習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『殿、利息でござる!』

2016-06-26 09:07:13 | 映画
  中村義洋監督がこんな時代劇に挑戦した。最近ホラーもしたし、いろんなチャレンジを果敢にこなす。しかも、これはコメディではない。阿部サダヲ主演で、このタイトルと内容だから、てっきりコメディだと、みんなも期待したはずだ。だが、これはハートフルな映画だけど、断じてコメディではなく、シリアスなのだ。笑えるシーンを期待したむきには、少々酷な話かもしれないけど、でも、映画の出来がいいし、ほっこり . . . 本文を読む
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『帰ってきたヒトラー』

2016-06-26 09:06:00 | 映画
  ドイツ映画が東宝系で全国一斉公開されるなんて、めったにないことだ。それほどこの映画は刺激的で面白いということなのだが、その英断を高く評価したい。これが大ヒットしたなら、きっと日の目を見ない映画が、もっと大々的に公開されることになるはずだ。地味な映画はひっそりとミニシアターで公開され、大劇場では日本のTVドラマの劇場版再生産や、アメリカのヒーロー物やアクション物ばかりが幅を利かす貧し . . . 本文を読む
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きづがわ『追憶のアリラン』

2016-06-26 09:04:37 | 演劇
いつも渾身の力作を作るきづがわの新作は日本統治下の朝鮮を舞台にした平壌府の地方法院検事局。昭和16年。そこに赴任した主人公のドラマ。敗戦までに日々、その後人民裁判にかけられ、裁かれることになる。彼らは無事、日本に帰れるのか。部下である朝鮮人事務官に依頼した妻子に行方。朝鮮戦争により分断される懐かしいかの地を思う。現在(昭和28年)から始まるドラマは単純な改装ではなく、過去、未来が交錯して織りなすド . . . 本文を読む
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『MRAS~ただ、君を愛してる~』

2016-06-26 09:01:47 | 映画
   またぞろ深夜のTVシリーズの劇場版映画。こういう安易な企画がいくらでも登場して、そこそこヒットするというのが今の日本映画の実情なのだろうが、そろそろ飽きられてきたのではない。公開2日目の日曜日なのに梅田の映画館はガラガラだった。TOHOシネマズ梅田の一番大きなスクリーンを用意したのに当てが外れたようだ。   僕はこの映画がTVシリーズの続編だなんて知らない . . . 本文を読む
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大阪新撰組『迷路』

2016-06-26 08:47:57 | 演劇
  新撰組としては久々の本公演。アトリエを出てウイングでの公演である。大胆で挑発的な舞台を作り上げる。アラバールの『迷路』を見るのは2度目だ。KUNIOがアイホールで上演した作品も画期的だったが、本作のウイングの狭い空間を縦横に駆使して作り上げた迷路は刺激的。冒頭のシーツの阻まれて舞台が見えないという演出が素晴らしい。しかも、客席を3つに分断して、それぞれを隔離する。舞台前、中段、後段 . . . 本文を読む
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猫の会『ありふれた話』

2016-06-26 08:46:16 | 演劇
  これは気持ちがいい。なんともチャーミングな芝居だ。1時間という上演時間もいい。この内容にぴったりのサイズだ。もう少し見ていたい、と思わせるところで予定通り終わる。なんだか心憎いくらいだ。これ以上長くなれば冗長になる。そうなるとせっかく作り上げたものがすべておじゃんだ。だから、ここで終わる。   憎たらしいくらいにスマートだ。でも、芝居自体は、それほどスマートじゃぁない . . . 本文を読む
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『10クローバーフィールド・レーン』

2016-06-26 08:42:43 | 映画
低予算のホラータッチのSF映画。まるでわけのわからない正体不明のドキュメンタリータッチの作品だった『クローバーフィールド』の変則的な続編。誰ももう『クローバーフィールド』なんていうキワモノ映画を記憶してないだろうけど、J・J・エイブラムスは忘れなかった。怪獣映画なのに怪獣が姿を現さないというとんでもない映画。破壊された後ばかりが描かれる作品で、凄いものを期待して見にきた人たちをがっかりさせた映画な . . . 本文を読む
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『貞子VS伽耶子』

2016-06-26 08:39:01 | 映画
  こんなバカな企画を通した角川映画に驚く。イベント映画の域を出ないのは、このシリーズの特徴だが、それにしてもこれは酷い。3D映画でお化け映画をしたいという想いから生まれた『貞子3D』。その続編である『貞子3D 2』。貞子と3Dが同列に扱われるあの2作品は映画ではなくもうアトラクションだった。本作もその流れを汲む。 ここにはJホラーの草分けであり最高傑作でもある中田秀夫監督『リング』 . . . 本文を読む
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『64 前後編』

2016-06-26 08:38:27 | 映画
  『前編』を見終えた時、興奮した。こんなにも凄い映画を見たのは久々のことだ、と思った。冒頭から一気に作品世界に引き込まれた。凄まじい緊張感が全編を貫く。2時間が一瞬のことだ。しかも、これはミステリーではない。犯人探しなんて、蚊帳の外に置かれる。遺族と捜査に関わった警察の面々による人間ドラマなのである。さらには報道を巡る警察広報と記者クラブの軋轢を描く。従来の事件ものとは一線を画する。 . . . 本文を読む
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