私は基本的に、ベストセラーとか売れ筋の本とかにはまったく興味がない。
でも、最近のお気に入りのこの本だけは別。
柴田トヨさんという今年98歳のご婦人の処女詩集『くじけないで』。
本の帯には別のTV番組でも紹介されてもいたようだが、私がこの本を知ったのは、半月くらい前だったかのNHKの朝のニュース。
平易な言葉の詩のいくつかが紹介され、即効でネットで注文した。
さっと読めば、10分足らずで読んでしまえる詩集だ。
けれども一つ一つの言葉をかみ締めながら読んでいくと、平易な言葉がずしんと胸に響いてくる。
心が疲弊しているせいかもしれない。読みながら何度も涙を流した。
言葉は時として無力なものであるけれども、この詩集には言葉のパワーが溢れている。
少女のような瑞々しい感覚がとてもいとおしい。
トヨさんの笑顔がまた、なんとも優しく、美しいのだ。