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映画・演劇のレビュー

『蛇のひと』と6本のDVD

2011-02-23 22:36:15 | 映画
 先週はTUTAYAがワン・ウイーク100円セールをしていたので、7本DVDをレンタルしてきた。そのおかげで週末はとても大変だった。いずれも見逃していた期待の映画ばかりで、気合いを入れて見たのだが、なかなか期待に沿ってはくれない。時間をやりくりしてまとめて見たから疲れた。こんなことなら、1,2本だけにしておけばよかった。欲張ったところで、何もいいことはない。

 7本の中では一番よかった井筒和幸監督『ヒーローショー』も『パッチギ!』には遠く及ばないし、塚本晋也の『鉄男 THE BULLET MAN』なんて、何で今頃こういう自主映画を作るのやら、訳がわからない。拘留されていた豊田利晃の復帰第1作『蘇りの血』に到っては何をか言わんや、である。心底がっかりした。『空中庭園』以来ようやく映画界に復帰出来たのに、こんな映画しか作れないのかと思うと、情けなくなる。

 ジェフ・ブリッジスがアル中で落ち目のミュージシャンを演じる『クレイジーハート』も、それなりにはおもしろかったのだが、予定調和で、その域を出るものではない。『GANTS』の佐藤信介による『死亡時刻/死角関係』なんて、もともとあまり期待はしてなかったけれども、わざわざ見る必要もない作品だった。密室、マンション、殺人、その後の処理。3,4人。ワン・シチュエーションをどれだけ効果的に生かせるのかが、この手の連作中編の生命線なのだが、まるでドキドキさせてくれない。

 森淳一の『蛇のひと』(取り込んだ写真はこの映画)は、なかなかおもしろいけど、話のスケールがあまりに小さくて、映画らしさが感じられない。上質のTVドラマを見ている気分だ。まぁ、もともとWOWOWがTV放送用に作成して、ついでに劇場公開もした、といういつものパターンの作品なのだろう。辻仁成の『アカシア』については、先に書いた通りだ。



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