習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『最好的時光』

2009-07-17 21:33:53 | 映画
 気が付けばもう夏休みに入る。いつも夏休みを楽しみにしてきた。大人になっても夏休みがある仕事に就いたけど、最近は全然休みではなくてなんだか、悲しい。まぁ、仕事なので休んでいては給料をもらえないのだろうが、それにしても、こんなに慌しかったなら、きっとだめだと思う。いろんなことが。

 疲れたときには映画でも見て気持ちをリフレッシュさせるに限る。だが、映画館に行く体力もない。仕方ないから、DVDを見る。しかもレンタルしてくる気力もないから、家にあるDVDを見る。一番お気に入りの映画をのんびり見る。

 ホウ・シャオシェンの最高傑作『恋恋風塵』を見るのは、切なくて泣いてしまうからやめる。今回は『百年恋歌』にする。高雄を舞台にして、66年の眩い夏を描く『恋愛夢』を見る。『百年恋歌』はオムニバスで、3つのエピソードからなる。今日見たのは、その第1話である。チャン・チェンとスー・チー主演。ノスタルジックな儚い夢の時間を描くこの第1話が好きだ。ビリヤード場にやってくる男と、そこで働く女。一瞬の出会いと別れ。そして、再会。ほとんど台詞もない。何も語らない。兵役を明日に控えた男は女に手紙を出すから、と言う。

 休暇で帰ってきた男は彼女に会いに行く。だが、彼女はもう辞めていて、今では台中のビリヤード場にいると、言う。そこに向かう。だが、そこでも、もう辞めてしまった、と聞く。実家に戻ったのだという。

 ただ、彼女に会いたい。それだけ。たった40分ほどの映画だ。だが、その長さがとても心地よい。映画の原題が『最好的時光』だ。邦題はちょっとつまらない。ホウ・シャオシェンの映画を初めて見たのは『坊やの人形』という短編だ。あれも3話からなるオムニバスだった。80年代初めのことだ。初めて台湾映画を見た。そして、そのあまりのレベルの高さに驚いた。続いて『童年往時』。忘れられない。

 もうホウ・シャオシェンの映画を見ても以前のようには、ときめかない。彼も変わったし、僕も変わった。だけれども、今でも心の奥深くにあの頃の記憶は残っている。まだ、僕が20代の頃の話だ。ホウ・シャオシェンには夏のイメージがある。新しい夏がやってくる前になんとなく彼の映画に逢いたいと思った。『冬冬の夏休み』でもよかったのだが、ビデオしかないから、画像が汚いのはちょっと、と思った。それに、出来るだけ無口な映画がいい、と思った。また、台湾に行きたい。何も考えないで、田舎をブラブラしていたい。台北ではなく、高雄に行きたい。今、ちょうどうちの嫁さんが1ヶ月ほど台湾に行ってる。なんだか羨ましい。

 

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