これは凄い。読み始めて、かなりドキドキする。期待は高まる。この状態がどこまでそれが続くのか。２００ページほどの分量なのはわかっている。では、こんな凄い話をたった２００ページでまとめるのか？ 興味は尽きない、はずだった。
トマス・ハリスのというか、ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』を思わせる。あるいは、昨年の白石和彌監督『凶悪』。あのテイストなのだ。というか、死刑囚とそれを取材する記者とい . . . 本文を読む
数年前、たまたま劇場版の第１作を見ることになったから、見た。もちろん、劇場で、である。でも、ＴＶシリーズは見たことがなかったから、最初はなかなか作品世界に入り込めなくて困った。でも、映画はよく出来ていたから、退屈することはなかったし、最後まで集中して見ることができたのでよかった。近年、膨大なアニメ映画が公開させるから、いくらなんでもそれらをみんな見ることはできない。しかも、ＴＶは見ないから、その . . . 本文を読む
直木賞を受賞した『ホテルローヤル』はおもしろかった。今回もまた、同じような短編連作スタイルの長編仕立てだ。そして、これもまた、実にうまい。読んでいて、どんどん暗い気持ちになるけど、この暗さは嫌いではない。そこには真実があるからだ。ここから目を逸らしてはなるまい。
桃子や直子が順子に会いに行くのは、自分の今を確かめるためだ。この６話からなるお話は、主人公であり作品の中心に常に居座るくせに、不在 . . . 本文を読む
