
北野武の新作がAmazonから配信公開されている。凄まじく評判が悪い。カンヌ映画祭に特別招待されている(ベネチア映画祭でした。カンヌは前作の『首』ね)が、海外での評価はどうだったのだろうか。
前作『首』も酷かったが、これはその比ではない出来らしい。ということで、さっそく目撃した。いやぁ、すごかった。こんな映画(配信映画だけど)を平気で作れるなんて、さすが「ビートたけし」である。しかも「北野武」名義で、である。前評判通りの作品だったけど、これは明らかに確信犯である。
北野武はわざとこんなチープな作りをしている。1時間に及ぶ脱力系コントに仕立てた。これを2時間されたらただの苦行だが、1時間なら笑って見逃せる。前半は一応シリアスに、後半は同じことを低俗なコメディで見せる。錚々たるメンバーがこのバカ騒ぎに付き合っている。大森南朋と浅野忠信なんて慣れないバラエティを必死になって演じていて涙ぐましい。だけど、何がしたくてこんな映画を作ったのだろうか。お話らしいお話はない。ただのコントである。しかもあまり笑えない。
これを世界のキタノ作品として海外に出すのは恥ずかしい。日本映画の恥さらし、だと思う。だが、敢えてこれを彼は作った。ここに何を込めたのか、わからないけど。できることなら、これをTVのバラエティ番組にしてオンエアして、すぐに消してください。