なんて皮肉なタイトルだろうか。この世界には何の自由もない、ということをこの映画は描く。過酷な現実をそのまま描き、正義のために立ち上がった女たちが、気づけば自分たちが嫌った搾取する側にどっぷり漬かりもう後戻りできない。移民でごったがえすロンドンを舞台にして、生きていくためには、働かなくてはならないのに、働く当てもない人々の姿を描く。
ケン・ローチの新作である。今ではコンスタンスに日本に入ってく . . . 本文を読む
ニキータ・ミハルコフ監督の久々の新作がなぜシドニー・ルメットのクラシックのリメイクなのか。不思議でならなかった。今、なぜ『12人の怒れる男』がロシアに必要なのか。民主主義の原点にもう一度立ち返れとでも言うつもりなのか。だが、そんな単純な問題ではないはずだ。現代のロシアを舞台にして、50年も前のアメリカを舞台にしたヒューマン・ドラマが、どれだけの力を持つか。疑問ばかりが湧き上がる。だから、これは自 . . . 本文を読む