ネットフリックスの新作である、なんと今回は劇場公開と同時配信という驚きの展開を用意した。大胆にも次から次へといろんなことをするものだ。あきれる。夜中にベッドの中で、スマホで鑑賞した。映画は映画館で見るものだけど、この映画にはこんな鑑賞の仕方も悪くはないかも、と思えた。たわいない話である。そして小さな映画だ。だけど、なんだかこれは素敵な映画だった。2020年の今、40代後半にさしかった主人公は25年 . . . 本文を読む
とても読みやすくて、なんだか元気にさせられる小説だ。だけど、そこには押しつけがましさは微塵もない。実にあっさりとしている。そんな匙加減が素敵だ。彼女の他の著作はまだ読んでないけど、この1冊で青山美智子の作家としての基本姿勢が確かなものとして伝わってくる。
本作は12の短編連作で1月から始まって12月まで、12人のそれぞれも物語が綴られていく。このタイトルから推察するに、これは彼女のデビュー作であ . . . 本文を読む
ヤッさんシリーズの完結編になる。サブタイトルに「ヤッさんファイナル」とちゃんと銘打たれている。中編小説3作連作だが、全体で1本の長編作品になっている。
ヤッさんの弟子であるふたりが主人公になる2作品(『マリエの覚醒』『タカオの矜持』)のあと、タイトルでもある『ヤスの本懐』で満を持してヤッさんが登場するという体裁だ。
そうなのだ、今回はヤッさんが行方不明になったところから、お話は始まる。主役が不 . . . 本文を読む
高校1年の夏、プールに落ちた坡平隆と同級生の水村まなみはその日の翌朝(その瞬間ではなく)目覚めるとお互いの体が入れ替わていた。そこから始まる荒唐無稽で奇想天外なお話がリアルの感触のもと、描かれる。
このパターンはさんざんドラマや映画でやり尽くされている。だから、最初は「なんだかなぁ」と思いながら読み始めたのだが、すぐにこれは従来のパターンとは違うぞ、と襟を正した。本気でこの設定と向き合っている。 . . . 本文を読む