展の放送ですから
翌週からはいっそう込む事が予想されます
また、最終日14日(月)の午後3時以降は毎年快適に鑑賞できます

私が以前正倉院展のお手伝いをした時も同じような傾向でした

アトリエ・ラ・ヴィータ

礒江毅=グスタボ・イソエ 

2011-10-27 11:34:13 | 美術館・博物館
~マドリード・リアリズムの異才~

大阪出身で30年あまり滞在したスペインで認められ、日本での活躍を期待された
まさにこれから・・という時に急逝した 礒江毅さんの絵を見たくて
奈良県立美術館に行きました

これほど時代を超えた写実があろうか。礒江毅は夭折した。だが、絵は残った。--佐伯泰英(作家)

礒江の言葉です。
「リアリズム絵画とは、実体とはフィジカルなものだけど、徹底した描写によってメタフィジカルな世界が見えてくるのを待つ哲学です」

展覧会場には、礒江毅の重厚な世界が広がっていました。
存在と時間を丹念に描き込んだ、表現への恐ろしいほどの根気と執念。
「物は見ようとしたときにはじめて見えてくる」
という作者の言葉・・・






(写真はチラシを撮影いたしました)

どの作品も実物より、リアルなのでは・・?
特に裸婦の美しい事!!
アングルの描く女性の背中より魅力的でした

多くの男性が絵の前で動けなくなるほど魅力的です

作品は作者自身の言葉で解説文が付けられているのが嬉しかったです


アトリエ・ラ・ヴィータ

東大寺ミュージアム

2011-10-23 20:04:31 | 美術館・博物館


東大寺境内に新しくできた「東大寺ミュージアム」に行きました
お目当ては東大寺の法華堂(別名、三月堂)
その本尊に当たる国宝「不空羂索観音」です。
ただ・・・パンフレットの写真を見て、一抹の不安が・・・

いつも暗いお堂の中で、懐中電灯で照らして、やっと見える程度
なので、イライラが募っていました
美術館の中なら、満足に見る事が出来る~と思っていましたが
仏教会一豪華な宝冠やウルトラビームのような後背が無く・・・
合掌した手の中にあるはずの水晶の宝珠もありません!!

これが宝冠(写真は博物館HPよりお借りしました)
水晶、真珠、珊瑚、翡翠、トルコ石など約2万5千個(!)
もの宝石を銀の糸で繋いでいて・・・
高さ3メートルの観音様の頭上にあるわけですから、ボリュームも
あります





がっかりしましたが、普段着の不空羂索観音様にお会いできたようで
それはそれで良かったと思います
やはり仏様は美術館や博物館ではなく、本来の場所に安置されている姿
が一番だと再認識いたしました


愛らしい鹿の親子

アトリエ・ラ・ヴィータ