この世の中にはどうでもいい映画があって、それはジャンルとしてはアクション映画とホラー映画だな、と思う。それにエロ映画も、か。だけど、そんなこと言えば映画自体がどうでもいい、なんて言われそう。どうでもいいからこそ、そこに存在意義があるなんて場合もある。まぁそんな御託はなしで、たまたま今日はホラー映画を見る。『トークトゥミー』を抑えて敢えて続編が現在公開中のこのホラー映画を見ることに。以前見て啞然とし . . . 本文を読む
こんな大胆な映画を作った。佐藤寿保監督だから可能な作品である。今時誰もこんなことはしない。そんな佐藤寿保作品を配信するってAmazonも大胆。だけどこれは少し困った映画になった。あまりに大胆でわけがわからない。大正期に生まれた村上槐多という画家、作家。あまり誰も知らない人だろう。少なくとも僕は知らなかった。これは彼にスポットを当てて再評価を試みる映画、というわけではない。街頭で『尿する裸像』を見せ . . . 本文を読む
これは最新のドイツ映画。今、劇場ではなかなかドイツ映画の公開はない。しかもアメリカ映画ばりのアクション映画なんて。公開される娯楽映画はアメリカ製ばかり。だけどそれも最近はあまり面白くない。マンネリ化した似たり寄ったりのヒーローものばかりが量産されているからだ。派手なアクションはほとんどCGだからあまりドキドキしないし。そんなわけで、最近Netflixで全く映画を見ていないことに気づく。さすがに配信 . . . 本文を読む
このアイドル青春映画にはふさわしくないタイトルと内容に心惹かれた。難病ものというわけでもないみたいだ。監督も知らない人。鯨岡弘識。もちろん主役のアイドル(佐藤新)も知らない人。ヒロインの渡邉美穂は『あたしの!』を見ているけど。青年期失顔症って何?ということで、あまりないタイプの作品みたいなのでチャレンジしてみた。もしかして今までにない凄い映画かも、とか。だけどそんな甘いものではない。これはまるでダ . . . 本文を読む
大黒友也監督は三池崇史や中田秀夫の助監督をしてきた人らしい。これはそんな彼が田辺・弁慶映画祭で映画.com賞を受賞した作品。昨年テアトル梅田で公開されていた30分の短編映画である。Amazonプライム・ビデオで配信が始まった。これがなかなかいい。深夜のゴミ収集車。業務用ゴミ回収。新人(彼は元自衛官でパイロットだったが、事故から退職)とその教育係として便乗する女性スタッフとの一夜を描く。ある日の回収 . . . 本文を読む
今日から日本で公開されるコッポラの最後の超大作となるてあろう『メガロポリス』。その公開を記念して、彼のもう一つの大傑作をIMAX上映で今再び劇場で限定上映している。この歴史的傑作を大スクリーンで再見する。オリジナルの2時間27分でも、特別完全版の3時間16分でもない3時間2分のディレクターズ・カット。今から5年前に公開されたものをもう一度上映した。1989年の初公開からは36年。ベトナム戦争を描い . . . 本文を読む
ドキュメンタリー映画『太陽の塔』や傑作『生きてるだけで、愛』の関根光才監督が挑むコロナ禍映画。まだ生々しい記憶が鮮明に残る2020年2月、ダイアモンドプリンセス号でのパンディミックを娯楽大作映画にするなんていう企画。もちろん当然これはエンタメではない。だけど商業映画である。感動のヒューマンドキュメンタリー映画にするはずだけど、これはかなり困難を伴う映画になることであろう。実話の映画化で、もちろん関 . . . 本文を読む
