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映画・演劇のレビュー

ザ・ブロードキャストショウ『マネーアラウンドザワールド』

2021-11-26 11:52:53 | 演劇
なんとも懐かしい田中守幸作品だ。25年ぶりの再演となる。劇団往来としての公演も見ているし、展覧会のAでも(上演していたら、だが)見ているかもしれない。これは小劇場空間での芝居にぴったりの作品だ。でも、これをすさまじい人数のキャストを総動員して贈る。ザ・ブロードキャストショウの15周年記念公演である。 演出はもちろん往来の鈴木健之亮。今、このコロナ禍で、狭い空間での大人数のキャストでの芝居はNGに . . . 本文を読む
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虚空旅団『落選の神様』

2021-11-26 10:37:16 | 演劇
夢のようなお話だ。でも、これは実話である。日本画の常識を覆すような大胆な作品を作り、画壇に認められた女流画家、片岡球子の生涯を描く。こんなにも心地よい芝居を見ることができてうれしい。100分間の至福だった。 これは「あきらめないで頑張り続けると努力は実る」とかいうようなお話ではない。ここには評伝劇にありがちなそんな苦難のドラマはない。でも、だからといって彼女がノーテンキにただ好きな絵を描いてきた . . . 本文を読む
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劇団大阪『ザ・空気』

2021-11-26 10:22:20 | 演劇
劇団大阪らしい作品で、まじめで正直。とても気持ちのいい作品に仕上がっていた。だけど、それはあまりに直球すぎて、見ていて少ししんどいところもある。痛し痒しだ。見る前僕はこれはもっとコミカルな作品なのかと勝手に想像していた。笑っているうちにやがて背筋がゾッとしてくる、という感じ、を。でも、そうではなかった。この芝居は観客である我々の胸のド真ん中に差し込んでくる。ドストライクなのである。 主人公の上田 . . . 本文を読む
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『リスペクト』

2021-11-26 09:42:35 | 映画
ここ数本、つまらない映画ばかり見ている。あまりに残念過ぎて、もう映画館で映画を見るのはしばらくお休みしようかと思ったほどだ。しかも、ネット配信の新作映画には当たりが多い。劇場よりTVで見ていたほうがいい、となりそうだ。でも、それはもちろん間違いである。自分がわざとそういう可能性のある映画ばかりにチャレンジしただけで、ふつうに選べばいい映画はたくさん公開されているからだ。そこで、今回はあえて安全圏で . . . 本文を読む
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坂井希久子『たそがれ大食堂』

2021-11-26 09:03:15 | その他
デパートの大食堂の思い出は、同じようにデパートの屋上遊園地の記憶と連動している。幼い日の大切な思い出である。先に大阪に出てきていた父親と再会したのは、難波の高島屋の屋上だった。まだ3歳か、4歳くらいのことで、はっきりとは憶えていない。昭和30年代の後半のことだ。写真が残っていて、それを見たらぼんやりと確かにそういうことがあったような気になる。ようやく父の仕事が軌道に乗り、徳島から呼び出された母親と . . . 本文を読む
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