あの『追悼のざわめき』の松井良彦監督の22年ぶりの新作。22年ってかなり凄い。長谷川和彦なんて30年くらい映画を撮ってないけど、それに匹敵するくらいかも、なんて思う。だいたいあの『追悼のざわめき』という変態映画が、今DVDにもなり、だれもがいつでもみれるようになっているなんてのも、凄い。この世の中、もうなんでもありなのだなぁ、と思う。だから、最近何があってもあまり驚かない。
その反面がっかりすることは、多い。といううわけで、この映画である。22年待たせてこれでいいのか、なんて思うのは僕だけでしょうか。基本的には松井監督は変わっていないのだろうが、それにしてもあまりに拙い。自主映画として公開された『追悼のざわめき』とは違うのである。時代も変わり、今では若い監督も見せ方が上手くなっている。そんな中、松井監督の下手さは際立つ。
もちろん下手だからだめだ、なんて言うつもりはない。要は映画として面白いか否かなのだ。その意味で、これは駄目だと思った。主人公にまるで感情移入できない。彼の行動に説得力がないから、映画はまるで緊張感のないものとなる。彼が工場で働きながら社長のセクハラに耐えるのはなぜか。さらには中年オヤジの体を売るのはなぜか。彼の性癖も含めてなにもわからない。だから、ニューハーフの恋人との関係もなんだか共感できない。
説明なんかなくても、ドキドキさせられる映画はたくさんある。だが、映像に緊張感がない映画はだめだ。見ていて途中で投げてしまう。これでは柏原収史が可哀想だ。ただ、松井監督のこだわりは伝わる。それだけが救いだ。
その反面がっかりすることは、多い。といううわけで、この映画である。22年待たせてこれでいいのか、なんて思うのは僕だけでしょうか。基本的には松井監督は変わっていないのだろうが、それにしてもあまりに拙い。自主映画として公開された『追悼のざわめき』とは違うのである。時代も変わり、今では若い監督も見せ方が上手くなっている。そんな中、松井監督の下手さは際立つ。
もちろん下手だからだめだ、なんて言うつもりはない。要は映画として面白いか否かなのだ。その意味で、これは駄目だと思った。主人公にまるで感情移入できない。彼の行動に説得力がないから、映画はまるで緊張感のないものとなる。彼が工場で働きながら社長のセクハラに耐えるのはなぜか。さらには中年オヤジの体を売るのはなぜか。彼の性癖も含めてなにもわからない。だから、ニューハーフの恋人との関係もなんだか共感できない。
説明なんかなくても、ドキドキさせられる映画はたくさんある。だが、映像に緊張感がない映画はだめだ。見ていて途中で投げてしまう。これでは柏原収史が可哀想だ。ただ、松井監督のこだわりは伝わる。それだけが救いだ。