変な映画だ。こんな映画が大ヒットした。昨年春に公開されて、なんと50億もの興行成績を記録したのだから驚きだ。一体どんな映画なのかと少し気になっていたから、先日配信が始まったので早速見たのだが、まるでわけのわからないB級ホラーだった。怖かったわけではない。面白いわけもない。お話自体が読めない。数年前に公開された『事故物件』とよく似たタイプの映画だったが、(あれもつまらなかったけど)まだあれの方がわか . . . 本文を読む
見る前には、これはまた先日見た『ボイリング・ポイント 沸騰』と同じパターンのレストランのお話だなと思ったが、この驚きの展開はあの作品の比じゃなかった。啞然とする。あり得ないけど、必ずしもカリカチュアしているわけじゃないだろう。こんなにも凄まじい状態で一日が(毎日が!)ある。それは確かに『ボイリング・ポイント』でも描いていた。レストランの舞台裏ではこんなにもさまざまなドラマが隠されている。ただ、これ . . . 本文を読む
ニック・チェク監督のデビュー作。こんなにもストレートで、繊細な映画だったなんて。ニックは主人公であるふたりの少年、彼らの心情を丁寧に描く。そして大人になって教師になった彼の心情も。ふたつの時間を往還しながらたどり着いた、ふたりのその後に衝撃を受ける。こんなにも胸に痛い映画だなんて思いもしなかったから、驚いた。10歳の男の子の心の傷み。冒頭部屋上から飛び降りるシーンからドキッとさせられる。もちろん彼 . . . 本文を読む
矢口史靖監督作品だから、期待作品が並ぶ今週だけど、まずこれを最優先して見たいと思った。ホラー映画に彼が挑むなんて、しかも主演は長澤まさみ。期待しないほうがおかしい。ゾッとする怖さとそれだけではない「何か」を期待する。前半戦はなかなかいい。冒頭の長澤まさみが洗濯機を覗くシーンから悲鳴まではパターンだけど、絶妙な導入。だけどこの先の本編に入ったところから徐々に迷走する。娘の死から人形への依存という流れ . . . 本文を読む
松居大悟監督と池田エライザがコンビを組んで、上田誠の脚本で放つ2時間7分の大作。もう30歳になる池田が大胆にも高校生役に挑む。10年後の現在との二役だけど。というか、ほとんどのクラスメイト役がみんな17歳と27歳を演じている。橋本愛なんてまた高校生しているよ!冒頭の30分。泣きまくることに。これはないわぁ、と思う。ここまで『時をかける少女』のリメイクをしてくれるなんて。お話は駆け足で終わる。ここで . . . 本文を読む
ワン・ビン監督作品。10年の歳月をかけて撮った(作った)大作。3部作で全10時間に及ばんとする大長編。これは昨年の『春』に続く第2話である。今回も226分の大長編だ。途中休憩(懐かしい)10分を挟む。4時間である。しかもタイトルは『苦』。これは見る前からもう厳しい映画だとわかる。子ども服の街、織里。これはそこで暮らす出稼ぎの若い世代の物語。冒頭は前作同様、ここで働く若者たちがミシンを踏む姿を延々と . . . 本文を読む
こんなタイトルだから(邦題だけど)つまらないアクション映画だと誤解しそうである。リーアム・ニーソン主演だから余計に。だけどこれはまさかの映画だ。原題は『聖人と罪人の国で』。こちらの方がいい。『プロフェッショナル』ではまるで興味が惹かれなかった。しかもリーアム・ニーソン主演だけど、キネ旬で評判がよかったから、騙されたと思って見る。ハードな社会派映画ではなく、B級アクションでもない。なんとピーター・ウ . . . 本文を読む
この映画は一体何なんだ? 何がしたいのか、まるでわからないメチャクチャな映画である。荒唐無稽もここまでいったら立派かもしれないけど、啞然とするばかりで、別の意味で衝撃。想像していた映画とはまるで違う。というか、想像を絶する映画。もちろん褒めてない。タイトルのポライトソサエティ(ソサイティの方がいい?)は上品な社会というような意味。もちろん皮肉。昨日の『我来たり、我見たり、我勝利せり』に近い傲慢さを . . . 本文を読む