純米燗オヤジの戯言 佐用の酒屋 地酒のDON

「完全発酵の純米酒を燗で呑む文化を普及させたい」そんな純米燗伝道師を自負する酒屋のオヤジ奮闘記。

爽快・複雑な酸が魅力・・・日置桜 生もと強力(杉山米)24BY入荷!

2014年06月18日 | 純米酒
来た~~~~ぁ!

鳥取の固有種の酒米「強力」を使い

酵母無添加(蔵付き酵母)の「生もとづくり」で醸した純米酒だ

1年以上の熟成を経て

ようやく現世に降臨した(笑)

お待たせしました


「生もとづくり」とは

低温下において「天然」の硝酸還元菌による亜硝酸の生成、

次に「天然」の乳酸菌の生成を促して生酸することで

有害な細菌類を淘汰して優良健康な酵母のみを育てる昔ながらの造りだ

(簡単にいうと、亜硝酸の毒素と乳酸菌の酸で酵母以外の細菌を淘汰するのだ)



最近の主流は

「速醸もと」であり

人工的に乳酸を添加し

酵母も人工的に添加する

こうすることで

ほとんど腐造の危険がなくなったのが現代の酒造りだ



逆に言うと「生もと造り」は

暖冬で気温が高かったり

その年の米質が悪いなどの外的要因で

硝酸還元菌や乳酸菌の生成が不良な場合は

有害な細菌類を淘汰できないことになり

腐造のリスクが高確率で伴うので厄介だ

また酵母無添加だと湧かない可能性もあり

たいへんな勇気と経験がいる造りなのだ

その代わり

屈強な酵母が育ち

熟成に耐える強い造りの純米酒になるのだ


(詳しくは当店ブログ「純米酒と戯れる」参照)


そんな「生もと造りの純米酒」がこれだぁ!



24BY(平成24酒造年度)

日置桜 生もと強力純米 Ver.杉山米 1800ml:3,456円

鳥取県の固有種である強力米を杉山信一郎さんが丹精込めて育てた。杉山さんのお米は自然農法で育てられているので、祖蛋白含有量(多いと雑味の素となる)が少ないことで知られる。この純米酒は全量がその杉山さんのお米で醸されている。しかも酵母を添加しない生もとづくりで醸された純米酒となると、呑まないわけにいかないよね。
23BYは、精米歩合60%だったが、24BYは70%精米。なのに、より透き通るような酒質だ。生もと特有の金属系の含み香があり、柑橘系の酸が透明で凄く爽やか。同時にやわらかな旨味が膨らむ。最後に幾分渋味がありキレを良くする。燗につけると旨味が一層膨らみ、酸もたち、スルスル呑めて心地良い。渋味も若干頭をもたげる温度帯があるので、いじめ甲斐もあり!(笑)

詳細は純米酒のDONホームページへどうぞ

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5 コメント

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乳酸菌と酵母無添加 (東田)
2014-06-18 16:59:39
速醸もとには、乳酸菌は添加しません。乳酸は添加しますけど。人工的と仰いますが、糖類を原料に醗酵法で作られた乳酸です。酵母の添加も人工的なと仰いますが、ご存じの通り7号酵母は、真澄の蔵から昭和21年に分離されている酵母です。もともと真澄の蔵付き野生清酒酵母であった優秀な酵母を醸造協会が頒布してきたものです。すでに60年以上の実績があります。

このようなことを知っていらして、あえて酵母無添加ということを推奨する意味がわかりません。
また、野生清酒酵母には醗酵性の弱いもの、ミョウな酸を産生する酵母もあり、野生清酒酵母による酒づくりは相当にリスクのありものです。
返信する
東田さん、ありがとうございます。 (ドンファン)
2014-06-18 18:36:21
東田さん、コメントありがとうございます。速醸での乳酸添加の間違いを教えていただいて助かりました。早速修正しました。m(__)m
また協会酵母は、7号酵母が真澄、6号酵母が新政の蔵から分離された優秀な酵母で、特にこの2つの糊耐性の強い酵母の酒は個人的に、落ち着いて呑めるので大好きです。
無添加酵母といっても、そこの蔵で主として使っている協会酵母が蔵に住み着いていると思われるので、純粋に言えば、酵母無添加とも言えないのでしょうね。
ただ、出来あがったお酒が美味ければ、その製造工程を消費者に伝えながら、「こんな背景があるから美味しいのですよ。」と物語るのが、私たち酒販店の役割です。この物語によって、消費者が純米酒に対して興味をもっていただき、リピートしていただけるように持っていくのが私の使命だと思っています。もちろん酵母無添加のお酒をやみくもに推奨するつもりは毛頭ありませんが、語り易いということで、取り上げる機会が多いと思います。私が個人的に生もと特有の「あの香り」が好きなもので、そこらへん嗜好はご勘弁ください。
お酒は、嗜好品で、「熟成香が嫌い」「生ヒネ香が嫌い」「生もと特有の香りが嫌い」「吟醸香が嫌い」など、個人差が大いに出てきます。その嗜好の個人差を少しでも論理的に説得しながら興味をもっていただいて「食わず嫌い」「呑まず嫌い」を解消したいなぁ、というようなことも考えて、個々の純米酒を物語ります。
私的にはそれほど偏った商品の推奨をしているつもりは無かったのですが、大いに反省します。
東田さんには、いつも色々な御指摘をいただき、ありがとうございます。勉強になります。今後ともよろしく御指導、御鞭撻おねがいします。
返信する
Unknown (久田)
2014-06-18 21:59:50
一週間程前、家で寝かせていた23BY日置桜の生もとを、飲んでみたところでした。強力の特徴か?味が薄い感じがしたけど、生もとの香りというか何とも言えない充実感のある旨みが、熟成させた方がもっと良くなる気がして。熟成させてました。いやぁ
旨かったです。けど、まだ味は 薄い感じが。もう一年みたいな。24BY楽しみです。玉櫻の23BY生もと改良雄町ありがとうございました、も、完全発酵で、とても美味しかったです。もう一年寝かせたら、味の広がりがもっと出てきて ますます美味しくなりそうな感じがします。というか、栓を開けて 放置して、空気に触れさせて、はやく熟成させる技を使えば いいのですね。誰が発見したのか ほんとイイコト教えてもらいました。
返信する
いいですねぇ。23BYですか。 (ドンファン)
2014-06-19 10:14:42
久田さん、23BYの生もとを寝かせていらしたんですね。羨ましい。(笑)まだ旨味が薄いですか?24BYに比べると、23BYは、結構渋くて固かったような気が・・・
まだまだ開ききってないんでしょうね。きっと放置プレイで激変しますよ。
玉櫻生もと改良雄町も、今少し固い部分があるので、これもやっぱり放置プレイですね。
いろいろいじめて愉しみましょう(笑)
返信する
訂正 (ドンファン)
2014-06-19 12:10:36
6号酵母、7号酵母の特性について、
日本語的におかしいので訂正です。

×糊耐性の強い酵母
   ↓
○糊精の環境に強い酵母
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