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映画・演劇のレビュー

あみゅーず・とらいあんぐる『和みの・わ・茶・ちぁ』

2024-08-11 02:11:00 | 演劇

この夏でなんと13年目になる『しゃば、ダバ・だぁリーディング』。今年の会場は「さかい利晶の杜」。1階の茶室広間全体を使っての公演。今回は利休を扱う時代物を中心にしてまとめた。冒頭の『ぶんぶくちゃがま』が楽しい。たぬきを演じた本多信男(ダブルキャストで女性キャストバージョンもあるみたい)が凄くいい。昔話のたぬきから、澤田ふじ子『宗旦狐』に続く。たぬきからきつねにつながり、『なつぜみ』(畠山健二)から『夢のあとさき』(山本兼一)というラブストーリーにつないでいき、宗旦から利休でお話全体をまとめるという構成。

毎回進化しているが、今回は茶室ということで、和風テイストである。しかしただの時代劇ではなくバラエティに富んだ構成になった。冒頭で笑わせてその後3話はしっとりとした作品が並ぶ。70分という長さも適当。リーディングだけど、それを完全にリーディングスタイルのお芝居に昇華する。だてに13年も毎年続けてないから。ものすごく研究している。あらゆるスタイルを試み今回に至る。もちろんさりげなく。手慣れた役者たちも条さんの演出を理解してリーディングを見事に演じている。安心して見ることができる。
 
芝居の後のお茶とお菓子も嬉しい。抹茶を楽しみ、さらには、ここまで来たついでに、この「さかい利晶の杜」の展示スペースも楽しんできた。ブラブラ堺の街歩きもしたし、のんびりしたいい一日だった。

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