コンスタンスに作品作りを続ける入江悠監督の最新作だ。『シュシュの娘』は未見だが、その前の大作『AI崩壊』にはガッカリした。だけど今回は、前川知大(「劇団イキウメ」)による同名舞台の映画化である。しかもわざわざ韓国を舞台にして、繰り広げられる。この不思議な出来事をどういうふうに見せてくれるのか。ただのホラーにはならないはずと期待した。
最初は、それなりにワクワクさせられた。何が起きるのか、つかみど . . . 本文を読む
短編『おいしい家族』を長編にした同名作品で本格デビューし、さらにはあの『君が世界のはじまり』を撮ったふくだももこ監督の最新作だ。彼女が自分と同世代の女性たちを主人公して今を生きる女性たちの姿を描く作品である。これを見逃すわけにはいかない。すでに目にした批評では、なんだか評判がよくないみたいで、それってどういうことかと気になっていた。だからさっさと自分の目で確かめたい。
30代後半にさしかかった3 . . . 本文を読む
帯には芥川賞候補作とある。それだけで僕は偏見の目で見てしまうそうになる。芥川賞受賞作は独りよがりの作品が多くてつまらない。この作品もそんな小説なら嫌だな、と思い手に取る。まだ若い作家による初めての小説らしい。震災を扱うというのも、どうだかなぁ、と思ったが、読み始めて、驚く。とてもいい。
短いいくつものエピソードが時系列で並ぶ。2011年から2021年までの10年間、彼女の見たこと、感じたこと、出 . . . 本文を読む