
後半、宗教と医療という問題に足を踏み入れてしまう。そこまでは極上のエンタテインメントだったのに。しかし、それが駄目だ、なんて言うのではない。一体どうなるのか、とドキドキハラハラさせてくれた前半から、微妙にコースアウトしていくところが実は面白いと思ったのだ。単純なエンタメではない。かといって深刻な純文学なんかでは毛頭ない。いかがわしさすら漂わすのだ。そこが、いい。
まるで哲学書かなんかを読んでいる気分になる。(哲学書なんか読んだことないくせに)宇宙とか、生命の神秘なんてことを書いた本を読んでる気分。そんな風に言うと、なんだか胡散臭いが、ストーリーを追うことよりも、もう少し違う次元に誘われる。終盤はもうお話ですらなくなってくる。
この世界がどうなっているのか。ガンというものの意味。世界が終わっていこうとする中で、生命はどうあるべきなのか、なんて。そんなメッセージが綴られていくことになる。これって、宗教の一部か。でも、もっともっと大きな生命の根幹に触れるような感動がここにはある。ただそれってもう小説じゃないな、なんて気にもなる。
前半、菱川という医者が不思議な力を持ち、ガンの治療に当たっていく姿が描かれる。そんな中、彼に隠された秘密が少しずつ解き明かされていく。さらには、彼がガンに侵されていたことが分かったところから、彼が自分の生き方を巡る問題と向き合い、リストカット少女だったキョウコや、菱川と同じように不思議な能力を持つ看護師、白川まな子と出会い、科学と医学の世界から、宗教と向き合っていくことになる。
なぜ、人は生まれてきたのか、どうして死んでいくのか。生命とは何なのか。世界はどうなっていくのか。あまりに問題は大きすぎて戸惑うばかりである。この小説はそういう問題と真正面から向き合い一歩も退かない。これは単なる小説ではない。それ以上の何物かであろう。上手く言えないが、これを読むと世界の根幹に触れることができる。そういう言い方しか出来ない。
あやしげなスピリチュアル体験を描くのではない。でも、それと紙一重のところで作られてある。扱っている問題がかなりデリケートなもので、これを言葉にしてしまったら、いかがわしい宗教のようなものに見えてしまうのだろう。これは自分で読んでもらうしかない。凄いとか、素晴らしいとか、そんな言葉にはしたくないし、出来そうにもない。もっと違う別のものがここにはある。
まるで哲学書かなんかを読んでいる気分になる。(哲学書なんか読んだことないくせに)宇宙とか、生命の神秘なんてことを書いた本を読んでる気分。そんな風に言うと、なんだか胡散臭いが、ストーリーを追うことよりも、もう少し違う次元に誘われる。終盤はもうお話ですらなくなってくる。
この世界がどうなっているのか。ガンというものの意味。世界が終わっていこうとする中で、生命はどうあるべきなのか、なんて。そんなメッセージが綴られていくことになる。これって、宗教の一部か。でも、もっともっと大きな生命の根幹に触れるような感動がここにはある。ただそれってもう小説じゃないな、なんて気にもなる。
前半、菱川という医者が不思議な力を持ち、ガンの治療に当たっていく姿が描かれる。そんな中、彼に隠された秘密が少しずつ解き明かされていく。さらには、彼がガンに侵されていたことが分かったところから、彼が自分の生き方を巡る問題と向き合い、リストカット少女だったキョウコや、菱川と同じように不思議な能力を持つ看護師、白川まな子と出会い、科学と医学の世界から、宗教と向き合っていくことになる。
なぜ、人は生まれてきたのか、どうして死んでいくのか。生命とは何なのか。世界はどうなっていくのか。あまりに問題は大きすぎて戸惑うばかりである。この小説はそういう問題と真正面から向き合い一歩も退かない。これは単なる小説ではない。それ以上の何物かであろう。上手く言えないが、これを読むと世界の根幹に触れることができる。そういう言い方しか出来ない。
あやしげなスピリチュアル体験を描くのではない。でも、それと紙一重のところで作られてある。扱っている問題がかなりデリケートなもので、これを言葉にしてしまったら、いかがわしい宗教のようなものに見えてしまうのだろう。これは自分で読んでもらうしかない。凄いとか、素晴らしいとか、そんな言葉にはしたくないし、出来そうにもない。もっと違う別のものがここにはある。