ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

恵みの呼吸 ‐ 言葉を拾う

2017年02月21日 | 本/図書館/言葉

 ノートルダム清心学園(岡山市)理事長でシスター渡辺和子さんが昨年暮れ帰天されたが、NHKがこの週末(2/18)の 「心の時代」で、渡辺さんの信仰の姿を再放送していた。

 話は昭和11年、陸軍青年将校らが1480余名の兵を率いて起こしたクーデター未遂事件、二・二六事件にまで遡る。

 NHKのHPを借りれば、登場するのは “ 陸軍教育総監の父を目前で殺された渡辺和子さんとその父にとどめを刺した陸軍少尉の弟、安田善三郎さん ” の二人。

 戦中、戦後の困難な時期を、いかに生き抜くかを実践してきた渡辺さん。
 一方、反乱軍の親族という汚名のもと息をひそめ暮してきた安田さん、二人のモノローグの形で進む。

 事件から50年の法要で初めて顔を合わせた二人、兄の事に負い目を感じてきた安田さんは、渡辺さんが “ 父を殺した兵士たちの墓に手を合わせたことに驚愕した ” と話す。

 渡辺さんは事件後カトリック系の大学へと進み、そして洗礼を受ける。
 やがて修道者としての道を歩み始めた渡辺さんはボストンに留学の後、36歳の若さでノートルダム清心女子大の学長に就くものの、年長者ばかりのなかで「若さゆえに生意気だった」と笑みを浮かべ顧みる。

 渡辺さんは、処刑になった将校に恨みの気持ちは少しもない。ただ、彼らを煽り乍ら自らは白を切り通した軍上部の者は赦せない、と静かに語る。

 ところで、理事長を務める学園の玄関に架る、牧師・河野 進(1904-90/詩人)さんの詩を紹介するシスター、それは・・・、

 天の父(とう)さま
 どんな不幸を吸っても 吐
く息は感謝でありますように
 すべては恵みの呼吸でありますから

 渡辺さんは、その一編の詩の心を学生に訓えるのだと言う。
 自らに言い聞かせる言葉でもあるのだろう・・・か? そんなことを思い乍ら二人の越し方を想った。

 Lent・四旬節(3/5~)の頃に咲く 「レンテン・ローズ」、主の受難と復活の日を祝う準備が今年も始まる。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1266


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2 コメント

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心に沁みました (越後美人)
2017-02-21 20:42:04
「どんな不幸を吸っても、吐く息は感謝でありますように・・・」
この歳になって、ようやく理解出来たように思います。
そのような人になりたいと思います。
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越後美人 様 (petro)
2017-02-21 23:17:38
コメントありがとうございました
吐く息は不平・不満ばかり・・・、そんな人生を送ってきたようです
シスターからこの言葉を聞いた時、あらためて自省しました
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