
2時間半の大作だ。オーソドックスな伝記映画である。でも、スクリーンから目が離せない。マンデラの生きざまが時代を追って描かれていく。27年間に及ぶ投獄生活が中心になるわけではない。若かりし日から、晩年に至るまでのすべてを網羅するから、2時間半でもまるで足りない。映画はドラマチックになりがちなお話をかなり抑えたタッチで見せていく。だが、それはドキュメンタリータッチというわけではない。彼の生きた時代をきちんと描くことで、南アフリカの人種差別の歴史の証言となる。その中心にたまたま彼がいたのだ。もちろん、彼だから、そこにいることが出来た。
サブタイトルにあるようにそれは実に「長い道」である。あまりにも長すぎた妻との離れ離れの日々、そしてようやく一緒になってからの確執も含めて、ただの偉人伝ではなく、ひとりの人間としてのマンデラという男のドラマにもなっている。これは綺麗ごとではなく、清濁あわせ、公私ともに余すところなく、描こうとするのだ。監督は『ブーリン家の姉妹』などのジャスティン・チャドウィック。さすがに上手い。小手先ではなく骨太で確かなものを描こうとした。
出獄後、得たものより、失ったものの大きさが描かれる。彼の痛みと、イコンとしての宿命。さらには、みんなの期待を背負って、どこに彼らを連れていくことが出来るのか。ひとりの人間が抱え込むにはあまりに大きすぎたものを背負って、でも、確かな歩みを見せていく。とてもよく出来た作品だった。久々に素直に感動できる大河ドラマを見た。必見の一作。
サブタイトルにあるようにそれは実に「長い道」である。あまりにも長すぎた妻との離れ離れの日々、そしてようやく一緒になってからの確執も含めて、ただの偉人伝ではなく、ひとりの人間としてのマンデラという男のドラマにもなっている。これは綺麗ごとではなく、清濁あわせ、公私ともに余すところなく、描こうとするのだ。監督は『ブーリン家の姉妹』などのジャスティン・チャドウィック。さすがに上手い。小手先ではなく骨太で確かなものを描こうとした。
出獄後、得たものより、失ったものの大きさが描かれる。彼の痛みと、イコンとしての宿命。さらには、みんなの期待を背負って、どこに彼らを連れていくことが出来るのか。ひとりの人間が抱え込むにはあまりに大きすぎたものを背負って、でも、確かな歩みを見せていく。とてもよく出来た作品だった。久々に素直に感動できる大河ドラマを見た。必見の一作。