堤幸彦監督が、またやってしまった。どうして、こんなにも中身がなくってくだらないだけの映画を、わざわざ撮ってしまうのだろうか。中谷美紀もせっかく『嫌われ松子の一生』をやったのだから、もうこういうタイプの汚れ役は、やる意味ないやろ、と思う。
世界一不幸な女が、彼女なりの幸せを摑むまでが、描かれているのだが、説得力がない。阿部ちゃんの卓袱台返しのCGばかりが評判になったが、それだけな . . . 本文を読む
こんなにも何もない映画って、他に類を見ない。しかも、わざとそれをねらっている。ねらいまくっているみたいで、ちょっとあざとい。
たそがれにやってくる人々、なんていう設定のわざとらしさも鼻に付く。荻上直子監督の前作『かもめ食堂』はその優しさに癒されたが、今回はちょっとやりすぎでしょう。あのイメージをさらに推し進めたらこうなったのだろうが、あざとすぎます。まったりとして、何もせずに、心を空っぽにし . . . 本文を読む
どうしても北京が見たいと思って、06年1月、思い立ってすぐに旅立った。きっかけはジャ・ジャンクーの『世界』という映画を見たからだ。05年12月に見た時、これは何があっても今すぐ北京に行かなくては後悔する、と思った。1日でも早く行かなくては、もう、かっての北京はなくなる。こんな気持ちになったのは生まれて初めてのことだった。
だが、空港に降りたった時から、実は行く前とは別の後悔ばかりが襲った。冬 . . . 本文を読む
なんとそっけない映画だろうか。ストリートで歌う男が、そんな彼の歌に耳を傾けた、ちょっと変わった女に興味を持つ。2人は音楽を通してなんとなくひかれあい、そして1枚のCDを作る。男はダブリンを出て、ロンドンに行き、音楽で身を立てようと思う。そんな彼を周囲の人たちは温かく見守り、応援する。
たったそれだけの映画だ。なんの変哲もない。なのになんだろう、これは。なぜだか爽やかで見終えて感動してる。こん . . . 本文を読む
2幕2時間30分からなるミュージカル大作だ。こういうものは普段滅多に見ることはないが、見終えてとても満足している。これだけ本格的に作り上げられた舞台を見せてもらうと、納得がいくからだ。
妥協せずに自分たちのやりたい事を全力でやり遂げて行くという姿勢にも感動した。そんな当たり前のことがなかなか出来ないのも現実なのだ。さまざまな諸条件の中で、気が付いたら最初思っていたものとはまるで別のものが生ま . . . 本文を読む
遊劇体の新作『山吹』からまだ何ヶ月も経っていないのに、こんなにも早くキタモトマサヤさんの新作が見れるなんて幸せだ。しかも、何度もキタモトさんからリーディングのあり方についてはお話を聴いていたので、この公演で、彼がどんな試みをされるのかも、楽しみだった。客席でドキドキして開演を待っていた。私事だが、この日、偶然にも太陽族の新作とこの作品を梯子して見た。しかも63年前に長崎に原爆が落ちた日である。な . . . 本文を読む