ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

いくらなんでも

2017年09月23日 | 本/図書館/言葉

 買った日は忘れた、が、奥付には “ 15年4月10日 第一刷発行 ” とあり、その日から幾らも経っていない頃だったはず。

 だとすれば読み始めて優に二年、いくら<遅読>の酔狂 にしても、それは読書という概念から離れちまっている。

 そんなことをさせたのは、宮本輝さんの上下二巻の長編、というより9章からなる連作の体裁の 「田園発 港行き自転車」(集英社刊)という小説、真面目に読めば一、二日もあれば足りる。

 長崎でゴルフをしているはずが滑川で急死した父から、北陸のアイモトという所に行けば、ゴッホ(1853-1890)の 「星月夜」(NY近代美術館蔵)に似た景色に出会えると聞いていた娘、友人とそれを確かめるため滑川、魚津、入善と北陸本線に沿って自転車でツーリング。

 躓いたのは上巻全4章の中の第2章、そのツーリングの場面が140ページ近くも続きギブアップ。
 観光案内文みたくなことを長々と、と奥付を見れば “ 初出 「北日本新聞社」にて毎週日曜日に連載 ” とあり、「富山の新聞に連載してたのか」、で、疑問が解けると同時に興が失せ閉じてしまった。

 が、つい1週間ほど前のこと、読み終えた本を図書館に引き取って貰おうと紐で括ってたら、「うん?これ未だだった?」と、斑呆けゆえ経緯も忘れ再開、で、二年越しの読了となった次第。

 断っておくが詰まんない本と言っているのではない、本旨は読書ひとつとっても辛抱が足らない爺さんということ、読み終えれば何時もの宮本輝さんの世界だった。
 余談だが、その「星月夜」、MoMAで出会った時の感動、昨日のことのように憶えている。
 秋彼岸の真ん中、<速読>のあいつ、今頃 「相変わらずね・・・」と笑っている、だろうと思う。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1385


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