10周年記念企画第2弾であるにも関わらず、僕は初めてこの集団の芝居を見る。以前から気にはなっていたけど、なかなか見る機会がなかったからだ。舞台監督の塚本さんから案内を頂かなければ、今回も見ないまま終わったかもしれない。そんなふうにして、大切な芝居をたくさん見逃していることだろう。どうしても、いつも見ている確実な劇団を見ることから、まずスケジュールを決めてしまう。少ない時間をどうやり取りするかは本 . . . 本文を読む
初演からキャストを一新(でも、稲田さん演じる女だけは変わらない)して、演出も今回は稲田真理さん自身が担当するOMS戯曲賞受賞公演。パンフで稲田さんが述べているように、彼女は「物語」を語りたいわけではない。そこから「できるだけ離れたい」と言う。だから、ここには明確なストーリーラインやドラマチックな展開は存在しない。予感のようなもので突き動かされる。
登場人物は5人のみ。起伏の大きい舞台装置は、 . . . 本文を読む
これは昨年1月久々の復活公演を果たした「たなぼた」が、満を持して臨む最新作である。しかも古巣であるウイング・フィールドに彼女たちが帰ってきた。なんだかそれだけで嬉しくなる。今、芝居をやるって、結構大変なことだ。しかも、しばらく休団していた女性中心の劇団が復活するのは簡単なことではない、はずだ。でも、彼女たちはまた、こうして戻ってきた。そのことを喜びたい。
4話からなるオムニバス・スタイルなの . . . 本文を読む
隅田美代子による事件を扱うノンフィクションなのだが、あまりに膨大な人物と事件の概要の壮大さに、言葉を失う。どこを切り口にして描くのかも、筆者自身がわからなかったはずだ。読みながら、誰がどうしてどうなったのか、それを掴むことすら困難を極めた。それは事件が発覚した時の新聞やTV報道でも感じたことだったが、今回、この本を読みながら、ますますその困難を感じた次第だ。小野さんは尼崎に入ってそこで生活しなが . . . 本文を読む