これが本国では大ヒットしたという事実が僕たち日本人には信じられない。（というか、僕には、か）こんなただひたすらややこしいだけで、何一つ中身のない話に熱狂できるってなんだ？ わけがわからない。見ながら、だんだんそのバカバカしさに耐えきれず、もうどうにでもして、と思った。
アメリカ人はこういう世界観を好む。でも、さまざまな次元を行き来して、どこがどこだかわからなくなるって、どうよ、と思う。これっ . . . 本文を読む
ウィリアム・シェイクスピアの『タイタス・アンドロニカス』を下敷きにしたオリジナルなのだが、完全に深津世界に書き換えられてある。どちらかというと『うちやまつり』の続編のような作品だ。初演も、もちろん見ているけど、あの時は演出がキタモトさんで京大西部講堂前に建てられた野外特設劇場での公演だったから、この作品の繊細さが伝わりきらない。それよりも、お話のスケールの大きさに圧倒された。まがまがしさや、不安 . . . 本文を読む
別に意識して選んだわけではないけど、宮下奈都『終わらない歌』に続いて、今回も「音楽もの」である。２人の音大生の男女を主人公にした。運命のふたりのラブストーリーなのだが、少し、乗り切れないのは、あまりに観念的になりすぎているからだろうか。「きみが音楽の魂ならば、ぼくは音楽の肉体だ」という核心を貫くテーマはあまりにストレートで、それを言うのなら、もっとちゃんと彼らのドラマを見せて欲しい。この中編小説 . . . 本文を読む
