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9.11以来、伯父さんはテロリストを見つけるために毎日を生きています。アラブ系の人をみると追跡して、不審な紙袋を見かけては調べようとして・・・おじさんいわく「ベトナムでもアメリカが勝ったんだ!共産主義の蔓延を防いだ」と言い切ります。おじさんの生き方はブッシュの演説のようにみる人から見ればこっけいなんですけど、彼は本気でアメリカを救いたいと思ってるわけです。9.11から2年が経ち、テロに対する警戒心が薄れていると嘆きます。
不審なアラブ人を追いかけますが、その人が殺されて、調べ上げるうちにとうとうアジトを発見したぞ!となるわけですけれども・・・その結果は・・・まあ、ようは目論見が違ったわけですけれども・・・
と言うわけで、その結果、自分のしてきたことはなんだったのか・・・となるわけです。そのときのおじさんの遠くを見つめる姿には涙が出てきました。
彼は、アメリカという国家に利用された被害者だったわけですね。
それは、実はそのおじさんはベトナム戦争の後遺症に苦しんでいることからもそうです。でも、アメリカの正義はのために日夜努力しているわけです。
おじさんはアメリカの象徴でもあるような気がしました。(最近象徴が好きね)
この映画のいいところは、そんなへんなおじさんをただ単にいやな人と終わらせていないところなのでしょう。世界の流れから取り残された彼(ら)はある意味悲しい人たちですから。そんなアメリカの悲しさを描いているようにも見えます。
で、かわいい女の子、多国籍な顔が良いんですけど、彼女は素直に貧困を救いたいと思っています。閉鎖されたアメリカの象徴がおじさんなら、この女の子はイスラエルからきたアフリカ育ちと言う経歴もある、まさに世界なのかもしれません。アメリカが他国に与えた傷・・・アメリカを外から見てきました。誰に対してもやさしい偏見のない目をもっています。
9.11のビルの崩壊を2人は違う場所で違う見方で見ているわけです。その報道で一般庶民が歓声をあげたということがおじさんは信じられません。「罪もない人々がそれで殺されたのに」と。
結局アメリカと言う小さな枠の中でした物事を見れていないわけです。たしかに罪もない人を殺すテロは許されないことだし悲しい事件ではありますが、ようはそこしかみていないわけですね。
アメリカが世界でやっている蛮行は知らされないし、アフガニスタンやイラクのときのでも、その戦争をしたときは、相手の顔が見えていないわけです。テロリストの顔しか。殺されているのが罪のない人たちであることなんかちっとも知らないのでしょう。
おじさんの「ベトナム戦争でアメリカは勝った」という話は印象的です。
「共産主義」にするかどうかなんて、その国の人が決めればいいことで、アメリカが押し付けることでないということ。そして、そこで殺した人たちは何の罪のない人たちであるということ。アメリカ的に言えば罪があるとすれば「『共産主義』を目指したから」となるのかもしれませんが・・・それで大量殺戮が許されるのかということですよね。
おじさんにとってベトナム戦争は自分にとって「誇り」であり、存在意義だったのかもしれません。
アメリカは傷ついています。
孤立して世界からおいていかれてしまっています。
車にはためくアメリカ国旗はどこか寂しい・・・
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