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映画・演劇のレビュー

『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 』

2009-04-02 22:10:08 | 映画
 チェン・カイコーの傑作『始皇帝暗殺』で秦の始皇帝を殺すための刺客を演じたジェット・リーが本作では、殺される側の始皇帝を演じる。と、ここまで書いて間違いに気付く。ジェット・リーが出てたのはチャン・イーモウの『HERO 英雄』でした。ごめん。今回彼は、残虐の限りを尽くして、しかも永遠の命を手にしてよみがえる悪人。

 ジェット・リーとあのおとぼけキャラのブレンダン・フレイザーが対決する(どう考えても一瞬でブレンダンが負けるだろう)このハムナプトラシリーズ最新作は昨年、久々に復活した『インディー・ジョーンズ』シリーズの露払いとして公開された。(たぶん もしかしたら公開はインディーの後かも)もともとインディーの猿まね映画として作られたこの映画はなぜかちゃんとヒットして今回で第3作を迎える。(実にめでたい)

 SFXの進歩によってすごいスケールの映画が簡単に作られる時代がやってきたが、この映画に何かを期待するような人はいない。監督はB級映画のロブ・コーエンで、なんといても主役はハリソン・フォードではなく、あのブレンダン・フレイザーである。だが、今回は舞台を中国に設定し、彼と敵対する悪役として前述のジェット・リー。それだけではない。なんとミッシェル・ヨーさらにはどうでもいいような役(始皇帝を現代によみがえらせる軍人)であのアンソニー・ウォンまでもが出てる。中国語圏の大物たちが顔をそろえる超豪華版。

 ロブ・コーエンはさすがにツボを押さえた演出で、とても楽しい映画に仕上がっている。もしかしたらスピルバーグの『インディー・ジョンズ』よりこっつちのほうがおもしろいかもしれないくらいだ。(『クリスタルスカルの王国』はなんか眠い映画だった)

 前半のクライマックス、旧正月で湧く上海の市街地でのカーチェイスの凄まじさは特筆ものである。あれだけたくさんのエキストラのもと、きちんと視覚的に仕掛け満載でよくぞ見せた。SFXは人間がメーンの場合力を発揮するということを証明してくれた。このシーンに較べると、終盤のクライマックッス、ミイラ軍団同士の対決はつまらない。コンピュター制御のアクションなんていつも言ってるがもう見飽きた。ストーリーが先日見た『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』と酷似しているのが気になったがどちらもなかなか楽しめる映画なのでかまわない。だいたい『インディージョーンズ4』とも似てるし。

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