
中村倫也主演で、彼が地球人になりすましてきた宇宙人を演じるのだが、彼以上に彼が次男坊として潜むこの家族の長女・伊藤沙莉、長男・日村勇紀、三男・柄本時生のほうが宇宙人っぽい。どちらかというと中村倫也はただの地球人にしか見えないし。もうこのキャスティングだけでこの作品は成功したもの、と思わされた。それだけに映画自身のハードルは高くなったのではないか。
映画はこのキャスティングの凄さを超えられない。なんだか学生の自主映画レベルの映画で、飯塚健監督作品なのに、レベル低すぎ。まずせっかくの役者を生かしきれてない。扱いはバラエティ・レベルの映画なのだ。あの怪人バナナマン日村勇紀を主人公に持ってきたのに、彼を生かせないのでは意味がない。(一応は中村倫也が主演ということになってるけど、実はもう日村!)
お話にまるでひねりがないから、だんだん退屈してくる。設定だけで満足したのか。でも、それでは映画としてはダメダメだ。だいたいこの特異な4兄姉弟の個性が生きない。彼らに好きにさせていても成り立つものだからこそ、反対にきちんと作り込む必要があった。これは役者日村を見せつける映画にならないとダメなのだ。こんな中途半端なバラエティ番組レベルを提示してそれでOKしてはならない。
これは現代版『竹取物語』である。両親を失い、4人になった兄弟が自分たちの暮らしを守るために戦う物語だ。土星人の次男をお迎えから守る戦いこそが描かれて然るべきだったのに、簡単に彼を手放す。ここでの23年はそんな簡単なものだったのか? 土星人にとってはたかが1年かも知れないが、地球人にとっては貴重な歳月なのだ。そんな感じのドラマをちゃんと作りべきだったと僕は思う。