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男性だけの家事学校って何? しかも山の上。この特異な設定を自然に受け入れて学ぶ男たち。ファンタジーではなく、あくまでもリアルだけどなんだか夢のようなお話。こんなふうになったらいい。
主人公は仕事に夢中になって妻子に捨てられた男。エリート新聞記者として真面目に働いているけど、家事はしたことがないし、それは妻の仕事だと今まで家庭を省みることはなかった。だから愛想を尽かされたのだ。ひとりになって生活はボロボロになってしまった。
東京の本社から大阪支社に移ってきた。都落ちだが、本人の希望だ。別れた妻子の近くで暮らす。そして妹から要請されて山の上家事学校に行くことに。これまでの生き方を見直す。
そこには寮がありそこで暮らし、彼は家事の大切さを学んでいく。あんなことやこんなことが家事。それにチャレンジする過程が描かれる。さらにはここで出会ったさまざまな人たちとの交流を通して男の家事の意味を描く。なんて言うと大袈裟だが、これは家事という今まで知らなかった幸せを得る話。
家族と暮らすことの大切さを改めて知る。仕事さえしていたら家族はわかってくれると思っていた。家事は女の仕事だと当然奢っていたわけではないが、家事を軽く見ていた。彼は家事を楽しむことで再生に向けて前進していく。なんだか心温まる。