<わらべたち>で紹介した、お人形作者でお茶のお仲間でもあるHさん、「駅の階段で残り一段を踏み外し、靭帯を痛めてしまったの」と、電話の向こうで話される。
彼女に限らず、転んだり滑ったりが思いのほか大事になることが多く、「お大事に」と電話を切った。
共通のお仲間のMさん、そのことを知り、日頃キャリーバックを引っぱりバタバタと動く私を心配して、嬉しくも転ばぬ先の杖ならぬ “ 転ばないお守り ” を作って下さった。
毛糸で編んだ赤と白の袋には、小さな花がついている。
中には小豆が二粒入っているとのこと、「まめまめしく元気にと言うことかな?」 と、勝手に解釈している。
そうなんだ、Mさん、こうした小さな細工物、玄人跣(はだし)と言うよりプロの域。
籠の丸い玉は、正月に松に餅花のように付けてドアに飾る。
端切れなどで作られていて、小さな鈴が付いているのでチリンチリンと可愛く鳴る。
梅も、桜も、桃も、花の頃に電車からしか眺められない私に、「ゆっくり楽しんで」と作って下さった。
ちりめん細工の “ 自称サッチャン ” と呼ぶ椿の花、キャリーに付け、お守りと名札代わりにしている。
話は少しそれるが、朝日の連載漫画「ののちゃん」に登場するサッチャン。
ののちゃんのおじさんのお孫さんで相当の悪ちび、ののちゃんちの犬のポチが、サッチャンの顔を見ただけで、尾っぽを巻いてすごすごと犬小屋に逃げ込むほど。
誰かに、「あんたがモデル?」と揶揄されるほど、「小さい頃の私」に似ていて可笑しい。
話は戻って、七夕の短冊、風車、提灯、輪っかつづりなども。
花も餅花も短冊も可愛い、“ 和のオーナメント ”、丁寧なお心遣いに感謝のほかない。
彼女の作品、「お店に並べても!」と皆さん太鼓判を押されるのだが、手仕事が好きな当のご本人、ニコニコ笑いながら愛をどっさりと詰めておられる。
小ブログ、皆様に支えられて25日で満2年、<酒とバラの日々>から旅を重ねて319回、思えば遠くへ・・・の心持、しないでもない。
西国八十八箇所のお遍路ではないが、遠藤周作の「<沈黙>」の舞台となった長崎の大村や西彼(せいひ)、足を伸ばして五島など、“ そこにあるすべての道が小さな名もなき教会へと続く佇まい ” を、巡礼できればと願っているのだが・・・。
その巡礼、「遅れる!」とあたふたとキャリーを引っ張り飛び出す彼女の姿に、 「こりゃ、無理や!」と、早くも諦めムード。
キャリーで小さく揺れる、 “ サッチャンこと椿の花 ” を見送りながら、「恵み、あらたかならんことを」と願う日々である。
少し長くなりましたが、拙文にアクセス頂く皆様に、心から感謝申し上げます。
自粛模様のなかでゴールデン・ウィークが始まりましたが、様々な思いを残し、卯月・4月はゆくようです。
Peter & Catherine’s Travel Tour No.319
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