最近つまらない映画をまるで見ないから、なんか反対に怖い。映画はもしかしたら、すべて面白くなったのではないか、と不安になる。でも、この映画を見て安心した。ちゃんとつまらない映画もあるじゃないか。よかった！
もちろん、それって、この映画を貶しているのではない。褒めているのだ。こんなふうに、ちゃんとつまらない映画を作って、楽しませてくれなくては、映画はだめだ。みんながみんな傑作、力作では疲れてしま . . . 本文を読む
これは短編５本を、２本ずつセットにして、上演した辻野加奈恵さんの個人ユニットの公演。僕が見たのは『訪問者』『皮膚と心』の２本。どちらもevkkの外輪さんの演出作品だ。久々に外輪さんが出演されると聞けば、それを見ないではいられない。
外輪さんが出演した『訪問者』は、ちょっとしたホラーで、ドキドキさせられる。話自身は単純な構造なのだが、こういう話はそのほうがいい。どこまでも単純な話を、どこまで突 . . . 本文を読む
２時間５０分に及ぶ大作なのだが、原典をそのまま上演したなら８時間でも不可能な長さらしい。まぁ、歌舞伎だから当然のことなのだが、それをダイジェストにして見せるのではなく、オリジナルの精神を踏まえて、翻案する。だから、あえて饒舌な部分を残したりもする。無駄を省くのではなく、無駄に見える些末の部分こそ丁寧に見せることも必要なのだ。
昨年、橋本一監督がこれを映画化した作品を見たが、それはまるで往年の . . . 本文を読む
