唐茄子はカボチャ

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鬼平犯科帳〈1〉

2009年03月01日 | 鬼平犯科帳
鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫)
池波 正太郎
文藝春秋

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いま、少しずつ鬼平を読み直しています。


「唖の十蔵」
これが最初の話っていうのがすごいです。地味な話でなんか暗い感じです。鬼平の話というよりは、十蔵の話で、このときの長官は堀帯刀という人で、途中で平蔵が着任するという感じで中盤にならないと出てきません。そうやって読者にも着任しましたっていうところから、少しずつ読者にも平蔵さんという人間像が浮き彫りになってくるような感じで・・・彫刻みたいなお話です。
ここで出てくるおふじさんという女性がいいんです。女性の姿を想像するのが鬼平の本の楽しみでもあります。

「本所・桜屋敷」
平蔵と、その親友・・・剣友・・岸井左馬之助の若かりしころの初恋の人の話です。そのあと、いろいろあって、その初恋の人は盗賊と関係があって・・・みたいな話なんですけど、どんなに純粋な人でも、環境でかわっちゃうんですねえ・・・生きていくっていうのは、それだけ大変ってことです。
そんな中で、左馬之助の心は、ずっと変わってなかったんですねえ・・・川のほとりに咲く桜のように同じ姿で・・・
最後の舟のシーンは情景が浮かんでいいシーンです。


「血頭の丹兵衛」
最初のときにつかまった粂八が狗として平蔵の下で働きます。
血頭の丹兵衛の親分が残忍な急ぎ働きをするはずはねえ・・・とおもって、偽者を捕まえようと手を貸すわけですが、やっぱり本物で、これも、人は環境でかわっちゃうということなのでしょうか。自分の生きる道を貫き通すというのはすばらしいことだけど、大変なことです。その道にいろんな誘惑や安易な道が立ちはだかって・・・生きていくためにその道を変えちゃうんですねえ・・・

こんな調子で全部書けるわけ無いので、気が向いたらまた・・・

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